人間は非効率を好む

人間は非効率を好む

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

人間は非効率を好む

「目上の人に「了解」は失礼?」 2014年02月11日 『NHKニュース』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140211/k10015163901000.html

この話を読んでつくづく思うのは、人間は非効率が好きな生き物だなということ。礼儀とかマナーの大半は、非効率さに価値を見出すものだ。手間暇をかけて持って回った手順を踏めば踏むほどよい。

これは儀式とかにも言えること。冠婚葬祭すべて「手間」をかけることで、重厚で厳かなものになる。まあ「神への祈り」も犠牲を払えば払うほど願いが叶うはずという理屈に支配されている。生贄を捧げたり、一生懸命無意味なことをやったり。「祭り」なんかもそうだよね。神に踊りとかを捧げるわけだ。その代償に願いを叶えてもらう。

普段、合理性こそ善という考え方の人間も、つい「あっけない」とか口にする事があると思う。これは逆に言えばあっけなくないこと、すなわち手間隙かかることを暗に期待していたわけだ。

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なぜ非合理に手順を複雑化するか?俺はパスワードや確認のようなものだと思う。簡単なパスワードじゃ何かの拍子に突破されてしまうかもしれない。「ハードディスクをフォーマットしますか?」も、その後2回ぐらい確認を求めてきてほしい。

つまり「重要なのだ」という意思表示。考えてみれば、ある事柄がどれほど重要なのかを表現する手段はそれほど多くない。「このとおりだ」と土下座するとか、全財産を担保に差し出すとか、御百度参りをするとか。

逆に「理にかなったこと」ではダメなのだろう。理にかなっているならやって当然なのだから。無駄なことをあえてやることで、いかにそれが自分にとって重要なのかを示すことになる。

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よく「金がすべて」の社会はうんざりだ、金のない社会で生きたいという人がいる。金がない社会では、こうした「無駄」こそが、価値の尺度になるのかもしれない。お金の代わりに「3回土下座」「10回土下座」「300回土下座」みたいな、基準で物やサービスがやりとりされる世界。

ただ総量が決まっている「金」と違って、土下座は無限にできるから、インフレしやすいかもしれない。小学校の頃「10回謝ったら許してやる」とかやったよね(笑)。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年02月13日時点のものです。

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