藤岡みなみ〈第3回パンダ音楽祭〉を語る

藤岡みなみ〈第3回パンダ音楽祭〉を語る

2014年5月10日(土)に上野恩賜公園・野外ステージ(水上音楽堂)で開催され、大盛況のうちに幕を閉じた〈第3回パンダ音楽祭〉。司会及びオープニング・アクトとして参加した藤岡みなみに終演直後に話を聞いた。

――〈第3回パンダ音楽祭〉お疲れさまでした!

藤岡みなみ(以下・みなみ) : お疲れさまでした! どうでした?

――いきなり逆質問(笑)。昨年は多少座席に余裕がありましたけど、今年は最初から満席でしたね。

みなみ : そうですよね! 開場と同時に満員、みたいな感じで。勢いが凄いですよね、(チケットが)4日間でソールド・アウトですもんね。当日券もあっという間になくなって、取れなくて泣いたという人がたくさんいたプレミア・チケットになっていて、凄いですよね。

――しかも最後までほとんどの人が帰っていないような状態でした。

みなみ : そう、本当に最後まで満員でしたね(ニッコリ)。

――みなみさんは今年、司会だけではなくオープニング・アクト(以下OA)も務めましたが、いかがでしたか?

みなみ : もう3回目にして、「〈パンダ音楽祭〉が文化になった! 」っていう感じでした。最初に“うえのパンダくん”っていう着ぐるみがステージに来てくれたじゃないですか? あれは本当に上野のオフィシャルなキャラクターなんで、3回目にして上野の大事な行事のようになっているのが凄いなと思いました。それと私は本当に〈パンダ音楽祭〉に出ている人たちが大好きで、世の中には色んなメジャーな人やインディーズの人たちがいますけど、私の中の一番のスターたちが出ているような感じなんですよ(笑)。だからOAっていうのも本当に畏れ多いというか、嬉しい反面「いいのかな? 」っていう気持ちもありました。でも〈パンダ音楽祭〉らしく、“ゆるくてほっこり”っていうちょっとあたためるOAを目指してやったんですけど。“ほっこり”とか“ゆるい”って〈パンダ音楽祭〉のテーマじゃないですか? でも“ゆるい”って“エモい”なって思って。

――ゆるいけれどエモい、という事ですか?

みなみ : いや、“ゆるい”ことが突き詰めると“エモい”んじゃないかと。それを今回教えられましたね。ゆるくてあったかい空気と熱みたいなものが交互にこう(手で波形を表しながら)、波で来るような感じだったと思います(笑)、全体を通して。

――昨年の終演後に感想を伺った時には「ゆるい中にも尖ったものがあるのがパンダ音楽祭」とおっしゃっていましたよね。

みなみ : はい、そうですね。前から思ってるんですけど、ロックな人たちって凄く優しいなって思うじゃないですか? 例えば甲本ヒロトさんとか忌野清志郎さんとか。

――はい、そう思います。

みなみ : ロックを突き詰めている人ってやっぱり優しいなと思うんですけど。〈パンダ音楽祭〉は「優しさから入ってロック」だなって思うんですよ。パンダっていう入口は優しいけど、最後は曽我部恵一さんによってみんなの中の熱いモノがだんだん剥き出しにされていくような感じで(笑)。

――なるほど。その曽我部さんは今年も弦を切る熱演でしたね。

みなみ : ね~!? 今年は元々2本ギターをスタンバイしていらっしゃいました。昨年は3人(奇妙礼太郎、柴田隆浩、曽我部恵一)が連続でギターの弦を切るという伝説があったんですけど。今回のトピックスとしてはチャラン・ポ・ランタンが昨日(5月9日)エイベックスからのメジャー・デビューを発表したということで、〈パンダ音楽祭〉のゆるい空気の中でTRFの曲をやって盛り上がって。昨日発表して今日初めて(ライヴで)みんなの前だったわけじゃないですか? 3回連続で出演しているチャラン・ポ・ランタンにみんなで「おめでとう」って言えて本当に良かったなって。今回もそういう大事なシーンというか伝説があって、毎回ストーリーがあるのが〈パンダ音楽祭〉の良いところだなって思いました。

――チャラン・ポ・ランタンがTRFを歌ったことを受けて前野健太さんも「BOY MEETS GIRL」を歌ったり、アドリブが利きますよね(笑)。

みなみ : そうそう(笑)。みんなアドリブが利く人たちで凄いですよね。

――今年も最後はみんな一体になって大団円という感じで。

みなみ : 本当に大団円という言葉が超似合いますよね(笑)。「THE 大団円」(笑)。

――今年これだけのお客さんが集まって、〈パンダ音楽祭〉の完成形が見えた気がしました。

みなみ : そうですね。初参加のアーティストさんが意外な面を出してくれたりとか、大道芸や落語、物真似があったりする意外があるんで、次はどんなことが起こるんだろうっていちファンとして楽しみですね。

――出演者でありいちファンでもあるんですね。

みなみ : 今日もステージ袖で聴いてたりとか、「あ! この曲! 」って思ったら走って行って客席の後ろで観たりして普通に楽しんでました(笑)。

――次も是非この場所で開催して欲しいですね。

みなみ : 自分で歌ってみて初めて気が付いたんですけど、「こんなに気持ち良いんだ!? 」って。想像以上に気持ち良いんですよ、この会場で歌うと。お風呂で歌ってる時の10倍、あのベクトルで10倍気持ち良いんですよ。

――(笑)音の反響が良いんですか?

みなみ : 会場の形が良いんですかね?「私ってこんな声が響くんだ!? 」って思うくらい反響が凄いんですよ。出演者のみなさんもそう感じたと思うんですけど。だからこの会場が作り出しているものは本当に大きいと思います。今後も普通にファンとして〈パンダ音楽祭〉を楽しめればなと思います(笑)。

取材・文 : 岡本貴之
撮影 : 勝永裕介(twitter.com/yuusuke_DdL)

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