後輩から密かに恐れられているタイプとは!?
多くの人が、年齢を重ねても心身ともにいつまでも若々しくありたいと願っているでしょう。若さが称賛されるこの時代、40代になった酒井順子さんは、エッセイ『おばさん未満』(集英社/刊)の中で複雑な気持ちを綴っています。それは、限りなくおばさんに近い存在ではあるけれど、本物のおばさんではないのではないかという気持ちです。
このエッセイは40代でなくても共感できます。例えば「恐さ」について。
酒井さんは、40代になって若者からあからさまにビクビクされるようになったと述べています。若者は年長者の前で緊張してしまうのです。
酒井さんは、40代の女性が恐がられる理由として次の2点を指摘しています。それは、経験値の高さゆえに相手のアラに気づきやすいことと、図太さや老婆心も身についているがゆえにそのアラをいちいち指摘してしまうこと。
そして、恐がる相手への対応の仕方によって3つのタイプに分けています。
1、おふくろタイプ
このタイプは、若者に対して厳しく指導する一方で、すぐに優しい微笑みを見せて若者を甘えさせてあげることができます。実生活でもお母さんであることが多いです。「恐さ」というムチを「お母さんの優しさ」という誰もが絶対に嫌いではないアメによってフォローしています。
2、アネゴタイプ
「おふくろタイプ」より厳しいのがこのタイプ。若者に対して乱暴なまでに厳しく指導することがあり、いざという時は責任を引き受けたり、豪気におごったりします。年下から「○○ネエさん」と呼ばれがちであり、恐れられてはいるけれど、慕われているのです。
3、お嬢タイプ
以上の2つのタイプが「恐れられる」ということを恐れておらず、恐がられるという役割を引き受けているのに対し、若者から恐れられることを異常に恐れているのが「お嬢タイプ」。若者にはおっとり優しく接しようとしますが、その努力は通じておらず、実は最も恐れられ、腫れ物のように扱われています。
このタイプは恐がられたくないがために、イラッときても表に出しません。しかし、ふとした目つきや態度に「イラッときている」という気持ちが表れてしまいます。「本当は言いたいことがあるのに言わないでいるのだな」と若者は察知するため、このタイプが最も「恐い」のです。その場できちんと注意・指導してくれる「おふくろタイプ」や「アネゴタイプ」の方がよっぽど慕われています。
これら3つのタイプは40代女性についてのものですが、どの年代に関しても当てはめることができます。学生でも社会人でも先輩・後輩という関係はあるからです。自分の後輩に対する接し方を振り返ってみましょう。あなたはどのタイプですか?
(ライター/ ゆうり忍)
■『おばさん未満』
著者:酒井順子
出版社:集英社
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