株主優待で得する活用ポイント
株主優待を実施する企業が年々増加
株主優待とは、企業が株主に対して品物やサービスを提供する制度です。基本的に日本独自のもので、他国ではほとんど行われていません(一部アメリカで実施)。
株式投資を始めるきっかけとして「売買で利益を上げたい」「配当金をもらいたい」など、お金を稼ぎたいと考える人も多いですが、実は「株主優待」を楽しみにしている人も少なくありません。
そのためか、株主優待は任意の制度ですが、実施する企業が年々増えており 上場企業のうち1100社以上が導入しています。
現金の数倍以上の価値のある製品・サービスを受けられることも
そもそも「配当」とは、株を保有していると、企業が上げた利益の一部を株主に分配還元されて現金で受け取ることができるものです。通常の決算期に配当される普通配当のほかに、「決算期に利益が増加し、その後については不透明であるときに増配される特別配当」「企業の上場や設立の周年を記念して増配される記念配当」「期中に配当される中間配当」などがあります。
配当が現金なのに対し、株主優待の多くは自社の製品やサービスの提供です。企業の負担の重さは「現金1000円=自社の製品・サービス代1000円」とはならないでしょう。実際には現金の、少なくても2倍、さらには数倍以上の価値のある製品・サービスを受けられることもあります。そこが、株主優待の醍醐味と言えるでしょう(自社製品以外の食品やギフトカード等を提供する企業もあります)。
この株主優待を受けるには、「株主優待を実施している企業の株を購入する」「株主優待を受けるために必要な株数を持つ」「割り当て基準日に株主名簿に名前が記載されている」ことが必要です。
※「割り当て基準日」は、企業により違いますが、手続等の関係で4営業日前までには約定している必要があります。つまり、気になる株主優待を行う企業の株を4日前までに購入すれば「欲しいものがもらえる」ということです。
家族別々の名義で保有すると得する銘柄も
様々な株主優待があるので、まずは「どんなものが欲しいのか」をしっかりと考えて投資先を探すことが重要です。人気のある銘柄でも、自分が住んでいる地区にサービスを受ける場所がなければ、優待券をもらっても利用できません。
株主優待を受けるために必要な株数によっては、別々の名義で購入した方が、多くもらえることもあります。例えば、「100株以上持っている人には1000円分のギフトカード」という企業であれば、100株以上何株持っていても1000円分しかもらえませんので、100株ずつ4人の家族名義で保有することにより、4000円分もらえることになります。
人気のある株は、割り当て基準日が近づくと割高に?
長期保有優遇もあり、株式保有期間によって、もらえる商品やサービスの金額がアップしたり、優待品の数が増えたりするなど、株主優待がグレードアップします(期間は企業によって異なります)。好きな企業の株を持ち続けることで、その企業を応援するという「起業応援型」タイプの買い方とも言えるでしょう。
また、株主優待狙いで株を購入する人も多いため、人気のある株は割り当て基準日が近づくと割高になることがあります。優待を受け取る権利を得ると株を手放す人も多く、その後に株価が下落することもあります。
そのときの状況や個別銘柄により一概には言えませんが、株主優待で「得しよう」と思って購入したのに、株価が下がって結局は「損をしてしまった」となると、元も子もありません。株主優待が目当てだとしても、株価が割高ではないか吟味する必要があります。いずれにしろ、基本的に株を購入するには「リスクがある」ということを念頭に置いて、取引してください。
最新の気になる時事問題を独自の視点で徹底解説するWEBメディア「JIJICO」。各分野の専門家が、時事問題について解説したり、暮らしに役立つお役立ち情報を発信していきます。
ウェブサイト: https://mbp-japan.com/jijico/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。