【レポート】第一回「弔い百年塾」で葬儀と弔いの原点を考える

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【レポート】第一回「弔い百年塾」で葬儀と弔いの原点を考える

2013年6月12日、東京都の築地本願寺にて行われた「弔い百年塾」第一回に参加してきました。今回のテーマは「葬儀と弔いの原点を考える」ということで講演と対談、ワークショップが行われました。

参加者は35名。一般企業で働いている方、グリーフケアに関わる方、葬儀関係者、僧侶と幅広い参加者が集まりました。主催は一般社団法人リヴオン。「死に直面する誰もが、必要とするサポートにつながる社会の実現」を目指して、遺児や遺族、大切な人を亡くされる方のサポートをされています。

ご講師はリッツ・カールトン前日本支社長で、現在は「人とホスピタリティ研究所」代表としてホスピタリティについて考えておられる高野登さんと葬儀社クローバーグループの代表で葬儀の現場に日夜携わっておられる是枝嗣人さん。今回の世話人のリヴオン代表・尾角光美さんからご紹介をいただいた後、お二人からは「おもてなしの現場から」「葬儀をつくる現場から」というテーマでそれぞれご講演をいただきました。

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高野登さんの講演より
高野さんが生まれ育った長野・戸隠では小さな子供も大人と同じように村の葬列に参加し、亡くなった人をともに送っていたそうです。そこには「弔いという一つの場を通じてそこにいた仲間が何を思い、何をお互いに感じあい、どういう気持ちで向こうに送っていくか、地域社会に根ざした『型』があった」と話されました。日本人が大切にしてきた型には、形式にはないスタイルや魅力、誇りがあるそうです。

 

いっぽう、現代の葬儀は「形式」にとらわれている、という趣旨のご指摘がありました。ある形式に則って葬儀を行うことは確かに必要だが、「面倒だから」と形式にとらわれると葬儀がご家族にとって意味のあるプロセスにならず、ひとつの点として終わってしまうということ。このことはおもてなしの現場にも通ずるところがあり、高野さんはリッツ・カールトンのホテルマン時代には「面倒くさい」ということの逆を行き、「大変さの中に価値がある」と、誰もやらないことを一生懸命行ってきたそうです。

逝き方を考えることは生き方につながる、と高野さん。人が死に際に思うことは、モノやお金ではなくいかに人の役に立ったかだと話し、毎日をどう生きるかがいかに大切か、生と死に向き合うことがいかに難しいかを話されます。

そんな高野さんはご自身のキーワードでもあるホスピタリティを「身を修めること」だと示されました。「自分の身をきちんと修めていない人が他の人の気持ちに敏感になれるわけがない」という厳しい言葉もありました。高野さんは毎日どこかで身を修めることを考えているそうです。心の構えを意識的に持ち、大切な人のためにできることをその人なりに表現することの重要性を力を込めて話されました。

 

 

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是枝嗣人さんの講演より

続いて登壇された是枝さんは、お見送りで一番大切にしていることは悲嘆とどう向き合って折り合いをつけていくかのサポートだと話し、「心を修めるということが弔いのすべてを支えていく」と高野さんのお話を受けました。

 
葬儀の原点を「葬」という文字の成り立ちを例に取って「亡くなった人と送る人がいないと葬ることは成立しない」と説明します。一世代前のお見送りでは先人の知恵が「型」として残されていたが、バブル以降に豪華な会館や設営、お料理などが加わり、労力やお金がかかるようになってきた。そんな中、余計についてしまったサービスを排除する傾向が出てきたが、結果として元来持ち合わせていた葬送の本質を踏まえた儀礼まで一緒に剥ぎ取られてしまっている、と現状を分析します。

しかし、時代が変わっても残さなければいけないものはあり、葬送の形は変わっても大切にしなければいけない型は変わらずにあり、儀礼の本質的な意味を伝えていく必要がある、ということです。

 

「葬儀でも、やりかたによっては何年かあとにパッと輝く何かを残すのではないか?」そう語る是枝さんは、死に装束の脚絆や足袋を故人に「ありがとう」と言って履かせていき、ご家族には「一緒に旅支度をしましょう」と声をかけ、ともに準備を行っていくそうです。残されたご家族は故人の体が冷たくなっていく様子に触れ、故人がそれまで生きてきたことを実感していきます。亡くした人が一歩を踏み出せるよう、時として見守り、時として背中を押してあげることが葬儀社の役割であると是枝さんは話しておられました。

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対談

高野さんと是枝さんに尾角さんが加わり、和やかに対談が行われます。ご講師のお二人が互いに感想や質問を述べた後、 会話が「気持ちのブレ」について及びます。高野さんは「誰もが自分の気持ちのブレと戦っている」と言っておられました。

高野さんの気持ちの底にあるのは「故郷の戸隠山に恥じない」という思いであり、「この人にはかなわない」という師が周りにいることが支えになるそうです。また是枝さんは迷ったときに一緒に気持ちを共有できる仲間ができることがありがたいと語り、グリーフサポートを学んだ仲間や全国の葬儀屋さんと本気で話すことが支えになっていると答えました。

 

また、その後の質疑応答で参加者から出た 「弔う」という言葉をどうとらえているか?という問いにはそれぞれが近しい方を見送られたご経験を話されました。
高野さんは「亡くなった両親の名前をいつも思い出すこと」と話し、尾角さんは「兄の葬儀を行いながら兄が自分に問うているのではないか」という実感を語りました。是枝さんは「自分なりの弔いはこれだ、と考えて葬儀に携わっている」ということ。「弔いはその人の尊厳や存在を大切にしていくことではないか」と今までの対談を総括して尾角さんがひきとり、第一部は終了します。

 

 

第二部はワークショップ。参加者の中から7名の方が代表してテーマを発表。「終活と弔い」「自分の一番のグリーフケアとは?」など。残りの参加者は自分の興味のあるテーマについて4〜5名でテーブルを囲み、対話を行います。

たとえば私が参加した「自分の一番のグリーフケアとは?」というテーマでは、それぞれの参加者がご自身の体験を語ることになります。息子として父を看取った体験を語る方、医師や看護師としての体験を話す方、職場の方のご葬儀について語る方もありました。

どなたの話も胸に迫るものですが、それぞれの体験を共有しながら表情がほぐれていくのを見ることができました。どのテーブルでも活発に対話が行われ、時間はあっという間に過ぎます。ワークショップの最後にはそれぞれの代表者が対話で得た収穫を共有しました。「テーマは自分の人生に、現場にふり返ろう」という提言で第一回弔い百年塾は終了です。

 

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感想

今回の弔い百年塾は「僧侶や葬儀社だけではなく大事な人を見送るであろう、自分たちも亡くなるであろう人たちも、誰もが同じ立場で気を遣わずに話せる場があったら」という尾角さんの思いから生まれたということ。実際に参加をしてみて、普段はなかなか話しにくい死について話し合い、向き合う時間をいただきました。

高野さんからは必ず来る死を通じていかに生きるかを、是枝さんからは葬送の本質的な意味を伝えていく尊さを学びました。ともすれば苦しい雰囲気になりそうなテーマの会が終始温かい雰囲気で開催されたのはリヴオンの尾角さんやみなさんの献身のおかげです。思いがこもった場がこれからも続いていきますように。

 

次回の弔い百年塾にはグリーフサポートの専門家橋爪謙一郎さん、いのち臨床仏教者の会副代表大河内大博さんが参加されます。ご興味をお持ちの方はぜひお申し込みくださいませ。

 

●第二回弔い百年塾

「最高の葬儀を考える」2013年10月15日(火)

 

橋爪謙一郎氏×大河内大博氏

◆弔い百年塾

◆会 場:築地本願寺講堂

◆時 間 : 13:00〜17:00(12:30開場)

◆定 員:70名

◆受講料:各回8,000円(学生:3,500円)

 ※経費を除いた収益は東北の遺児支援事業に充てさせていただきます。

 

・両日参加の方にはエンディング・ノート(リヴオンオリジナル)をお贈りします

 

<お申込み>

FAXまたはウェブの専用フォームよりお申し込みください。

 

1)FAX 03-6806-7180

 名前・年齢・職業・電話番号・住所

 を明記してお送りください。

 

2)「弔い百年塾」参加申込みフォーム http://p.tl/p7uz

○連載:仏教なう

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彼岸寺

ウェブサイト: http://www.higan.net/

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