【オフィシャルレポ】「Diggin’ Sound vol.5」下北沢ERAで開催 個性豊かな5組が魅せた、特別な一夜

楽天ブックスとPCI MUSICが共同で主催するライブイベント《Rakuten Books×PCI MUSIC Diggin’ Sound vol.5 powered by bazoo》が、2026年9月24日(木)東京・下北沢ERAにて開催された。
総合支援プラットフォーム“bazoo”が企画を手掛け、新しい才能との出会いの場を作ってきた本イベント。
今回は、5組のシンガーソングライターが弾き語りでオーディエンスを魅了した。
定刻になり、オープニングアクトの
大きく息を吸い込んで「みりんとエクレア」を歌い始めると、迫力ある歌声が会場中にこだまする。
アルペジオや力の限りかき鳴らすコードストロークなど、セクションごとに多彩な奏法を駆使し、全身を使ったパフォーマンスで観客の目を引く。
「今日はオープニングアクトに呼んでいただけて本当に光栄です!」と声を弾ませたものの、直後に「緊張してます(笑)。学生時代に聴いていた方たちがいらっしゃるなんて」と、楽屋で萎縮してしまったことを明かす。
そして「今日は短い時間なんですけども、精一杯歌わせていただきます」と意気込んだ。
新曲「かわいいひと」を高らかに歌い始めると、客席から自然とクラップが起こる。
藤田は思わず「楽しいー!」という声を漏らし、満面の笑みを見せた。

そして名残惜しい表情を見せながら「どうかこの曲が響く人生じゃないことを願って。でも、マジでヤバいときに取り出して聴いてもらえるような、お守りのような1曲になったらなと思って、もう1曲だけ歌わせていただきます」と、最後に「戦いの中で」を披露。ギターをかき鳴らし、内なる気持ちを解放するかのごとくエネルギッシュに歌い上げた。
《FUJI ROCK FESTIVAL》や《SUMMER SONIC》に出演するなど、2026年は飛躍の年となった藤田。
その経験に裏打ちされたダイナミックなステージングで会場を温め、次の出演者につないだ。
続いては、新潟県出身で関東を中心に活動する
登場するやいなや「シルバーウィークはどうでしたか?」と語りかけ、トークで客席を和ませる。
穏やかな空気を引き連れて奏でた「栞」では、細やかなコードチェンジが推進力を生むなか、次第に歌が熱を帯びていく。
1曲目を歌い終えて「小野雄大です! よろしくお願いしまーす!」と、両腕を上げて快活に挨拶。
その後、アルペジオの澄んだ音色と情感を込めた歌で魅せた「いつものこと」、陽だまりのような温かさと切なさを併せ持った「ロードムービー」を立て続けに演奏。
「最愛」では、少しハスキーで柔らかな声を自在に操り、耳元で語りかけるような繊細な声から感情あふれる力強いボーカルまで、幅広い歌唱を披露した。ギターと歌のみで楽曲をドラマチックに仕立てる表現力は圧巻だ。

「今の曲は『くしゃくしゃに笑えベイビー!』という2022年のミニアルバムに入ってまして…あ! これはPCI MUSICさんから流通してもらってるんです」と、わざとらしくイベント名が書かれたバックドロップ幕を指差し、笑いを誘う。
その後もユーモア溢れるMCで沸かせたのち、「奇跡のようなこの夜に」と「miracle」を歌い上げた。
軽妙なトークと温もりある歌で観客の心を終始つかんでいた小野。「このあとも楽しんでいってください。物販では楽天ペイが使えます。僕は楽天ブックスさんで『ミュージック・マガジン』を買ってます」と主催へのフォローも抜かりなく、してやったりとばかりに笑みを浮かべる。
そして最後に「楽しくなりたい日も一人になりたい日も、みなさんがいつでもライブに来られるように、歌い続けていられたらいいなと思っています」と、想いを乗せて「獏」を歌唱。親しみをたたえた歌が観客の背中を押すように力強く響き、30分のステージを終えた。
3番手は、《FUJI ROCK FESTIVAL》出演をはじめ、インディーシーンで注目を集めている
演奏前に「新川莉子です。音楽をやっています。ちょっと前まで“ゆうさり”という名前でやっていたんですけど、名前を本名に変えました」と自己紹介。
「はじめましての人も多いと思いますが、30分、精一杯やります」と意気込み、そこから曲間のMCを挟まず7曲を披露した。
1曲目「目映く」では、ガットギターの素朴で粒立ちのよい音色が会場いっぱいに広がり、たおやかなグルーヴで観客を引き込む。
続いて、繊細なハイトーンから高らかなチェストボイスまで幅広い歌声を響かせる「つきのうみ」。
儚さと強さを行き来する歌は、ギターが生み出す音のうねりと共にオーディエンスを飲み込んでいった。

中盤では、多彩なアプローチで緩急をつける。
オートチューンとハーモナイザーを駆使した歌や、ブレイクを織り交ぜたリズムで変化に富んだ表現を見せた「月」、ギターをかき鳴らしながら伸びやかに歌った「うろこ」と続く。
さらに、ほほ笑みながら一音一音を手繰り寄せるように、ゆったりと「まぶたの月」を歌い上げた。
ブライトなギターサウンドと凛とした歌声が響き渡る「2019」から後半に突入し、演奏は再びエネルギッシュに。
最後に一言「ありがとうございました」と挨拶して、「あなたのしくみ」のダイナミズムのある歌で観客を圧倒した。
メロディの強度や歌唱表現を際立てつつ、弾き語りというスタイルながらも雄大なサウンドスケープを描き出した新川。
持ち味であるオルタナティブな音楽性によって会場の空気を一変させ、自身の世界へと観る者を導く歌と佇まいは、鮮烈な印象を残した。

続いては、メジャーレーベルから独立し、現在はインディペンデントで活動する
下北沢駅前で歌う若者を見かけたことを話し「路上ライブをしていた頃を思い出して作った曲を歌います」と、「CROSS ROAD」を披露。
会場の呼吸を確かめながら、観客一人ひとりに歌いかけていく。
楽曲の後半では、路上ライブさながらに生音のギターとオフマイクで歌を届け、客席は大きな拍手で沸いた。
ヒット曲「女の子は泣かない」では、観客のクラップに合わせてステップを踏むなど、会場全体を巻き込んでパフォーマンスする。
以前にも増して説得力が宿っている片平の歌。MCでは、その背景にある環境の変化について語る。
「大きい会社にお世話になっていたこともあったんですけど、本当の自分や伝えたいことってなんぞやという想いに駆られて。今は独立して、自分でレーベルをやりながら、細々とライブハウスで歌うことが多いです」と話し「その中で、一緒にやってくださっているのがPCI MUSICさん。言いたい放題・やりたい放題の私になんでもやらせてくれて、インディペンデントな私を応援してくれております」と感謝の気持ちを伝えた。
また、今の環境だからこそ、これまでなかなか世に出すことのできなかった楽曲を届けられるようになったという。
そのひとつが、「ロックバンドがやってきた」だ。
福島県出身の片平は「東日本大震災から15年、いろんな景色、いろんな人と出会った記憶を閉じ込めてリリースさせてもらった曲を聴いてください」と述べ、堂々たる佇まいでギターをかき鳴らす。力強く繰り出される歌に合わせ、観客がシンガロングする場面も。
さらに、ボブ・ディランの名曲をRCサクセションが日本語詞にアレンジした「風に吹かれて」から、平和への想いを描いた「夏の祈りのなかで」を歌唱。歌詞で描かれた沖縄の景色に想いを馳せながら、観客は歌にじっと耳を傾けた。
ミラーボールが灯り、ライブは終盤へ。「最高のバトンを受け取ったので、トリの関取 花さんにつなげたいと思います!」と、「密かな幸せ」を笑顔でパフォーマンス。再びクラップが起こり、最高潮の一体感をもたらして関取にバトンを渡した。

「ちょっとでも癒されて帰っていただけるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします」と深々とお辞儀をして、下北沢に通い始めた頃に想いを巡らせつつ「二十歳の君よ」を披露。伸びやかな歌声と素朴なギターサウンドが、会場を包み込んでいく。
MCでは、飾らない人柄をのぞかせる関取。
斜に構えた視点で下北沢の変化について語りつつ、その中で起きた珍事をユーモラスに紹介し、笑いを誘う。
そして「こんなヤツが、それでも“優しい世界でありますように”と願いながら作った曲でございます」と続け、西松屋のCMソングとして書き下ろした「わたしの手のひらで」へ。
軽快さと温かな眼差しを併せ持った演奏が、観客の心を弾ませる。
さらに、澄んだ歌声が優しく響き渡った「ご報告」や、エッジの立ったギターの音色と共に感情をにじませながら力強い歌を届けた「もしも僕に」と続き、パフォーマンスは熱を帯びていく。

「PCI MUSICさんには、CDの流通でお世話になっています。楽天ブックスさんにも、そのCDを販売していただく場所として大変お世話になっております」と感謝すると、10月7日リリースのミニアルバム『気づいたら始まっていた』収録の「ときめき」へ。
童謡を思わせるシンプルで美しいメロディが、じんわりと胸に染み入る。
最後に「明日からも、みなさんが楽しく過ごせるようにという気持ちを込めて」と、「わたしのねがい」を演奏。
きらびやかなギターサウンドと芯のある歌声が響き渡るなか、「ありがとうございました。気を付けて帰ってください!」と笑顔で述べ、イベントを締めくくった。

スケール感のあるパフォーマンスや、親密な歌声、幻想的な世界観、観客との一体感など、それぞれの個性が光った全5組。
ギターと歌を軸に多彩な表現を実現するという弾き語りの魅力を存分に感じさせつつ、温かな余韻を残して、イベントは幕を閉じた。
■セットリスト
藤田悠也
1.みりんとエクレア
2.かわいいひと
3.戦いの中で
小野雄大
1.栞
2.いつものこと
3.ロードムービー
4.最愛
5.miracle
6.獏
新川莉子(ex.ゆうさり)
1.目映く
2.つきのうみ
3.月
4.うろこ
5.まぶたの月
6.2019
7.あなたのしくみ
片平里菜
1.CROSS ROAD
2.女の子は泣かない
3.ロックバンドがやってきた
4.風に吹かれて(RC サクセション)
5.夏の祈りのなかで
6.密かな幸せ
関取 花
1.二十歳の君よ
2.わたしの手のひらで
3.ご報告
4.もしも僕に
5.ときめき
6.わたしのねがい
■イベント概要
「Rakuten Books×PCI MUSIC Diggin’ Sound vol.5 powered by bazoo」
・日時: 2026年9月24日(木)開場18:30 開始19:00
・場所:下北沢ERA
・出演者:
関取 花
小野雄大
片平里菜
新川莉子(ex.ゆうさり)
・OA:
藤田悠也
・主催:楽天ブックス、PCI MUSIC
・企画: bazoo
bazooサイト:https://bazoo-music.com/
X:https://x.com/bazoo_official/
Instagram:https://www.instagram.com/pcimusic_staff/
■関連リンク
・アーティスト総合支援プラットフォーム「bazoo」:https://bazoo-music.com/
・株式会社PCI MUSIC(ピーシーアイミュージック):https://pcimusic.com/
・「楽天ブックス」:https://books.rakuten.co.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。
