アメリカ・若い人の車ばなれ
今回はsmall Gさんのブログ『small G』からご寄稿いただきました。
アメリカ・若い人の車ばなれ
日本では若い人の車離れが言われて久しいと思いますが、事情はアメリカでも似たり寄ったりの状況のようです。
私の住んでるエリアに毎月配られるコミュニティーの情報誌を読んでいたら私の住んでいるバージニア州で、2011年には19503人居た16歳の自動車運転免許の取得者が2012年には何と9830人にまで激減してしまったというのです。
実際の所バージニア州では16歳の若者の人口を自分でデモグラフィク・データとして探してみたところ、実際には11万弱でここ数年安定していましたので、16歳の人口が急減しているわけではありません。
しかしながら、記事をよく読んでいくと見えてくる新たな世代像というものがあるようです。それは、車というものがもはやアメリカにおいて「自分の意志で好きな時間に好きなところへ移動し、大人として、一人の人間として自由を得るための象徴であった時代の終焉」ではないかという話です。
これはUniversity of Richmondやシカゴ大学などの色々な教授たちの分析結果を手短にまとめたリポートなのですが、それらによると、実際の所2001年から2009年の8年の間に年齢が16歳から34歳の人達が運転する距離が23%も減少し、更にはその世代における運転免許の非保持者が21%から26%にまで増加してきているという事実です。
これら詳細に行われた結果をもとにまとめると、これらの若い世代は単に経済的な理由で車を買わないだけでなく、「忙しくて免許をとる時間が無い」とか「単に歩くか自転車のほうがいい」とか言うもので、免許を持たない人達はこういった多くの理由を色々と持っているのでした。
更にはこれらの世代に共通するのは別に車で移動しなくても、他の人とコミュニケーションが取れるし、車など運転しなくても他にいくらでも人とつながって遊ぶコンピュータゲームその他の方法があるので、何も高価な買い物をする前提としての免許取得などに時間を使うまでもない、などというようなものらしいです。
実際、大学二年の上の娘も一応身分証明書として運転免許証を取る前の段階の「learner’s permit」という運転免許取得許可証は18の時に取りましたが、「少なくとも二十歳になるまで免許を取得する暇も考えも無い!」と、繰り返し話してましたね・・・。
こういった減少のトレンドが恒久的なものなのか、この世代だけのものなのかというのは未だ仮説の段階で時の経過を待っている状態らしいのですが、20世紀までの若年世代のような「車に何らかの価値を見出す世代」というのは既に消え始めているようだという予測が書いてありました。
現に、A地点からB地点への単なる移動道具であって、長距離の移動にはレンタルトラックやZIPカーを使っておけばいいという学生達が私の周りにも沢山居ますし・・・。
まあ、車の豪華さやデカさで自分のステータスを示すことが出来る時代はアメリカではとうの昔に消え去っていますし、中国なんかの発展途上国のような「大きいほどリッチ!」とか、「車の値段=経済力」何ていうような時代遅れの田舎者の価値観なんてアメリカで話をしたらギャグかなんかと笑われるだけですしね。w
最後の結論では更に追い打ちをかけるようにこの世代に関して「車は二酸化炭素を増やして地球温暖化を加速し、バイカーを轢き殺しエネルギーを喰いまくる悪者であるという教育を小さい頃から受けてきた世代」と定義して、「もし彼らが最終的に車を使う世代になったとしても、その車は確実に今より遥かに小さく効率を求めた車であることは確かだ」と締めくくっていました。
その割には車を使わなくて済むようにセットアップされておくべき公共交通機関の異常な貧弱さが目に余るバージニアなんですけどね・・・。(DC近郊は例外ですが・・・。)
これからの20年、車にステータスを求めるような遅れた世代はアジアの新興国からやってくるアメリカが昔国外に車を売るために輸出していた「良く考えると意味不明の価値観」を身に纏ってアメリカにやってくるアジア系の人間だけかも?w
トヨタのモリゾー社長もこんな時代に車を打っていくのは大変だなとつくづく思います。
執筆: この記事はsmall Gさんのブログ『small G』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年11月12日時点のものです。
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