古本勧進のご報告 〜東北の子どもたちへ〜

古本勧進のご報告 〜東北の子どもたちへ〜

「お寺の未来」主催の新プロジェクト「古本勧進」の第1回が終了しましたので、ご報告致します。ぜひ皆さんの本棚を思い浮かべながら読んでください。おっと!その本ブック◯フに持って行くのちょっと待って!このレポート読んでからでも遅くないですよ(笑)

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 開催期間:2013年6月〜8月31日(寺院により開始日は異なる) 

 参加寺院:8ヶ寺

参加寺院によって総冊数・買取金額に大きなバラつきがあるものの、合計7,911冊もの本が集まり、合計99,197円もの買取金額となりました。10万円の大台まであと一歩届きませんでしたが、予想以上の資金を東北被災地の子どもたちへ寄附することができました。ご協力頂いたお寺さま、本を寄附してくださった皆さま、陰になり日向になり応援くださった皆さまに感謝申し上げます。 

今回の活動で生まれた資金は東北復興支援活動の一つとして、東北の子どもたちの学習支援を行う二つの団体へ全額寄附致しました。この団体については過去の記事をご覧ください。 

 ■ 21世紀の大勧進、古本勧進がはじまります 
http://www.higan.net/news/2013/06/furuhon-kanjin.html 

東北復興の未来を担う子どもたちに役立てたいという趣旨が実現でき、単なる寄附ではなく明るい未来へつながるポジティブな活動になりました。様々な事情で現地に行けない人も東北復興支援の一助になればという充実感があり、また震災から二年半が過ぎ震災が過去のものになりつつある私たちが、いま一度東北へと思いを寄せる契機となりました。 

今回の活動は「東北復興支援」と「未来を担う子どもたち」という二つのキーワードがありました。その狙いはかなり有意義に達成できたと考えています。さらにもう一つ大切なポイントがありました。それは「本棚に眠る本を流通させることで、新たな価値を生む」ということです。

「古本勧進」と大きく銘打ちましたが、要は古本買取事業ですので、それ自体は特に目新しいものではありません。しかし、「古本買取」と「東北復興支援」をお寺が仲介することによって、新しい価値・思いもよらなかった出合いが生まれたことは見逃せません。本棚や物入れに眠ったままでは、せいぜい重しか肥やしか思い出くらいしか存在価値のなかった本が、古本として市場に流通することによって買取金額以上の価値を生み出しました。そんな新しい価値をざっと挙げてみましょう。 

・ もちろん、寄附としてのお金の価値 
・ 東北の子どもたちの学習支援という未来志向の価値 
・ 本は新しい持ち主の手元へ届き、読まれる本としての存在価値が再生 
・ 本を手放すという行為を通して、執着を捨てるという修行を体験 
・ 活動を通して、お寺と人との交流・コミュニケーションが生まれた 
・ お寺が人と人、人とモノを結びつける中継地点になった 
・ 副住職や若奥さんが積極的に取り組み、お寺との関わりが深まった 
・ お寺が社会活動をすることを喜んでくれる人の笑顔 

などなど他にも有形・無形の新たな価値が生まれました。しかもお寺がそのリード役を果たしたことは、お寺の大きな可能性を示しています。そして何より、これらの価値が目の前で次々に生まれてくる様子は、私たち自身にとっても非常にワクワクする体験でした。古本勧進に参加して本当に良かったと感じました。ただやはり、この喜びは実際に体験してみないと分からないのかも知れません。このワクワクを、ぜひみんなで味わいたいのです。参加するみんなが嬉しくなる活動、それが古本勧進なのです。 

さらに古本勧進の素晴らしいポイントは、参加しやすい点にあります。本の集荷・買取は協力会社の株式会社バリュー・ブックスが責任をもって対応してくれました。お寺は勧進活動をご縁の方に呼び掛け、本をダンボールに詰めるだけ。本を寄附する人は本棚の整理をして本を断捨離するだけ。この参加しやすさと古本勧進の素晴らしさをアピールしていけば、古本勧進の輪がどんどん広がっていくことでしょう。 

第2回はさらに参加寺院の数を増やし古本勧進の輪を広げたいと思いますので、次の開催までブック◯フに持って行かず、段ボールに集めて残しておいてくださいね。そしてみんなの笑顔が増えることを祈念し、第1回古本勧進のレポートを締めくくります。では第2回でお会いしましょう! 合掌

○連載:仏教なう

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彼岸寺

ウェブサイト: http://www.higan.net/

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