Wi-Fiに替わる新たな技術、光で通信するワイヤレス接続「Li-Fi」
今は、スマートフォンやタブレットといった、持ち運び可能なモバイルデバイスで、Wi-Fiを経由して場所に縛られず、ワイヤレスでインターネットにアクセスできる時代である。現在のところ、Wi-Fiがもっともポピュラーな接続手段だが、Wi-Fi通信が混雑すればするほど通信速度が遅くなる上、バンド幅の上限が設けられていて、ユーザーは一定回数の通信しかできないという問題を抱えている。
そこで、新たな通信手段として注目される技術が「Li-Fi」通信である。現在、上海にあるFudan Universityで研究が進められている。Wi-Fiのようにラジオ波を使うのではなく、「Li-Fi」は“光”を使用した通信方法だ。LED電球が光を発し、その明滅によって情報を伝達するという手法である。明滅スピードは、秒間に数十億回という非常に速い速度で、人間の目には視認できないほど。そして、パソコンやモバイルデバイスに設置された特殊なカメラセンサーが、光の明滅をキャッチし、データを解析するという仕組みだ。
光は、Wi-Fi信号の10万倍の周波数があり、通信速度も10倍の速さを誇る。しかも電球を使った通信をするのに、今のところ特にライセンスや許可も必要ないため、誰でも自由にこの通信方法開発に取り組むことができる点も、大きなアドバンテージだろう。ただ、この通信方法には大量の電球が必要になるというデメリットがある。とはいえ、Wi-Fiに替わる次世代の通信方法として、「Li-Fi」は期待が集まる新たなテクノロジーといえそうだ。
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