「ジブリ映画」が子どもの心に与える影響
「誰もが特別な存在」ということに気づかせてくれるジブリ映画
なんでもない平凡などこにでもいる存在。特別でない存在が、実は「誰もが特別な存在だった」という、「誰が非凡か平凡か」とか、そんな相対的な評価でなく、それぞれに「個」を愛し尊重し、工夫や努力をすれば「世の中で一隅を照らす存在になれるんだ」という「自分の価値」に気づかせてくれるのが、ジブリ映画の特徴でしょう。
登場人物に主に共通しているキャラクターは、思春期のピュアで好奇心の強い主人公と欠点や弱みをもったパートナー。この二人三脚で「物事の本質」を求め探して見つけていく人生のワンシーンが描かれています。
このようなジブリ映画は、子どもの心に何を与え、何に気づかせ、どのような影響を与えていくのでしょうか?
迷いや不安に光を当て、自分の心に素直になることで勇気が出る
資本主義経済のすさまじい競争社会の中で、幼少期から「結果さえ良ければいい」「利益さえ上がればいい」「今さえ良ければいい」「自分だけ良ければいい」という、傲慢で無秩序な一極主義に偏った価値観が平然と横行している傾向にある現代。学校でも会社でも否応なしに他者評価で優劣を決められ、「勝ち組、負け組」と区別され、結婚も出産もままならないような、本来人間なら誰にでもある権利までも行使できない厳しい現実の中で、ジブリ映画は私たちに一筋の光を注いでくれています。
「ゆっくりだっていいんだよ」「何度だって聞いていいんだよ」「わからないことはわからないって言っていいんだよ」「思ったこと、感じたこと、自分に素直に言っていいんだよ」と、人間の弱さ、危うさ、迷い、不安、そういった陰に光を当ててくれています。自分の心に素直になって、思いを声に出して伝える勇気と、学んで得た知識を知恵に変える工夫を教えてくれているのではないでしょうか。
ちょうど、学校で密かにいじめを受けていることを、昨日まで言いたくても言えなかった子どもたちが、今日からは勇気を出して自分の声で「やめて!」と言える。そんなふうに変わっていく姿が目に浮かびます。そして、敵対するのではなく、「いじめっ子にもわけがあったんだね」と、許せる広い心を持てる子どもたちに成長し変わっていくのでしょう。
子どもたちの心には好ましく望ましい影響といえます。これからの社会を担う子どもたちにとって、ジブリ映画は、普遍的な「人の真の愛情とは何か?」「人の生きる真の目的とは何か?」「人の真の平和とは何か?」を導き出してくれるのではないでしょうか。
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