中古車購入の不安はどこから生まれる? 保証制度がもたらす安心感と購入者心理
新車に比べて価格の面で手に届きやすく、選択肢も豊富な中古車。生活環境の変化や予算の都合などから、中古車を選ぶ人は少なくない。しかし一方で、中古車購入に伴う不安は根強い。外観がきれいでも内部の状態が分かりづらいこと、説明と実車の印象が異なる可能性、さらには保証制度の有無や内容によって後の維持費が大きく変わることもある。こうした不安をどう解消するかは、多くの購入者にとって重要な課題であり、販売店にとっても信頼を得るうえで避けて通れないテーマだ。
中古車の「保証付き販売」はその解決策のひとつとされるが、消費者は実際にどのような要素を重視し、どのような安心感を得ているのだろうか。そこには「保証」という言葉以上に、購入体験全体を左右する心理が隠れている。そこで今回、埼玉県中古自動車販売商工組合 JU埼玉(https://ju-saitama.com/)は、中古自動車を保有している20~50代の方に、「中古車購入時の不安と保証付き中古車の安心感」に関する調査を実施した。
店舗選びと不安意識に見る購入者心理

調査によれば、今後中古車を購入する際に検討したい店舗として「ディーラー系販売店」を選んだ人が52.7%で最多、次いで「中古車専門店」が44.8%と拮抗した。ディーラーは信頼性やアフターサービスの安心感、専門店は豊富な在庫や価格の魅力で支持されており、購入者は「安心」と「コストパフォーマンス」の間で判断していることが分かる。
また、不安を感じやすいタイミングとしては「購入を検討している段階」(28.7%)と「契約をする段階」(27.4%)が突出し、全体の半数以上が購入前に強い不安を抱えている。さらに「実際に乗り始めてから」も15.7%に上り、購入後に不安が表面化するケースも少なくない。こうした結果は、契約前に十分な情報を得られないことが不安の大きな要因であり、販売店には透明性の高い説明と信頼構築が求められている。
保証内容の不透明さが最大の不安要因

調査では、中古車購入時に「保証の有無や範囲がわかりづらかった」と答えた人が25.5%で最多となり、保証内容の不透明さが大きな不安要因であることが分かった。次いで「自動車の状態が想定より悪かった」(18.7%)、「販売店の説明と実車の印象が違った」(16.5%)が続き、情報のギャップが課題となっている。
また「購入費用が想定より高くついた」(15.6%)、「納車後すぐに不具合が見つかった」(13.7%)といった声も一定数あり、費用やアフターケア面での不安も見逃せない。一方で「特にない」と答えた人も38.9%に上り、必ずしも全員が強い不安を抱えているわけではないことも示された。
さらに「中古車は壊れやすくトラブルが起きやすい」との印象については「ややそう思う」が42.1%、「とてもそう思う」が17.9%で、6割近くが否定的イメージを持つ結果となった。中古車に対する先入観の強さが、購入時の心理的ハードルを高めていることがうかがえる。
8割以上が「保証付き」で安心感を実感

調査によると、「購入から1年間・走行距離無制限で修理保証が受けられる中古車」があった場合、「ある程度安心できる」が62.8%、「とても安心できる」が24.5%で、8割以上が強い安心感を得られると回答した。一方「あまり安心できない」は10.8%、「全く安心できない」は1.9%にとどまり、保証が購入者にとって大きな心理的支えとなっていることが明らかである。
また、保証の延長については「保証金額によって延長したい」が59.2%、「延長したいと思う」が28.3%と、9割近くが前向きな姿勢を示した。「延長しない」は12.5%にとどまり、購入者の多くが長期的に安心を確保したいと考えていることが分かる。販売店にとっては、保証内容や期間を柔軟に設計することが顧客満足に直結するだろう。
購入者が求めるのは「保証と価格のバランス」

「保証が付いている中古車を購入する際に重視する点」として最も多かったのは「保証内容と保証金額のバランス」で54.8%だった。次いで「保証の内容と範囲」が47.7%と高く、保証の有無だけでなく具体的な適用範囲や費用感が安心感を左右していることが分かる。
また「販売店の信頼性」を挙げた人も37.8%に達し、制度そのもの以上に「誰から買うか」が重視されている。さらに「自動車の見た目やコンディション」(21.7%)や「レビュー・口コミ」(9.0%)といった要素も影響を持つ。一方「特にない」と回答したのは9.7%にとどまり、多くの購入者が保証に具体的な基準を持っていることが示された。保証制度は単なる付帯条件ではなく、中古車選びの核心的要素といえる。
半数が感じる「保証付きなら安心感」

「納得して選びやすくなる保証期間」として最も多かったのは「2年間の走行距離無制限の修理保証」で36.9%、次いで「1年間」が35.3%と続き、多くの購入者が最低1〜2年の保証を求めている。半年間では11.4%にとどまり、短期保証では安心感が得にくいことが分かった。一方「特にない」と答えた人も16.3%存在し、保証期間を重視しない層も一定数みられる。
また、保証付き中古車への印象では「安心感がある」が49.4%で最多、「販売店が信頼できそう」が40.5%と、保証が安心と信頼の両面を支えることが示された。その一方で「価格が高そう」と答えた人も35.5%おり、保証は安心感を与える反面、コスト増への懸念も伴う。購入者にとって保証は信頼形成の要であり、価格とのバランスが重要な判断基準となっている。
半数以上が重視するのは「対面での説明」

中古車購入を検討する際、「保証が付いている」ことを知る手段として最も多かったのは「販売店での対面説明」で52.5%に上った。直接スタッフから説明を受けられる安心感は依然として大きく、信頼できる情報源として評価されている。次いで「販売サイトの商品ページ表示」が40.6%と多く、オンライン上での事前確認ニーズも強い。
一方、「比較サイト」(19.4%)や「SNS・YouTubeなどの紹介動画」(18.2%)といったデジタル媒体を利用する層も一定数存在し、情報収集手段が多様化していることが分かる。「友人・家族の口コミ」も9.3%に上り、身近な人の体験談も参考にされている。全体として「特にない」は13.0%にとどまり、多くの購入者が何らかの方法で保証情報を積極的に確認したいと考えていることが明らかになった。
調査概要:「中古車購入時の不安と保証付き中古車の安心感」に関する調査
【調査期間】2025年9月12日(金)〜2025年9月13日(土)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,022人
【調査対象】調査回答時に中古自動車を保有している20〜50代と回答したモニター
【調査元】埼玉県中古自動車販売商工組合 JU埼玉(https://ju-saitama.com/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
保証は付帯条件ではなく「購入の核心」
今回の調査から、中古車購入者が「保証」に大きな期待を寄せていることが明らかになった。購入前の検討段階や契約直前に不安を抱える人は半数を超え、要因として保証内容の不透明さや販売店への信頼不足が挙げられる。一方で、1〜2年の走行距離無制限保証があれば8割以上が安心感を得られ、延長保証についても9割近くが前向きな姿勢を示した。保証は単なる付帯条件ではなく、購入判断を左右する核心的な要素である。
また、保証は販売店の信頼度を高める一方で、「価格が高くなるのでは」という懸念も残る。そのため、保証内容と価格のバランスを明確に提示し、納得感を与えることが求められる。さらに、対面での説明だけでなく、オンラインでの情報開示も重要になっており、販売店の情報発信力が安心感形成に直結する時代にある。中古車市場の健全な拡大には、透明性の高い保証制度と分かりやすい情報提供が欠かせないだろう。

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