スラム街復活論 正しい貧困生活のススメ

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「ほんの少し前まで、日本は豊かではなかった。貧しさの中で必死に生きていた時代があった」と、父や母、そして祖父母から聞いていました。いま、日本は豊かなのでしょうか。今回はpikarrrさんのブログ『pikarrrのブログ』からご寄稿いただきました。

スラム街復活論 正しい貧困生活のススメ

日本なに様?
民主党にかわって、経済発展よりも福祉政策が重視されています。それは確かに美しく、そしてなんといってもマスコミが大好きな方向です。マスコミは本質的に左派(リベラル)なので、民主党の成功はまさにマスコミの勝利と言っていいでしょう。民主党は、自民党を叩き、次々に首相をおろして、念願かなって自民党の息の根を止めました。しかしこのような保護主義で日本は生き残れるのでしょうか。貧しい人に多くを分配して、経済自体は世界競争の中で生き残っていけるのでしょうか。「日本なに様?」という感じがします。どこの国でも一定の貧困層をかかえています。日本の経済力が落ちていることを格差社会の国内問題、ヒューマニズムの問題にすり替えているだけではないでしょうか。

なぜ日本人は貧困に弱いのでしょう。貧困国をみると子供でも浮浪児として生きのびているというのに日本では貧困といいながらまともな家に住み食事して家電製品に囲まれて。幸せボケしすぎです。貧しい人々がいかに生きるびているかといえば助けあいです。それは決して美しいものではありません。どこの国にも、そして日本にも、貧しい人が集まる地域がありました。貧しい人はそこに流れ着いて、生き延びる環境を作り出します。昔は日本でもあちこちにそのような地区がありましたが、総中流社会、経済バブルと経て、土地は開発されてしまいました。いまは、貧しい人々は個別に分断されて過ごしています。だから生きるためには、ある程度の経済負担が強いられます。そして生きる知恵を学ぶことができずに、情報からも遮断され、孤立し、不安を生きることになります。もはや助けを求めるのは、国だけです。というか国からのお金、すなわちお金だけです。

スラム街の助け合い
生きるということは必死であって、全員を助けることはできないという端的な事実があるのです。最近の日本の国家予算の増大、そして増える一方の借金は異常です。これはいまだに総中流社会の夢を見ている豊かボケだからです。いまの日本の正しいあり方は、国際的な規制を緩和し、自由競争を進めることです。格差は広がりますが、貧困を許容することは仕方がありません。

だから貧しい人々がよりあって住めるスラム街を作ることです。マンガ喫茶などで暮らしても、孤独で、金もすぐに底をつきます。いま、スラム街がなくなっているのは日本ぐらいでしょう。バブルで土地の値が上がって、区画整理が進みました。そして売れない高額な土地が余っています。スラム街は良いですよ。貧しい人がよりあって居心地よく住めます。孤独は金持ちの贅沢(ぜいたく)品です。総中流が終わり自分達が貧困であることを早く認めるべきです。総中流の親世代は豊かでした。そんな豊かだった子供時代のことが忘れられないのかもしれませんが、自分が下流であって肩寄せ合ってしか生きられないことを自覚してください。

非貨幣経済としてのスラム街
貧しい人たちが金持ちと同じ世界で住もうとするから、大量の税金が必要なのです。別に物質的な豊かさがすべてはないでしょう。貧しくも楽しく生きていく方法があるのです。そうやって人類は生きてきたのです。総中流時代は高度成長期やバブル期などの一時期のものです。マスコミは貧しい人々に安易に夢を見せすぎです。それで自己満足しているのです。みんなが幸せになるコンセプトを売るのが知識人の収入源です。それが現実になるかは彼らには大して関係ありません。昔は都会には山の手と下町がありました。街の雰囲気が全然違いました。それがいまでは画一化して、コンビニ、ファミレス、マン喫など同じものが乱立しています。これらは安価で商品を提供すると言いますが、下町は貨幣経済のみで成り立っていませんでした。人々の助けあいです。ものだけではなく、ノウハウの伝授など、非貨幣経済が根付いていました。それがいまではなんでも金です。金がなければ生きていけない。だから税金をせびろうとする。そんなの限界があります。恵んでばかりでは国自体の活動が阻害されます。スラム街で貧しい人はよりあい助け合ってください。

結局、日本の凋落(ちょうらく)は中国の台頭と関係しているでしょう。安価な労働力市場が生まれれば、労働は疲弊します。日本の景気が良かったのは、中国の安い労働力を使えたからです。そのかわり日本では失業率が増えました。あるいは中国の労働力に対抗するために安い派遣労働が求められました。よっぽどうまい運営をしなければ日本は凋落(ちょうらく)の運命にあったのです。その意味でもう簡単には戻らないでしょう。もう二流国なんだ。それに気づいて欲しいのです。確かにイチローは偉大ですが、アメリカでは日本人が思っているほどではないでしょう。全員豊かなんてバブルな夢は捨ててスラム街を復活させましょう。

———–以下引用
「社会保障給付 最大の91兆円 07年度」
国立社会保障・人口問題研究所は22日、2007年度の年金、医療、介護などの社会保障給付費が91兆4305億円だったと発表した。統計を取り始めた1950年度以降、給付費の総額は毎年度増え続けており、今回初めて90兆円を突破した。対前年度の増加額は2兆3207億円で、伸び率は2.6%だった。鳩山政権は、来年度から中学卒業まで月額2万6000円(初年度は半額)を支給する「子ども手当」を実施するとしており、こうした少子化問題への対応や、高齢化の進展で、今後も給付費増加傾向が続くのは確実だ。

収入面は、総額100兆4289億円のうち、社会保険料が56兆8740億円(全体の56.6%)、公費負担が31兆368億円(同30.9%)だった。国民1人当たりの給付費は71万5600円で、対前年度の増加額は1万8200円、伸び率は2.6%だった。
——–引用ここまで
『読売新聞』2009/10/23 「社会保障給付 最大の91兆円 07年度」より引用
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20091023-OYT8T00354.htm

———–以下引用
「主要国で最悪レベル、日本の貧困率」
長妻厚生労働相20日午前の閣議後の記者会見で、全国民の中での低所得者の割合を示す「相対的貧困率」が2007年調査で15.7%だったと発表した。経済協力開発機構(OECD)がまとめた加盟30ヵ国の中で4位で、貧困率の高さが際だった。相対的貧困率は、これまでOECDが日本政府の統計資料を基に算出してきたが、今回、初めて日本政府が算出した。

OECDによる加盟30ヵ国の「2000年代の相対的貧困率*1」調査では、日本は14.9%(04年調査)だったが、今回の日本政府の07年調査では、貧困の悪化が顕著になった。OECD調査で貧困率が高かったのは、メキシコ(18.4%)、トルコ(17.5%)、米国(17.1%)の順。逆に低いのはデンマーク(5.2%)、スウェーデン(5.3%)、チェコ(5.8%)だった。

厚労省によると、日本の1998年調査の相対的貧困率は14.6%で、以後、年々悪化傾向にある。子どもの貧困率も01年に14.5%を記録した後、04年に13.7%と改善の兆しを見せたものの、今回14.2%と再び悪化した。
——–引用ここまで
『読売新聞』2009/10/21 「主要国で最悪レベル、日本の貧困率」より引用
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20091020-OYT8T01108.htm
*1:相対的貧困率・・・生産年齢人口を対象に可処分所得を分析。その所得分布で中央値の半分以下の所得しかない人口の割合

執筆: この記事はpikarrrさんのブログ『pikarrrのブログ』より寄稿いただきました。
文責: ガジェット通信

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