大人のための仏式お葬式マナー
訃報を受けたら落ち着いて、自分の取るべき行動を考える
昨年末から、多くの人々から愛される著名人の死亡が相次いでいます。改めて、「葬儀マナー」について考えてみます。まず、訃報を受けたら落ち着いて、自分の取るべき行動を考えてください。かけつけてお悔やみを述べるべきか、弔電だけですませるべきか、また、通夜、葬式、告別式などに参列する場合は、どの段階で参列するべきなのか。一人での参列か、伴侶や同僚・上司をともなうか否かも考えなければなりません。
親族や特別に親しい間柄、ご近所であればすぐにかけつけ、玄関でお悔やみを述べ、必要であれば手伝いを申し出てください。この場合は、普段着や通勤着、そして、手ぶらでうかがいます。
知人や友人、仕事関係であれば、通夜、葬式、告別式などの情報を収集し、それに向けた対応をします。弔問が不可能であれば弔電を打ちますが、宛名は喪主宛てで。喪主がわからなければ、故人の名前に「ご遺族さま」をつけ加えます。
香典を渡す際、「ご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」の一言
香典は、故人の霊に供える香の代わりに持参する金銭です。もとは「食料香典」であったものが、昭和の頃にお金に変わりました。
市販の不祝儀袋が一般的ですが、弔事用の袱紗(ふくさ)か小さめの風呂敷に包み、渡すときには取り出し、表書きを受付係から読める向きにして両手で渡します。このとき、「この度はご愁傷様です」や「お悔やみ申し上げます」の一言を添えてください。表書きは、仏式は「御霊前」「御香典」、神式は「御玉串料」が一般的です。参列できない場合は、現金書留がおすすめです。香典が少額でお返しをいただくのが心苦しい場合は、裏面に香典返しを遠慮する「返礼は慎んで遠慮いたします」などと書いておきましょう。
故人の霊前にお供えする花を「供花(くげ)」、品物は「供物(くもつ)」と言いますが、供花や供物は非常に関係が深い人や団体が送ります。「供花供物辞退」となっている場合は、花やお供え物は辞退しますが香典は受け付けます。なお、「ご厚志辞退」の場合は、供花、供物、香典のすべてを受け取りません。また、焼香の作法は宗教や宗派により異なるので、一概にどれが正しいとは言えません。流れに従えば良いでしょう。
服装は黒か地味な色。女性は小物・メイク・アクセサリーにも注意
服装ですが、現在は喪にする色は黒で、これは明治新政府がイギリスを見習ったことに由来します。遺族は喪服ですが、参列者は黒か地味な色であれば良いでしょう。ただし、女性は喪服のみならず、小物・メイク・アクセサリー、肌の露出にも注意を払ってください。子どもが参列する場合は学校の制服が基本です。
人の死はとても繊細です。遺族の気持ちを察する細かな配慮ができて、故人を悼めてこそ大人です。葬儀の9割以上が仏式でとり行われている現状下では、死を迎える側も弔う側も、マナー教本などに頼る前に、葬式の目的や意義、さらに仏教に関する知識を深め、自分なりの宗教観に基づいて真摯な態度で向かい合っていきたいものです。
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