『フィラデルフィア』『セブン』の系譜に連なる!? O・ブルーム×F・ウィテカーが街の闇に迫る『ケープタウン』 

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『ロード・オブ・ザ・リング』『パイレーツ・オブ・カリビアン』『トロイ』などの大作に出演し、日本でもおなじみのオーランド・ブルームと、『プラトーン』『グッドモーニング, ベトナム』といった戦争映画での役柄が印象的なフォレスト・ウィテカーが共演するサスペンス・アクション『ケープタウン』。日本においても2014年8月30日より公開されます。
人種隔離政策(アパルトヘイト)の影が色濃く残る南アフリカ・ケープタウンを舞台に、女にだらしがなく酒が手放せない刑事・ブライアンと、その上司でズールー族出身の警部・アリのコンビが、元ラグビー選手の娘の殺人から子ども失踪事件に共通する薬物の真相に迫るというストーリーも気になるところですが、何よりも甘いハンサムの印象が強いオーランドがワイルドなブライアンを演じるというあたりに注目が集まりそう。

また、白人と黒人との共演といえば、過去には数々の名作が揃っているということは言うまでもないところ。エイズを発症して弁護士事務所を解雇されたアンドリューをトム・ハンクス、ゲイ嫌いのジョー・ミラー弁護士をデンゼル・ワシントンが演じた『フィラデルフィア』(1993)や、ブラッド・ピットが新人刑事ミルズ役、モーガン・フリーマンが退職間近の刑事サマセット役を演じた『セブン』(1995)など、今も色褪せない作品が生まれた背景としては、ハリウッドにおけるアファーマティブ・アクション(積極的格差是正措置)と呼ばれる施策が理由として挙げられます。

1981年にロナルド・レーガンがアメリカ大統領に就任し、アファーマティブ・アクションを推進すると、それまで悪役に配されることが多かった黒人俳優が、徐々に好意的なキャスティングが行われるようになりました。『48時間』でデビューしたエディ・マーフィが、その恩恵に預かった代表格といえるでしょう。その後、1990年代になるとD・ワシントンやM・フリーマンが出演する骨太のストーリーの作品も次々に登場しました。『ケープタウン』のF・ウィテカーも、『クライング・ゲーム』『プレタポルテ』などで好演を見せています。

中でも、白人と黒人が共闘して困難に立ち向かうストーリーには、観る者に多くの共感を与えてきました。『セブン』でも血気盛んなミルズ刑事をサマセット刑事が諌め導く姿が印象的ですが、ふたりに信頼や友情が生まれる時、黒人差別の歴史を踏まえていると、より一層その関係が味わい深いものに感じられるはず。

『ケープタウン』でも、ブライアン=O・ブルームと、アリ=F・ウィテカーが似たような図式になっています。まして、黒人差別が国策だった南アフリカにおいて、警察の中で地位を築くためにアリはさまざまな偏見にも直面したはず。そんな彼の”バディ”として、ブライアンがどのように接し、共闘して犯罪組織に対峙していくのか。そこに注意して見てみたいところです。

8 30(土)公開 『ケープタウン』予告篇 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9SJorLRkOic [リンク]

映画『ケープタウン』公式サイト
http://capetown-movie.com/ [リンク]

(C)2013 ESKWAD-PATHÉ PRODUCTION-LOBSTER TREE-M6FILMS

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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