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個人制作アニメで賞金200万円!『デジタル・コミック大賞2009』準大賞の久海 夏輝氏インタビュー 後編

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映像上映イベント『FRENZ』(http://f-renz.jp/)にて初公開された、アマチュアアニメクリエーターの久海 夏輝(ひさみ なつき)氏の上映作品『SORA』。こちらの作品が宝島ワンダーネットの主催する『デジタル・コミック大賞2009』(http://mcomic.jp/dca2009/)にて準大賞(http://mcomic.jp/dca2009/result/)を受賞し、賞金200万円を授与されました。デジタル・コミック大賞は「コミック」と「アニメ」のデジタル・コンテンツによって、世界で活躍できるクリエーターを発掘するためのアワードです。

『SORA』は約17分という、個人クリエーターによるアニメーション作品としては長編の作品で、ストーリーとしては「どこかの世界。壊れ、失われてしまったものを取り戻すために青空を目指した、7体の子供たちの物語」とのこと。筆者は先述の『FRENZ』にて作品を拝見していますが、詳しい内容をここで語ってしまうと映像の核心に触れてしまうため、それはいずれ一般公開されるであろう作品を楽しみに待ちたいと思います。ということで、今回ガジェット通信では受賞した久海氏を直撃し、受賞についてのインタビューを行いました。

久海氏は1985年に千葉県浦安市で生まれ、大学で化学を2年間学んだ後、ウェブと映像の専門学校に転身。現在は毎日の様に車で関東中を回る営業職をしながら、限られた合間を縫うようにして『スタヂオ ひまつぶしプラス!』を拠点に自らの映像制作を行っていらっしゃいます。今回は後編として、クリエーターの久海氏自身についてお聞きしました。

ガジェット通信(以下 ガジェ): 前編ではありがとうございました。後編では久海氏ご自身についてお聞きします。まず、今回の『FRENZ』と『デジタル・コミック大賞2009』(http://mcomic.jp/dca2009/)以外でのこれまで活動について教えてください。

久海 夏輝氏(以下 久海氏): これまでのイベント参加歴としましては、オンライン上での動画イベント『FLASH学園祭』(http://www.geocities.jp/fla_sf06/)や『閃’07』(http://www.geocities.jp/hirameki_07/)にて作品『即興物語』『作品予告-救命軍-』を発表しました。実際にライブハウスなどでスクリーンに上映するオフライン動画イベントでは『映夜祭’06』『映夜祭’07』に参加し、作品『有心論~You&I~』などを発表しました。また専門学校の卒業制作として作品『救命軍』を発表しました。受賞歴としましてはサーティファイが運営する『第17回サーティファイグランプリ2008』(http://www.sikaku.gr.jp/gp/result.html)にて優秀賞(http://venture-plus.com/news/23944)を頂いた作品『アドベンチャー。』(http://studio-himatubushi.com/adv.html)があります。他には『ニコニコ動画』にて『初音ミク』をモチーフにした動画などを公開しています。このところは『ニコニコ動画』に発表する事が多いですね。

ガジェ: 公開ペースを拝見すると、常に作品制作を続けていらっしゃるくらい様々なイベントやコンテストにて大変精力的に活動されていますね。創作を始められたきっかけというのはどのような事だったのですか?

久海氏: きっかけは大学2年の時です。当時、大学の学生会(自治会)に入っていたのですが、そこで学生会のウェブサイト作りをすることになりました。元々美術は好きではありましたがPCで何かを作ったり描いたりしたという経験はなかったんです。そこで何かを創作するということがすごく面白く感じたんですね。また、中学時代の友人がインターネット上で流行していたFlashアニメを教えてくれて、そこからFlashアニメやその他の個人制作アニメをよく見るようになっていました。その流れで『2ちゃんねる』の『Flash・動画板』(http://pc12.2ch.net/swf/)をずっと見ているようになり、いつしか自分でもFlashアニメを作るようになっていました。

ガジェ: Flashアニメなどを見られていたという事ですが、影響を受けた作家さんや尊敬する作家さんはいらっしゃいますか?

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久海氏: 自分がFlashアニメを作る上で強く影響を受けたのはみ~やさん(http://www.miyasuke.net/)や、たけはらみのるさん(http://koshiandoh.com/)です。Flashでぐいぐいアニメーションを動かす人の作品には心を奪われてしまいます。

ガジェ: 久海さんのアニメーションも、動きに大変こだわられている印象がありますよね。久海さんの創作にかける思いを教えてください。

久海氏: 作品を作っている最中はいつも「これは自分の最高傑作になる!」と思いながら作っているのですが、完成して見直してみると自分では粗が見えてきてしまいます。学生時代の恩師に「作品が完成した後は自分の手を離れて人々に見られることで勝手に成長していく」と言われたことが心に残っていて、完成後は自分の作品はほとんど見ないようにしています。特に作り始めた当初の作品は見たくないですね(笑)。

ガジェ: 常に貪欲に自分の創作を見つめているということでしょうか。これからも制作を続けていかれると思いますが、今後の活動はどのようになっていくでしょうか。

久海氏: 何かを作る、ということはもう既にライフワークとなっています。やっていないと死んでしまう気がするくらいに。これから先、形式が変わっても何かを作り続けるのはかわらないです。自分には何か作る以外に能がないので、ただ単純にずっとずっと作り続けたいですね。ただ、構想はいつも沸いているけれどそれが固まって実際に作り始めるまでが時間がかかるのが悩みです。

ガジェ: どのような作品を作られていく予定ですか?

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久海氏: 今後もオリジナル作品をメインとして制作をしていきます。ただそれだけでは息が詰まってしまいそうですから、息抜きに二次創作もやるかもしれません。次回作は合作をやりたいと思っています。キャラクターや脚本監修を別の方にお願いして、作画やアニメーション制作を自分でやる予定です。あと『SORA』は声を発しない作品でしたので、逆に声優さんにお願いして声がある作品も作りたいです。

ガジェ: 『SORA』は『デジタル・コミック大賞2009』(http://mcomic.jp/dca2009/)と同時に、『FRENZ』にて先行上映発表されたわけですが、今後もイベントなどに参加されたりするでしょうか。

久海氏: 2007年までに2回上映イベントに参加して、2008年の1年間はFlash関連のアマチュア上映イベントがありませんでした。そこで悶々としている中、『FRENZ』の発表があり、「やっとオフラインで人と触れあえる機会ができた」と思いました。タイミング良く『SORA』の制作を開始していた事もあって参加を即決したんです。イベントで実際の制作者達が一堂に会して生で会って話しを聞く機会はなかなかありません。それができる事がとても嬉しかったです。制作者側の感想としては実際に見て頂いた方から生の感想を面と向かって頂いたり、他の制作者の制作について生の声で聞く事ができたりと、親交を深められるという事がとても楽しく、充実していました。ことし開催される予定の2回目を期待しています。もちろん参加したいです。

ガジェ: 久海さんの新作をいち早く大画面でゆっくり拝見できるのが今から非常に楽しみです。最後になりますが、将来の目標を教えてください。

久海氏: いっぱいあります。絵が上手くなりたい、3Dが使えるようになりたい、曲が作れるようになりたい。贅沢な話しですが、全部自分でできたら嬉しいです。そして、作品生活をして生きていけるようになりたい。それが将来というより、生涯の目標です。

ガジェ: 今後の久海さんの作品に大変期待しています。このたびは前後編に渡ってのインタビューにお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。

久海氏: こちらこそありがとうございました。

非常に礼儀正しく、爽やかな印象を受ける久海氏の目は常に未来を見据えている様でした。今後も久海さんの創作活動を追っていきたいと思います。
 

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