「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」を公開前に紹介しておくお!

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世の中には色々ある。楽しいこともあるし、辛いことも山ほどある。辛いって漢字にに「一」足すだけで幸せになるわけだから、世の中なんて紙一重の中にある。一人の男がいじめられ引き籠もりあることをきっかけに立ち上がり就職し無理と無茶が幅を利かせる会社に入りパワハラに遭い社会の理不尽さを知り友達を知り未来を知り家族を知る、そんなお話が、本作です。

「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」は、電車男と同様に、2ちゃんねるのスレッドへの書き込みを発祥とする物語です。ですので、その信憑性、真贋は不明ですが、まぁそれを問うのはナンセンスですし意味が無い行為であると言えます。求められるのは世代の共通性や都市伝説的憧れで、両作品、特に「ブラック会社~」はそれを持っていたと言えるでしょう。現代が生んだ主人公と現代的な存在ばかりのバイプレイヤー達。噂には聞いたことがあるけど、それを覗くことはなかなか難しかった、そんなアレ。一般の人々はほとんどが知るよしもないIT土方の現実。これは映画ですが、今、この瞬間も起きている真実の物語でもあります。

そんな様々なものを孕んだ本作が、待望の映画化。そしていよいよ公開の運びとなりました。主演には今が旬の小池徹平。単なる二枚目じゃなく、どこか頼りなくてどこか癒される魅力溢れる徹平君が、ニートから社会人まで熱演しています。脇を固めるのは個性的な俳優ばかり。ところが品川祐の鼻糞みたいな演技は目を覆うばかりの酷いもので、しかもいかんせん重要な役回りなのでかなり困ったもんです。客足を伸ばすためにという妄想で、まともにしゃべれない芸能人を声優に使ったりキャストとして起用したりする悪癖はいつになったら終わるのでしょう。確かにそいつらを起用すると、例の如くワイドショーに取り上げられていい感じに宣伝になったりするのは認めます。でもワイドショーは馬鹿アホが作る馬鹿暇はあるけど金がない人の為の番組なので、そんな馬鹿お客様にならない人を相手にアピールしたってたいした効果は立たないと思うのですが、実際のところはどうなのでしょうか。教えて下さい偉い人!

そんなかんだで話題沸騰の「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」、前述したように2ちゃんねる発なのですが、作品はそれをほとんど意識することなく作られています。電車男の様にネットコミュニティが現実とリンクするのか!?なんて視点で見に行くと、ちょっと肩すかしをくらうかもしれません。「ネットからまた一つ映画が生まれたお!」なんて誇らしげに思う人はもう少ないかもしれませんが、まぁそんなことを思う必要はないのです。ネットに書き込む時、少なからず(頭の中で)つぶやきながら書いてることが多いと思います。2ちゃんねるやmixiやtwitterに書き込む自分を思い出すと良くわかるかもしれません。本作では、そんなつぶやき(書き込み)をナレーションに転嫁しています。それはとても判りやすく明確で、心情を何故主人公が説明するのか?の回答になっているわけです。ここに本作の監督のクレバーさが垣間見えたりします。

「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」は青春談です。挫折と成長、友情努力勝利、昨日の敵は今日の友といった定番の数々を現代のIT企業に置いた、判りやすく、そして安心して見れる佳作です。

この3連休、きっと一度は映画を見に行く機会もあるでしょう。千数百円をどれに消費するかはあなたの自由です。CGで胸焼けすることも可能です。今はもういないミュージシャンの姿を目に焼き付けるチャンスもあります。でも、今、このつまらない記事を読んでいる今も起きている現実の物語。当たり前を描いたからこそドラマチックな物語に触れることは、無駄な2時間ではありません。霜降りばっかり喰ってたらメタボりますお。

そんなわけで、この紹介はもう少し続きます。

「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」
11月21日(土)より、 シネクイント他 全国ロードショー!
(C) 2009 ブラック会社限界対策委員会
http://black-genkai.asmik-ace.co.jp/

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