小学校の図書室
今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
小学校の図書室
子供の頃読んですごく面白かった本、それこそ「この本を読んだから今の俺がある」みたいな本って、どうやって探せばいいのだろう。タイトルもうろ覚えなんだよね。
たとえばタイトルが思い出せる本として「数字のない数学」。図形(トポロジー)の本だったと思う。借りる時「数学のない数学の本」と間違えて書いたので、タイトルを覚えている。小学校の頃って、なんとなく図形って、遊びみたいなイメージだよね。式を立てて計算するのが真面目な算数で、三角形の面積を求めるのは不真面目な算数、みたいな(笑)。この本を読んで、へー図形ってちゃんとした算数(数学)なんだ、と。むしろなんかこっちの方が本当の数学?とか思ったりした。
検索してもヒットしないので正しいタイトルか自身がないのだが「せっけんの科学」。セットで「ロウソクの科学」という本もあった。両方共実験の写真がたくさん乗っていて、見ているだけで面白い。せっけんの科学は、くつしたを洗濯して、石鹸だとアルカリなんで繊維が痛むとか、実験してたような。
もう一つはタイトルも思い出せない。男の子と女の子が放課後科学室で講義を受ける話。教えているのは科学室に飾ってある肖像画から抜けできたような昔の科学者風の先生。「ははは、君たちにいきなりそこにある難しい本を読めなんていわないよ」と。空気に重さはあるか?みたいな話から始まったように思う。臭素か何かの色のついた気体をメスシリンダーにいれて放置する実験だったと思う。ブラウン運動とかもでてきたような。何回か毎週授業をした後、最後に「もう君たちは自分で学べる」と、書き置きして消えてしまう。
「黒土が燃えた」みたいなタイトルの本もあったような。土は木や動物の死骸が分解されてできるのだから燃えるはずだというところからスタートして、実際に加熱して燃やしている(ぼうぼう燃えるわけではないけど加熱すると赤く発光する)。そこから土の成り立ちとかに踏み込んでいく本だったと思う。
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小学生の頃のこういう読書って大事だと思うんだよね。ひそかの貸出の競争率が高くて、こういう本はいつも「貸出中」で、なかなか読めなかったような。
考えてみれば小学校の頃が一番図書室や図書館を利用したかもしれない。学校の図書室はもちろん、街の図書館にも結構通っていた。中学になるとさすがに他のことに興味が写って、図書館にいかなくなってしまったけど。高校になると学校の図書室の蔵書がわりと充実してたので、また入り浸りになった。
よく「子どもたちに科学の面白さを教える」というコンセプトで、面白い実験とかをやる企画がある(米村でんじろうとか)。それはそれですばらしいことだからどんどんやってほしいけど、本だけでも好きな人は面白さに触れられるんだよね。いや、もちろん当時、実際に自分で実験してみたくてしょうがなかったけど(いかんせん、小学生じゃ、薬品も買えないし)。
思うに「本」ってのは、世界に開かれた「窓」だよね。小学生の頃は感受性が高いから、本の世界に入り込むし。いまならwebなんだろうけど。
執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年12月24日時点のものです。
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