ローカルな素材を活かしたロールケーキが高評価に! 『ROLL-1グランプリ』でクラブハリエのパティシエが優勝

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日本一のロールケーキを決める『ROLL-1グランプリ/第二回スイーツコンテスト』が2013年11月7日にホテル日航東京で開催。入賞した18作品を審査した結果、クラブハリエ彦根美濠の舎の三好豊さんの『近江の秋~近江米と彦根梨のロール』がグランプリに選出されました。

滋賀県・彦根の梨と、近江の新米・米粉を使っているという三好さんのロールケーキ。しっとり感ともっちり感を合わせた生地やミルクで煮込んだクリームとムースリーヌにお米の甘みを活かしているところがポイント。梨の果実のみずみずしさも楽しめる一本となっています。

三好さんは、スピーチで2012年の『ロール1グランプリ』の際に系列店から優勝者が選ばれたことに触れ、「その場にいて悔しい思いをしてこの1年過ごしてきました」と語り、「今年父親が亡くなりまして落ち込んでもいたのですけれど、洋菓子のコンテストに是非参加していい成績を上げたかったので、賞を頂けてすごくうれしいです」とコメント。喜びもひとしおの様子でした。

授賞式には、スイーツ親方としてメディアにも登場している元横綱・大乃国の芝田山親方も来場。スピーチでは「『ロール1グランプリ』はいわば横綱審議委員会の総見」と相撲に例え、「プロの目から見ると妥当だけど、素人もだいぶ目が肥えてきた。これからが勝負」と述べ、各パティシエの活躍に期待を寄せました。

『ロール1グランプリ』では、グランプリのほかにも4作品が授賞。

金賞に選ばれたのは、岩手・盛岡の北日本ハイテクニカルクッキングカレッジ・工藤晶子さんの『Rouleau”Suisen”』。東日本大震災で被害を受けた大船渡市の酔仙酒造の酒粕を生地に、にごり酒『雪っこ」をシロップに使っており、花と雪をイメージとしたショコラを乗せています。クリームにはゆずの香りを加えており、口当たりがさっぱりとした一本に仕上がっています。

銀賞に選出された福島・郡山の柏屋・矢代優さんの『ルーロ・ソレイユ』。ひまわりの種で福島と日本全国を結ぶことで復興を支援する『ひまわり里親プロジェクト』をイメージして、福島県産の『ひとめぼれ』の米粉を生地にして、しっとりとした食感を目指したとのこと。オレンジのカスタードが見た目も明るい雰囲気で、復興への想いを込めたケーキになっています。

銅賞には、北海道・札幌のもりもと札幌北15条店の長谷川岳人さん作の『どさんこ豆の砂糖醤油ロール』。豆や醤油という日本ならではの食材を用いており、小麦粉・てんさい糖・はちみつ・生クリームなども北海道産にこだわった一本で、砂糖醤油の甘じょっぱい味が新感覚。口あたりのやさしさが際立つ作品です。

また、特別賞には東京・荒川のティーダ・前城竜太さんの『ティーダ』が選出。前城さんの出身の沖縄のシークァーサーの酸味を活かしたガナッシュと、ミルクチョコ、生地とクリームに入れられた黒糖が口が広がります。見た目のシンプルさもロールケーキらしくて食べやすい一本といえるのではないでしょうか。

全体的に、地元の素材をいかに取り込むか競われた今回の『ロール1グランプリ』。見た目、味の双方に卓越した技が求められ、僅差の中での勝負となり、関係者によれば「レベルが上がっている」とのこと。主催のスイーツコンテスト実行委員会と全日本洋菓子工業会によれば、今後もグランプリを継続して開催する意向。パティシエの目標にもなり、イベント自体の注目がスイーツ好きから集めることができるか、来シーズン以降の展開も気になるところです。

全日本洋菓子工業会~洋菓子・パンのプロ向け情報サイト~
http://www.pcg.or.jp/

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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