続々・日本企業は効率が悪いのか(メカAG)
今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
続々・日本企業は効率が悪いのか(メカAG)
もう一つ大企業は効率が悪いという誤解を生んでいるのは、よくわからないことをやってる部署や人がいる点だろう。社史編纂室のジョークじゃないけど、確かによくわからない部署とかあって、だいたいそういうのはオッチャンが集まっている。
でも考えようによっては宣伝部門だって無駄に見えるかもしれない。ポケモンカレーとか一生懸命味を追求している商品開発部門の人たちからは「俺達の仕事を馬鹿にしてるのか」と思われてるのではなかろうか(苦笑)。
ポケモンカレーのように明らかに売上に貢献しているケースは、誰も異論ないだろうけど、売上に貢献してるんだかしてないんだか、よくわからないケースなんか「あいつら、なにやってんだ」と見えるのではなかろうか。
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開発部門だってよく知らない人たちは、基礎的な部分を作ってる部署を「無駄だ」とかいう感覚らしい。つまり直接お客の要望を聞いて仕様通り作りそれを納品する部署だけが、営業の人達から見ると有益な部署で、基礎開発・研究開発は「あいつら遊んでるんだから、受託製品の開発を手伝わせろよ」という感覚なのだろう。
経理とかも決算期以外はなんか楽っぽく見えるんだよね。でも決算期はほんと忙しそう。普段暇そうだから経理の人員を減らしたら決算期の作業を処理できなくなるだろう。新規の事業に乗り出す場合、あれこれ調査や提携先の企業との交渉ごとが増えるから、「普段なにやってるかよくわからない」部署の人たちが、なんかやたら活発になったりする。
ようするに特定の時だけ異常にアクティブに活動する部署があり、普段は本当に暇なのかもしれないが、だからとってなくすわけにはいかない部署、そういうのが「無駄」に見えるのだろう。いや、ほんとに無駄な部署もあるのかもしれないけど(笑)、そういうのはそう簡単に分かるもんじゃないと思うのだよね。
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「ディルバートの法則 (MAC POWER BOOKS)」 スコット アダムス(著),山崎 理仁(翻訳),デーブ スペクター 『Amazon』
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以前別のエントリで紹介したサラリーマン風刺マンガ。1990年代IT関連の人たちの間で大人気だった。書いてあることは、やっぱ上司の愚痴なんだよね。トンチンカンで理不尽な指示を出す上司。これを見るとあちらの会社のサラリーマンの苦労も、日本とサラリーマンと変わらないように見えるんだけどね。
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やっぱ人々が注目するのは特別な会社だよね。AppleとかGoogleとかMicrosoftとかSunとか。こういうのはアメリカでも例外なのだろう。アメリカだって大半の会社は日本の会社と同様に、鈍重で古臭い体質なのではなかろうか。
だって特定のCEOの下でしか、あるいは特定の時期(その企業の黎明期)しか、その特殊性は発揮されないよね。
だからあちらさんの「例外」を日本企業は真似しろといっても無理な話。知恵を絞るなら日本企業にも例外を作る方法だろう。日本企業にAppleを見習えというのは、ゼネラル・モーターズにGoogleを見習えというようなもの。既存の日本企業をAppleやGoogleにするのは無理。AppleやGoogleを生み出せるようにするにはどうすべきかを考えるべき。
人間に例えるなら、必要なのは天才を生み出す方法であって、凡人の欠点をあれこれ直させることじゃない。
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できないことが分かってて、日本企業はAppleを見習え!というのは、単なる憂さ晴らしだろう。できないことがわかっていて、「やれ」と嫌がらせしてるのだから。企業の悪口をいってウサを晴らしたいだけなのか、本当に日本経済を成長させるためにはどうすべきかを考えてるのか、どっちなのだろう。
日本の将来を憂いているふりして、居酒屋で上司の悪口を言ってるレベルの評論家&ジャーナリストが多すぎるのではなかろうか。上司の悪口は楽しいからね。共通の敵だから意見が一致するし。でも生産的な内容のは少ないよね。結局はいつも上司に無理難題を押し付けられてるから、仕返しに、同じくできそうにないことを「会社たるものこうあるべきだ」と言ってるだけだ。具体的な方法は考えない。とにかく「やればできる、できないのは努力が足りないからだ」と(笑)。
関連記事:
「日本企業は効率が悪いのか」 2014年06月13日 『ガジェット通信』
https://getnews.jp/archives/597680
「続・日本企業は効率が悪いのか」 2014年06月14日 『ガジェット通信』
https://getnews.jp/archives/597697
執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年06月13日時点のものです。
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