ジャンル問わず並ぶ本棚のフシギ 京都・北白川のガケ書房ってどんな本屋さん?

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京都・北白川で2004年にオープンし、書籍・レコード・アクセサリーなどの独特なセレクトで注目されているガケ書房。『ガジェット通信』では、以前に店主の山下賢二さんにインタビューしているほか、2014年4月より連載がスタートした『日刊ガケ書房』にて山下さんに店内に並んでいる本についてご紹介して頂いております。

※参考 【シェアな生活】雑談から生まれるアイデアで作られる書店――『ガケ書房』山下賢二さんインタビュー(1 4) – ガジェット通信
https://getnews.jp/archives/90203 [リンク]

今回は京都の街の一風変わった本屋さん・ガケ書房の魅力について紹介していきます。

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京都駅から約40分ほどバスに揺られ、銀閣寺道バス停下車。哲学の道を横目に白川通を北に向かって歩くこと5分ほどで見える全面石で覆われた建物がガケ書房。壁を破って飛び出したような車の運転席がなんともシュール。山下さんはインタビューで「覚えてもらいやすいインパクトを作りたかった」ということですが、確かに一度見たら忘れられない独特の形状といえそう。

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「究極の普通の本屋」というガケ書房。一般の書店との最大の相違点といえるのが、ほとんどの棚で本の表紙が見えるように陳列されていること。山下さんは「棚差しだとほとんどの本が気づかれることなく終わってしまう。点数は限られますが、このように並べることによって手に取ってもらいやすくなります」と意図を説明します。
また、商業出版の一般書籍と取次流通では扱われない同人誌やジンも区別なく並べられています。「お客さんは面白い本を探しているわけで、それが商業かどうかというのは関係ありませんから」と山下さん。

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「自分が好きな本というより、ここ(北白川)に住んでいる人が手にしそうな本を選んでいます。ここ以外で開いていたならば、まったく別の品揃えになっていると思います」という山下さん。女性客が約8割ということもあり、雑貨やアクセサリー、絵本などが目立ちます。また、京都大学もほど近いためか、トラディショナルな文芸書もありますが、あえて専門のコーナーを用意するのではなく他の本に混じって置かれているのがガケ書房流です。

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写真集や絵本の隣に、なぜか『ドラえもん』のふろくが…。「なぜ?」と思わせることにより、本だけでなく棚自体にも関心が向いてしまいます。「あえて関連のない並びにしています。何度も来ているお客さんでも、”この本ってあったっけ?”と言って買っていくということがあるから面白いですね」と山下さんは語りますが、どことなくそのセレクトに一貫性があるように感じられるから不思議です。

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大規模書店やネット書店とは違う魅力を放つガケ書房。「このような書店をやることで、さまざまなことを相対化できるのではないか」という山下さんは、現在の出版・書店業界とは逆行するやり方を採っている理由を「『Amazon』などでも関連性のある本は紹介されるようになっているわけですが、それではそのお客さんにとって全く関心のない本には出くわさない。そういうものをお客さんに提供したいな、と」と話し、来店客が思わぬ本と出くわすことを狙った書店作りをしていると強調します。

棚や壁のあちこちにポスターやチラシ、著者からのメッセージなどが貼られ、マンガの棚にはなぜかフリスピーがあったり、見ているだけで飽きない仕掛けがたくさん。亀が四匹泳ぐ池がある外の庭など、どこを切り取っても山下さんのセンスがにじみ出ています。「ジャンルどうのというより、”ガケ書房”が一つのジャンル。ここに並ぶということで一つのふるいにかけられている」という本やアイテムに会いに行く際は、ゆったりと時間を使いたいところです。

ガケ書房

場所:京都府京都市左京区北白川下別当町33
営業時間:12:00~22:00
※元旦のみ休み
電話:075-724-0071
URL:http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

ウェブサイト: https://note.com/parsleymood

TwitterID: ryofujii_gn

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