8インチの大画面でGeminiの最新AI機能が活用できる折りたたみスマホ「Pixel 10 Pro Fold」レビュー

Googleが10月9日に発売したPixelスマートフォン新製品「Pixel 10 Pro Fold」のレビューをお届けします。8月28日に先行して発売した「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」同様、最新のTensor G5チップとOSにAndroid 16を搭載、Qi2のワイヤレス充電に対応し、スマートフォン上でテキスト、画像、音声を理解するマルチモダリティを備えたAIモデル「Gemini Nano」最新版により強化された各種AI機能を搭載するスマートフォン。開くと8インチの大画面を組み合わせることで、より見やすく、使いやすく最新のAI機能を活用できるのが大きな特徴です。

閉じても縦長の大画面

閉じた状態で、カバーディスプレイとしてPixel 10より大きい6.4インチ 1080×2364 OLEDのActuaディスプレイが利用可能。最大輝度2000nitsで、最大120Hzのリフレッシュレートに対応します。前モデル同様、画面のアスペクト比が縦長になり、通常のスマートフォンにより近い感覚で片手でも操作できます。閉じた状態のサイズはH155.2×W76.3×D10.8mm、重量は258g。

OSは最新のAndroid 16。7年間のOS、セキュリティー、Pixelアップデートを保証します。RAMは16GB、ストレージ容量は256GBと512GB。バッテリー容量は5015mAhに拡大し。最大30Wの急速充電、最大15W出力のQi2ワイヤレス充電に対応します。

Qi2はAppleのMagSafe技術をベースに策定されるワイヤレス充電規格なので、充電器や三脚用マウントなどラインアップ豊富なiPhone向けMagSafeアクセサリーがPixelで利用可能になるのは大きなメリット。Googleはマグネット対応アクセサリーを「Pixelsnap」の名称に統一して、充電器やケース、リングスタンドなどを発売しています。

前モデルと比べて2倍の耐久性を持つギアレスヒンジの採用により、Foldシリーズで初めてIP68準拠の防塵防水性能を備え、耐落下性能も向上。任意の角度に開いて固定でき、閉じる際にはパタっと心地よい感触で隙間なく閉じることができます。ディスプレイから見て左側面に指紋認証に対応した電源ボタンと音量調節ボタン、底面には画面のミラーリング出力が可能なDP Alt(Display Port Alternate mode)対応のUSB Type-Cポートを搭載します。

開くと8インチの大画面

開いた状態では、インナーディスプレイとして8インチ 2076×2152 OLEDのSuper Actua Flexディスプレイが利用可能。最大輝度1800nitsで、最大120Hzのリフレッシュレートに対応します。

開いた状態のサイズはH155.2×W150.4×D5.2mm。前モデルと比べて0.1mm厚くなっていますが、手に持って「薄い!」と感じる印象は変わらず。剛性の高いヒンジがガタつきのない、薄くフラットな大画面を実現しています。

大画面で動画コンテンツを視聴したり、分割画面で2つのアプリを利用可能。分割画面はアプリアイコンを長押しして表示されるサブメニューから起動したり、画面下から引き出したタスクバーからドラッグ&ドロップにより起動します。分割画面の作業では、アプリ間でのオブジェクトのドラッグ&ドロップが可能になり、生産性が向上しています。

大画面に最適化されたアプリでは、フルスクリーンでリッチな体験が可能。アプリ側の最適化も進んでいるようで、たとえばGmailアプリは開いた状態で90°回転させてもタブレット同様の2カラム表示をキープしてくれるようになりました。

大画面でより便利になるAI機能

8インチの大画面は、通常のスマホとはまた異なった便利なAI機能の活用法を実現します。たとえば分割画面でブラウザとGeminiアプリを並べて起動すれば、ブラウザで見ている記事にQi2に関する記述が出てきたら「Qi充電器を使うメリットは?」とGeminiに質問することで、より深く理解することができます。

「カメラコーチ」は、カメラを起動してボタンをタップすると、被写体を分析して構図やアングルを提案してくれる新機能。大画面なら提案してくれる構図や説明が見やすく、理解しやすくなります。

Geminiアプリを大画面で開くと、画面左に「チャットを新規作成」のメニュー、最近Geminiとやり取りした履歴、カスタム指示のライブラリであるGemのメニューを表示します。テーマやスタイルを指示してカスタマイズされた絵本を作成する「Storybook」というGemの存在を知ることができました。

適切な状況で役立つ情報を先回りして提案してくれる「マジックサジェスト」、「Gemini Live」での画面の共有やカメラのライブ映像入力への対応、AIメモアプリ「NotebookLM」にレコーダーアプリの書き起こしテキストを入力できる機能、レコーダーの録音音声にBGMを生成・合成する機能といった、Pixel 10シリーズで新たに加わった機能はPixel 10 Pro Foldでも利用できます。

折りたたみならではの撮影に対応する3眼カメラ

前モデル同様、カメラバーではなく2列にカメラを並べたモジュールを採用。背面カメラは4800万画素広角、画角127°の1050万画素超広角、光学5倍で最大20倍の超解像ズームに対応する1080万画素望遠の3眼カメラ。インカメラは視野角87°の1000万画素カメラを、カバーディスプレイとインナーディスプレイにそれぞれ搭載します。いずれも顔認証に対応。

メインカメラは広角も超広角も鮮やかで解像感が良く、望遠カメラを用いた最大20倍の撮影も十分解像感のある仕上がりです。

開いた状態でのメインカメラのUIは、カメラアプリのフルスクリーン表示に加えて、撮影した写真を大画面でプレビューできる「インスタントビュー」、カメラを向けられた被写体がカバーディスプレイでリアルタイムプレビューできる「デュアルスクリーンでのプレビュー」が選択できます。

本体を折り曲げて置くテーブルトップモードによる三脚要らずのタイマー撮影、メインカメラを使ってカバーディスプレイからプレビューする高精細なセルフィーなど、折りたたみならではの撮影方法に対応します。

本体のGoogleストアでの販売価格は256GBモデルが26万7500円(税込)、512GBモデルが28万7500円(税込)。別売りで1万1220円(税込)のケースはディスプレイの縁やカメラバーをしっかり防護してくれるので、屋外での撮影の際には必需品と言ってよいのではないでしょうか。

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

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