ミズノのCFRP板バネフットギアコンセプトモデル「MOBILARIA β」がなんかスゴイ件
10月29日、ミズノ株式会社が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)板バネフットギアコンセプトモデル「MOBILARIA β(モビラリア ベータ)」を、「Japan Mobility Show 2025(10月30日~11月9日まで開催)」に出展すると発表しました。
CFRP板バネフットギアコンセプトモデル「MOBILARIA β」(YouTube)
https://youtu.be/NiUO_nzbbsg
目を引くのは、ハイヒールとスニーカーが合体したようなデザインではないでしょうか。加えて、競技用義足の板バネ研究開発で培ったカーボン技術が採用されていたりします。
なんか色々とスゴイMOBILARIA βについて、同社グローバル研究開発部 人間拡張研究開発課の尾田貴雄さん(開発責任者)と、森山幸俊さん(開発担当者)の両名に話を伺いました。
ーーなぜMOBILARIA βを開発したのですか?
尾田:ミズノは人間の能力を拡張させる技術の研究開発を行っています。その中で、移動能力を拡張させる履物がMOBILARIA βです。
今回の開発品は「履物」を「モビリティ(乗り物)の原点」と捉え、私たちが開発した人間の能力拡張技術によって、もっと自身の体を使った移動を楽しんでもらうことを目指しています。
私たちはスポーツブランドとして、ミズノミライビジョンで掲げる「スポーツで人を幸せにする」ことを最終ゴールに掲げ、全ての人が自らの身体を自由自在に操り、今までできなかったことができるようになることで、誰もが前向きに「やりたいこと、やろう!」と思える活気ある社会を実現したいと考えています。
多くの乗り物が体を動かさない方向へ進化している中、私たちはもっと自分の体を使って楽しく移動することができる乗り物が選択肢の一つとしてあっても良いのではないかと考え、MOBILARIA βを開発しました。
ーー普通のランニングシューズとの違いは?
尾田:MOBILARIA βは、特定のスポーツ用途ではなく、日常生活における移動能力を拡張させ、新たな移動手段にするために開発したフットギア(履く乗り物)です。
走ることが目的なのがランニングシューズなのに対し、移動することが目的なのがMOBILARIA βです。歩くこと、乗り物に乗ることに加え、走ることを移動手段にすることができるようになったと考えています。
ーーMOBILARIA βを履くと何が可能になるのですか?
尾田:ミズノが競技用義足の板バネ研究開発で培ったカーボン技術を採用し、ギアと脚が一体となり、下肢の運動メカニズムを変化させることで、より効率的な走行を実現することを目指しています。
板バネが着地の衝撃を吸収し、板バネがたわんでエネルギーを蓄え、それを推進力として使うことで、自分の脚が本来担っていた役割を一部代替してくれています。これによって、少ないエネルギーでより遠くまで走っていくことを可能にします。
ーー男女兼用ですか?
尾田:はい、男女兼用です。見た目ではなく機能を優先したデザインです。
ーーMOBILARIA βが実際に販売される可能性は?
尾田:コンセプトモデルでありながら、既に走れる状態にはなっています。今回の出展で、多くの皆様からの反応を得て、さらなる改良を加え、お届けできるように頑張ります。
ーーJapan Mobility Show 2025での反響はどうでしたか?
尾田:ありがたいことに連日体験ブースの予約は満席になる反響をいただいております。あらためてこの分野に対する関心の大きさ、需要の大きさを実感しています。
ーーありがとうございました。
ミズノといえば“日本を代表するスポーツ用品メーカー”というイメージでしたが、今や人間拡張分野にも事業領域を広げているそうです。
同社が目指すスポーツテクノロジーと人間拡張技術の融合に関する詳細は下記リンクからご覧いただけます。
人間拡張技術の社会実装に向けた試み
https://corp.mizuno.com/jp/articles/0067[リンク]
※画像提供:ミズノ株式会社
(執筆者: 6PAC)
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