『怪獣8号 THE GAME』日比野カフカ役・福西勝也インタビュー「アニメとの共通点や違いを贅沢に楽しんで」

集英社のマンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」にて連載され、数々のマンガ賞に輝き、既刊 15 巻にして国内累計発行部数が 1,800 万部を超える(デジタル版含む、2025年4月現在)松本直也氏による大人気漫画『怪獣8号』。その人気は国内にとどまらず、北米をはじめ海外でも多くのファンを獲得しています。

そして現在はアニメ第2期が放送中、8月31日には『怪獣8号 THE GAME』がリリースとなります。そんな本作に期待していることや、収録の印象など、主人公・日比野カフカ役の福西勝也さんにお話を伺いました。

――『怪獣8号』がゲームになると聞いた時のお気持ちはいかがでしたか?

もう、嬉しい!!その一言に尽きます! これまでも他のゲームともコラボのボイス収録を何回かさせていただいていて、その楽しさを実感してきました。アニメーションでの名言をもう一度、ゲームという違う媒体、プラットホームで収録するという作業が私はすごく好きで。例えば、名台詞を必殺技的に使うのだったら、本編よりもさらに熱くやったり。逆に本編ではめっちゃ熱いセリフだけれどもゲーム上では通常攻撃だった場合、ちょっとだけ涼やかにしてみたり。個人的には楽しい作業なんです。
なので、いつか『怪獣8号』の公式のゲームが出たらよいなと願っていました。それが叶うということで、「また違うお芝居のアプローチが出来る!」という役者的な昂りと、いちファンとしてもゲームが楽しみというワクワクがが同時にやってきましたね。

――そのアプローチの違い、すごく面白いですね!いちファンとしてはどの様な部分が楽しみでしたか?

ユーザー目線で気になったのは、まず戦闘ですね。『怪獣8号』はアクションがメインとなる作品なので、戦闘をがっつりやるゲームだろうなという想像が一番最初にありました。私は特にロールプレイングゲームが好きなんです。代表的な作品でいうと「ファイナルファンタジー」であったり、「ペルソナ」であったり、ああいうコマンドバトルのゲームがすきで。そうしたら『怪獣8号 THE GAME』が本当にコマンドバトルだったので、やったー!という気持ちになったのを憶えています。
選択やバトルの進め方によって、クリアする工程も自分オリジナルになっていく所が好きで、その楽しさはちょっとお芝居に通じるところがあるのかなと思います。

――デモを拝見すると、グラフィックの迫力がすごいですね!

本当に怪獣がでかくて怖くて。ゲームは自分がコマンド選択した時に画角が変わって攻撃という形になるので、攻撃するぞという時に視点が変わって、怪獣の迫力を感じる所が素敵だなと思います。私も少しデモを触らせてもらっただけなのですが、すごく細かなデザイン部分までこだわりが伝わってきて、感動しました。

――『怪獣8号』のアニメや原作のファンの方もすごく楽しめそうですね。

戦闘システム自体は割と分かりやすいと思うので、あまりゲームをしてこなかった方でも親しみやすいのではないかなと思います。攻撃してくる順番が事前に下の方に表示されているのですが、私は「この相手がいつ攻撃してくるから、それまでにこの行動を終わらせとかないと」みたいに考えながらゲームをすることが好きで。そうやって戦略を練ることも出来るし、表示されていることで初心者の方にも分かりやすいだろうなと思います。

――ボイス収録はいかがでしたか?ゲームの収録は量が膨大なイメージがあります。

本当に正直な話をすると、かなりエネルギーを使いました。これに関しては決してネガティブな気持ちは一切なく、むしろ「ここまでこだわらせてくれてありがとう!」という感謝が強いです(笑)。このゲームには「追憶モード」という、アニメ本編のストーリーをゲームで追えるストーリーモードがあります。これがすごく贅沢な作りになっていて、私は大好きなんです。
本編にあったセリフを録り直して、それがゲームの質感で再現されることになるのですが、これがまた楽しくて。
先ほどお話したとおり、本編と同じ展開、同じセリフであっても見せ方が違うし、ウィンドウに表示される文字数というものがあるので、「ボタンを押したら次に行く」ということを考えながらやると、自然とお芝居がちょっと変わってきます。アニメの質感を壊さずに、でもゲームシステムに寄り添って、少しタイトに演じるという作業が総じてクリエイティブで、とても面白かったです。

――以前、日比野カフカとして演じたセリフを改めて言うことになった時に、その時の感覚はすぐに戻ってくるのでしょうか?

ありがたいことに先ほど言ったゲームのコラボだったり、ミニアニメをTOHO animationの公式チャンネルで配信していたり収録は継続的に行っていたんですね。私はこうして取材を受けさせていただくことも多かったので、個人的にはアニメもゲーム地続きのスケジュールで。ずっとカフカと一緒にいるなっていう感覚があります。
ただそんな私も、以前より他の現場の経験も増えて、それによる気付きがあって、成長している。全く同じではいられないはずなんです。
なので、『怪獣8号』が好きな方、アニメを気に入ってくださった方は、ゲームとのボイスの差も楽しんでいただきたいなと思います。
私はキャリアが洋画の吹き替えからスタートしているのですが、視聴者の皆さんには、吹き替えをした作品はゼヒ、俳優さんと私の吹き込んだ声のお芝居の違いを楽しんで欲しいなと常日頃思っています。それと同じようなことをアニメとゲームでもやっていただけたらとても嬉しいです。
質感の違いがほぼ無いシーン、逆にしっかりあるシーン、その両方の比較を、贅沢に楽しんでいただきたいです。

――ゲームは繰り返しボイスを聴ける所も魅力ですものね!

私もノベルゲームなんかでは、気に入ったセリフを何度も何度も聴いたりします。自分の声となるとちょっと気恥ずかしいですけれど、ぜひ何度でも聴いていただきたいです。

――いよいよリリースが近づいてきました。最後にファンの方へメッセージをお願いします。

私はまだまだ声優としては若手という立場ながら『怪獣8号』という素敵な作品、カフカという素晴らしいキャラクターに携われていることを本当に誇りに思っています。このゲームに関しても、制作チームの方と密接にディスカッションをさせていただいて、恐縮ながら強い仲間感・チーム感を感じながら収録させていただきました。ぜひたくさんの方に制作陣の細かいこだわりや作品愛を受け取っていただきたいです。

――今日は素敵なお話をありがとうございました!

◆怪獣8号 THE GAME 公式サイト
https://kj8-thegame.com

撮影:たむらとも

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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