介護疲れ予防に効く収納テクニック
「いつ終わるかわからない」介護は誰もが直面する課題
日本は、4人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えています。その数は、団塊の世代が75歳以上となる2025年に、さらに増えると推定されています。老いた両親や配偶者とどのように暮らすのか。今や介護は誰もが直面する課題となっています。
特に介護は子育てと違い、「いつ終わるかわからない」という特徴があります。また、日を追うにつれ手がかかるようになるため、介護を支える家族に大きな負担を強いることとなります。
そこで今回は、介護に携わる家族の負担を軽減し、介護が続けられる状態を維持するため、「収納」という切り口から5つのステップを紹介します。
「人に頼る」ことを良しとし、人に頼るために収納を
①「人に頼る」ことへ頭をシフトチェンジ
まず初めに、「人に頼る」ことを良しと考えてみましょう。入浴、排泄、食事の介護や、掃除、洗濯、通院の送迎の介助などは介護保険の適用範囲内のため、1割の自己負担でサービスを受けることができます。「介護はプロに」と割り切ることが肝心です。いつ終わるかわからないからこそ介護する側が息切れしないよう、自身のメンテナンスにも目を向けるよう心がけてください。そうすることで、家族にしかできないケアに時間を割くことができます。
②人に頼るために収納を見直す
ヘルパーさんが来るたびに、介護に必要な物を準備したり収納場所を教えたりしていては、余計な作業が増えるだけで本末転倒です。誰がいつ来ても、どこに何があるかわかる状態を整えておけば、説明の手間が省けます。
作業ごとに必要な物をひとまとめに
③作業ごとに必要な物をセット収納
具体的な収納の見直し方法の一つが、作業ごとに必要な物をひとまとめにして保管する「セット収納」の導入です。例えば、食事の場合、おしぼり、エプロン、介護用食器、スプーンなど、口腔ケアでは、吐き出した水を受ける容器、歯ブラシ、歯間ブラシ、コップ、入れ歯洗浄剤などというように、それぞれ一作業ごとに一つのカゴなどで保管します。
④収納場所を決めて定位置で管理
セット収納した物は収納場所を決めて、いつでも定位置で管理するようにしましょう。食事介護のために使う道具は、食器棚の真ん中、口腔ケア道具は洗面所の引き出しなど、作業の動線も考えて収納場所を決めるとより便利になります。
⑤収納場所にラベルを付けて情報共有
決めた収納場所に目印として「ラベル」をつけてあげましょう。シールでもマスキングテープでも良いので「食事介護用品」「口腔ケア用品」など、できるだけ目立つように書いておくと、誰でもどこに道具があるかわかるようになります。
介護の基本は、人に頼ること。頼るためにどうすれば良いか考えると、気持ちが少しは楽になると思います。収納の見直しで、誰が来ても安心して介護を任せられる環境を整えることができ、介護疲れを防ぐことにつながります。介護する側もされる側も、お互いが家族として幸せな時間が過ごせるように、試してみてください。
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