デジカメ写真の整理・編集に!『Adobe Photoshop Elements 8』製品レビュー

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10月23日に出荷を開始した『Adobe Photoshop Elements 8』。『Photoshop』ファミリーの中で、一般ユーザー向けに写真の整理・編集の用途に特化したアプリケーションの新版です。そろそろ来年の年賀状も発売され、デジカメで撮りだめた写真を整理して絵柄にしたい読者も多いのではないでしょうか?ここでは『8』からの新機能を中心に、デジカメ写真の整理と編集に役立つ機能を紹介していきます。

・タグ付けが便利な『Elements Organizer』

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起動後のメニューで「整理」を選んで、まず写真の整理をします。先日取材に行った『東京モーターショー 2009』の写真フォルダを選択。画像データを管理する『Elements Organizer』に写真が取り込まれます。こちらは、同時期に発売された動画の整理・編集アプリケーション『Premier Elements 8』にも装備されており、静止画と動画を共通のインタフェースで管理することができます。

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『Elements Organizer』の特徴は、強力なタグ付け機能。「人物」「場所」「イベント」「その他」のキーワードに分類されたカテゴリーで、写真にタグを付けて整理できます。整理した写真はタグ検索が可能。さらに、写真を自動解析して「スマートタグ」の機能を利用すると、写真の品質、手ブレの有無などでフィルタをかけて、ベストショットを選んだり、品質の悪い写真を排除するなどの利用が可能になります。

「人物認識」のボタンを押すと、読み込んだ写真すべてから自動で人物の写真を抽出します。認識した人物の顔を四角で囲み、「この人物の名前を指定してください」と入力フィールドが表示されるので、名前を入力してタグ付けしていきます。筆者が用意した『東京モーターショー2009』の写真では認識精度がイマイチでしたが、正面を向いた人物の顔はしっかり認識されます。日常のスナップ写真を整理するには便利な機能といえるでしょう。

・選んだ写真をカンタン補正
特定の写真を選んだら、画面右上にある「補正」のメニューを選んで『Elements Organizer』上で補正が可能。「自動スマート補正」「自動カラー補正」「自動レベル補正」「自動コントラスト」「自動シャープ」「自動赤目修正」「切り抜き」のメニューから、写真の見栄えを調整できます。

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特に「自動スマート補正」は、写真を分析して露出不足、コントラスト、カラーバランス、カラー彩度を自動で補正してくれるので、手っ取り早く見栄えを調整したい場合に便利。さらに写真を編集したい場合は「写真を編集」を選んで、『Adobe Photoshop Elements 8』を起動します。

・「作成」「配信」で用途別に出力
補正でキレイにした写真は、用途別に出力できます。画面右上にある「作成」のメニューを選ぶと、「フォトブック」「グリーティングカード」「フォトプリント」「フォトコラージュ」「スライドショー」「CDジャケット」の中から、出力したい用途別の編集・設定画面に移動します。「インスタントムービー」「メニュー付きDVD」といった動画系メニューを利用するには、『Premier Elements 8』が必要になります。

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たとえば「グリーティングカード」では、グリーティングカード用の用紙サイズやテーマ、レイアウトを選択できるテンプレートが適用でき、デザインの知識やスキルがなくてもグリーティングカード用のデータを作成できます。年賀状の絵柄も、こちらのメニューを使って制作できそう。

画面右上で「配信」のメニューを選ぶと、「オンラインアルバム」「電子メールにファイルを添付」「フォトメール」「データCD/DVDを作成」の中から設定して、配布用のデータを作成できます。「年賀状はメールで」という方は、こちらを利用しましょう。

・明るさの違う2枚の写真を合成
ここまでは『Elements Organizer』上でできる一般的な写真の整理・編集の機能をご紹介しましたが、『Adobe Photoshop Elements 8』は『Photoshop』譲りの強力な編集機能も利用できます。より写真をキレイに見せたい、加工して使いたい、という方は、『Elements Organizer』で写真を選んで、「Photoshop Elementsで編集」を選ぶことにより、編集画面を起動しましょう。

たとえば『8』で追加された『Photomerge Exposure』は、明るさの異なる2枚の写真を合成して、細部までよく見える写真にする機能。夜の屋外で人物の写真を撮ったとき、フラッシュをたいて撮影すると手前の人物しか写らず、背景が暗くなって写らないことがあります。こういう場合は、同じ構図でフラッシュをたいた写真(人物)と、たかない写真(背景)の2枚を撮影して合成すればOK。『Photomerge Exposure』を使えば、だれでもカンタンに2枚の写真を合成できます。

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『東京モーターショー2009』の写真を例にとって使ってみましょう。ホンダが出展していたオートバイのシミュレータ写真。パソコンなどの画面を撮影する場合、画面がクッキリ写るように露出を下げて撮影します。ですが、画面周辺は暗く写ってしまうので、画面とその周辺をどちらもはっきり写すのはなかなか困難。画面とその周辺、どちらを見せたいかによって露出を選ぶ必要があります。

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『Photomerge Exposure』を使うと、2種類の露出で撮影した写真をカンタンに合成可能。『Elements Organizer』から2枚の写真を選んでファイルメニューから「新規」→「Photomerge Exposureを起動」により起動します。自動で2枚の写真を解析して、最適な露出に補正した1枚の写真に合成されました。2枚の写真には、同じ構図で撮っても位置や角度にズレがあるもの。こうしたズレも自動で補正して、2枚の写真が正しく重なるように合成してくれます。

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仕上がりに納得がいかない場合は、マニュアルで合成も可能。使いたい部分を選択ツールで囲んで選べば、それをもう1枚の写真に合成してくれます。

・被写体をゆがませずにサイズを変更

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年賀状のテンプレートやフォトフレームに写真の画像を収めるとき、人物を変形させずにサイズを変えたい、と思うことがあると思います。分かりやすい例で言えば、横長の写真を、そのままの構図で縦長に使いたい場合。『Adobe Photoshop Elements 8』の『再構成ツール』を使えば、思い通りの加工が可能になります。

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横長の写真を通常の変形ツールで横方向に縮めるように操作すると、当然人物も横方向に縮んでしまいます。

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『再構成ツール』を使う場合は、まず変形させたくないエリアを囲んで指定します。このツールには、変形させたくない場所の指定や、削除したい場所の指定が可能です。

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あとは、ハンドルをドラッグして写真を横方向に縮めるだけ。変形させたくない人物はそのままで、背景を自動で調整して加工してくれます。ほかにも『再構成ツール』を使うと、削除したい対象を消すように変形が可能。被写体以外に通行人が写りこんでしまった場合などに利用できます。

ほかにも新規機能や強化した機能がありますが、一般的な写真の整理・編集は上記の機能で十分カバーできるうえ、強力な編集機能を使った加工やお遊びもできてしまいます。特に『再構成ツール』は触っていて楽しいので、年賀状を忘れて没頭してしまうかも。

『Adobe Photoshop Elements 8』は、Windows XP/Vista/7 に対応したWindows版と、Mac OS X 10.4.11~10.6に対応するMac版が同時発売。前バージョンではMacに対応しなかったというので、Macユーザーには朗報といえるでしょう。30日間試用できる無償体験版がアドビのサイトからダウンロードできるので、興味ある読者はダウンロードしてみてはいかがでしょうか。

※このスクリーンショットは、Adobe Systems Incorporatedの許諾を得て使用しています。

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宮原俊介(編集主幹) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長を務める。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

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