こだわりより安さを追求する中古派。実は価格以外のメリットも多い
【今週の住活トピック】
「若者世代の住替え意識調査(第2回)」を公表/不動産流通経営協会(FRK)
http://www.homenavi.or.jp/frk/about/teigen/h26_youngsumikae.pdf
不動産流通経営協会(FRK)は、住み替え意向のある首都圏に住む20代~40代の男女を対象に、今後の住み替え意識や物件選択に関するこだわり、ライフスタイルの志向性などについて調査した、第2回「若者世代の住替え意識調査(概要版)」を公表した。その中で、住み替え先として中古住宅を希望する「中古派」が、なぜ中古を希望するのか、中古住宅のメリットは何かを深掘りしてみよう。
住まいへのこだわりが低い傾向が見られる「中古派」
20代~40代の若い世代が住み替え先として希望するのは、持ち家が76.7%(一戸建て43.9%、マンション32.8%)で、賃貸住宅が22.4%だった。持ち家を希望する人のうち、新築のみまたは主に新築を希望する「新築派」は62.4%、新築・中古に「こだわらない派」が31.1%、中古のみまたは主に中古を希望する「中古派」が 6.5%だった。
まだまだ新築派が多いのだが、新築・中古にこだわらないのではなく、中古を希望する「中古派」には、どんな特徴があるのだろう。
調査結果によると、新築派やこだわらない派との比較において、次のような傾向がみられるという。
・中古派は、年齢では 40 代前半、世帯構成では「単身」と「自身+親世帯」の割合が高い。
・中古派の約6割がマンション派で、特に一次取得者予備群のマンション派の割合(約4割)が高い。
・中古派は、世帯年収や世帯金融資産、購入限度額が低い傾向にある。
・中古派は、借入率(借入額上限÷購入価格上限)0%の割合が高い。
・中古派が住み替え先として希望するエリアは、東京23区内の割合が低く、希望する間取りや面積も小さい傾向にある。
・中古派は、住まいへのこだわりが低い傾向にある。
中古派の大きな特徴は、住まいへのこだわりが低いということだろう。
新築派、こだわらない派、中古派いずれも、「日当たりや通風がよい」「耐震性に優れている」「希望のエリアである」「駅に近い」などへのこだわりが強い傾向にあるが、費用をかけてでもこだわりたいという割合が、新築派やこだわらない派に比べると低くなる。
また、「都心など中心部にアクセスしやすい」「商店街やスーパーが近い」「自然環境が豊か」といった周辺環境や「子どもの数だけ子ども部屋が確保できる」「購入時から好みのデザインや間取りである」などの間取りについては、こだわるより安さを優先したいという割合が高くなるのが、中古派の特徴だ。
価格の安さに付随する多くのメリットとは?
費用をかけてまでこだわりたいという志向が強くない中古派は、購入限度額を抑える傾向が顕著だ。中古住宅は新築住宅に比べると「価格が安い」ので、マッチすることになる。
価格が安いことは、無理をせずに買えることにつながる。
中古派で借入率0%(全額自己資金)の比率が高めになるのも、価格の安さに関係していると見てよいだろう。一方調査を見ると、借入率100%(全額ローン)の比率も高めなのだが、金融資産の額(自己資金)が低いことと関連しているのだろう。全額ローンでも、借入額を抑えられるので、家計への負担が少ないということも関係していると考えらえる。
また、中古住宅は、「売る時の価格と買った時の価格の差が開きにくい」という点もメリットになる。調査結果では、「購入した時とあまり変わらない値段で売却できる」というこだわりは、新築派、こだわりなし派と中古派で大きな違いはなかった。しかし、新築住宅の場合、住んでから売却しても値下がりする幅が小さい物件を選ぶには、相応の選択眼が求められるのが現実だ。
ほかにもある中古住宅のメリット
中古のメリットは、価格以外にもある。
まず、スケジュールの問題だ。新築の場合は、購入申し込みをしてから住宅が完成し、入居できるまでかなり時間がかかることがほとんどだが、中古の場合は入居できるまでにあまり時間がかからないことが多い。新生活に間に合わせたいといった事情に合わせやすいのも中古の特徴だ。
次に、物件チェックの仕方。中古住宅は一戸建てやマンションが完成して、周辺の環境やコミュニティもすでに形成されている。中古住宅を購入した人に聞くと、実物の間取りや日当たり、眺望などを見て確認できるという点を評価する声が多い。また、管理や街のコミュニティの良し悪し、居住者の雰囲気など、現地を訪ねて分かる情報も多い。
安心して買えたという人も多数いる。
最後に、内装の古さはリフォームで改善できることを挙げておこう。
間取りや設備などは、リフォームによって、ある程度は現在水準に引き上げることが可能。しかも、自分で選べるのでオリジナルの内装に仕上げることもできる。価格が安い分をリフォーム費用に回し、長く快適に住めるように改善して、自分らしい家をつくり上げ、愛着を感じて住み続けるというのが、住む人にも住宅にもよい選択だと思う。
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/07/30/66729/
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