7番目の「罪」は鑑賞者に委ねられた!? アートシーンからも熱視線の増田セバスチャンさんニューヨーク個展
東京・原宿のセレクトショップ6%DOKIDOKIを1995年に立ち上げて以来、日本のkawaiiカルチャーの第一人者として活躍中の増田セバスチャンさんが、初の個展となる『“Colorful Rebellion” -Seventh nightmare-』をニューヨークのKianga Ellis Projectにて2014年2月28日(現地時間)より開催。初日のオープニングレセプションには、アート関係者やファッショニスタを中心に2時間で約1000人が来場し、その注目の高さを伺わせるスタートとなっています。
(photo by GION)
マンハッタン南西部の最新アートの発信地として知られるチェルシーにあるギャラリーに乗り込んだ増田さんの世界。これまで6%DOKIDOKIや、きゃりーぱみゅぱみゅさんの美術などでも展開されてきたカラフルな「色彩の反抗」が、壁や天井にも広がっています。
やや照明を落とした室内にあるベッド。豪華なものではなく、無機質なデザインのものをチョイスしているあたり、増田さんがこだわった「individual」(個人的な体験)を表現するという意図が見て取れます。ちなみに、来場者は実際にベッドに寝そべってみて作品を鑑賞することもできるとのこと。
ベッドの脇には、大きなクマのぬいぐるみが。これまでの作品に比べると、オレンジ色の配色が目立ち、瞳がうつろに見えるあたりに「七つの大罪」というテーマのヒントがありそうです。
女の子の誰もが部屋に置いているようなぬいぐるみが配置されている壁や天井。
増田さんは「僕は文章を書いているつもりでこの作品をつくっている。これは僕にとって夜中に一人もがく自室、もしくは懺悔室。部屋の隙間から入ってくる暗闇。朝が来ない夜が襲ってくる」とコメントしており、「Nightmare」=「悪夢」と「カワイイ」あるいは、女の子の心象風景と増田さん自身の内面を合わせて表現されています。
会場で配布されている解説によると、「7つの大罪」に沿った展示の「ゾーン」には下記のような意図があるとのこと。
1つめのゾーンは「欲望」…手に入れると同時に失う白昼夢。
2つめのゾーンは「未来」…希望と絶望。
3つめのゾーンは「妄想」…際限なく膨らむコンプレックス。
4つめのゾーンは「運命」…迫りくる濁流。
5つめのゾーンは「傷」…残して来てしまったトラウマ。
6つめのゾーンは「現実」…不安定な瓦礫の上。
ここで7つめについては説明されていませんが、増田さんは「7 番目は、あなたに委ねます」としており、鑑賞者自身の内面に問いかける意味あいもある様子。
「僕は決して、kawaii ものをつかってグロテクスを表現しているわけではなく、むしろkawaii ものに心惹かれてしまうプロセス、依存してしまう理由…そこにkawaiiの本質が有る。少女から大人へ成長する過程におけるひずみ、ゆがみ。彼女たちのカラフルな反抗。もしかして、彼女たちの居場所をつくってしまったことが、僕の一番の大罪なのか…?」と、解説の冒頭で自問自答している増田さん。この展示自体が、「カワイイ」に対する謎かけの役割も果たすことになるのではないでしょうか。
個展は2014年3月29日まで。期間中の3月6日から9日まではギャラリー内でスペシャルパフォーマンスが予定されており、6%DOKIDOKIのビジュアルショーで培われた世界観がどのように進化しているのか期待されます。
また、現地の模様は公式『Facebook』『Instagram』『Twitter』などでも配信されているので、残念ながらニューヨークに行けないというファンはこちらをチェックしてみて下さい。
“Colorful Rebellion” -Seventh nightmare-
February 27 (Thu.) – March 29 (Sat.)
at Kianga Ellis Projects
516 West 25th Street, Studio 306B,NYhttp://www.kiangaellisprojects.com/ [リンク]
Sebastian Masuda Official (Facebookページ)
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sebastian_masuda on Instagram
http://instagram.com/sebastian_masuda [リンク]
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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