「料理に酒を入れても味は変わらない」は本当? →AI味覚センサーで科学的に解析! 真実が明らかに!

料理に日本酒や料理酒を入れると旨味が出て美味しくなる……とは言いますが、醤油や塩、酢などと違って味がわかりやすく変わるものではありませんよね。
先日、大人気料理研究家のリュウジさんが“料理に酒を入れると本当に美味しくなるのか”を検証し、その投稿が物議を醸していたようです。
「料理に入れる酒って味変わらないしわざわざ入れてるやつバカだろ、意味ない」というコメントがあったので実際酒を入れたら美味しくなるのかガチ検証しました照り焼き、ラーメン、酒蒸しで検証した結果、驚くほど面白い結果になりました料理をする人全員みてほしいhttps://t.co/f7jKQ2Zo8l pic.twitter.com/nZuCpKRfIR— リュウジ@料理のおじさんバズレシピ (@ore825) July 16, 2025
「料理に入れる酒って味変わらないしわざわざ入れてるやつバカだろ、意味ない」
というコメントがあったので実際酒を入れたら美味しくなるのかガチ検証しました
照り焼き、ラーメン、酒蒸しで検証した結果、驚くほど面白い結果になりました
料理をする人全員みてほしい
https://youtu.be/SvQzRp4XTA4
動画では確実に美味しくなるとは言いにくい結果に
詳しくはYouTubeに投稿されている動画をチェックしていただければと思いますが、3種類の料理で試した結果、すべてが明確に美味しくなったとは言えないという結論になっていました。特にアサリの酒蒸しはスタッフが酒を使わずに作ったほうが美味しいとするシーンも……!?
科学的に解析するとどうなる? →AI味覚センサーで解析!
どうやら料理に酒を入れて美味しくなると感じるかどうかは人による部分が大きそう。でもそれを科学的に解析するとどうなるのでしょうか?
そこで今回もOISSY(オイシー)株式会社の鈴木隆一さんにご協力いただき、最新鋭マシンのAI味覚センサー「レオ」で日本酒を入れた料理と入れていない料理の違いを解析してみることにしましょう!

AI味覚センサー「レオ」はAI技術を用いてヒトの味覚を再現したセンサーで食品サンプルから電気信号を測定し、独自のニューラルネットワーク(人工的な知能の実現)を通じて、5つの味覚を定量的な数値データとして出力させるというマシン。
以前には日清食品のカップうどん・どん兵衛の「東日本版」「西日本版」「北海道版」の違いや、セブンイレブンのコーヒーの「軽め」「ふつう」「濃いめ」の違いをデータで解析し、非常に興味深い結果を知ることができました。ぜひ過去の検証もチェックしてみてください。
東日本・西日本・北海道のどん兵衛で一番ウマいのはどれだ? AIを駆使して科学的に解析してみた! →衝撃の結果https://t.co/j1FolKe9TV— ガジェット通信(公式) (@getnewsfeed) June 25, 2025
「軽め」「ふつう」「濃いめ」セブンのコーヒーってそんなに味わいが違うの? →AI味覚センサーで調べてみた結果!https://t.co/sOGmv1foCu— ガジェット通信(公式) (@getnewsfeed) July 30, 2025
こちらを使えば料理にお酒を入れる効果の有無が数値でわかるはず! これは楽しみ!
アサリの酒蒸しと肉じゃがで調べてみます
検証に使う料理はアサリの酒蒸しと肉じゃがで決定。それぞれ酒ありバージョン、酒なしバージョンを用意することを決めると、オサダ記者が腕をふるって自宅で調理してきてくれました。ちなみに酒は日本酒「鬼ころし」を使用しています。





さすがガジェ通の料理担当オサダ記者。酒蒸しも肉じゃがもめちゃくちゃウマそうです!
まずはアサリの酒蒸しから検証

まずはアサリの酒蒸しから検証。AI味覚センサー「レオ」で解析する前に、実際に食べ比べもしてみることにしました。

するとこれが意外にもわからない! 少なくとも酒ありでも酒なしでも、どちらでも美味しい!

「どっちに酒が入っているかな……」と探りながら食べ比べれば酒の香りに気づくことができるし、スープを飲めば味の違いもバッチリわかります。しかし、アサリの旨味やニンニクの存在感で十分に味が成立しているため、酒を入れなくても問題はないのではという気がしてくるのです……!
これをAI味覚センサー「レオ」はどのように判定するのでしょうか。さあ、解析してもらいましょう!


酒蒸しに酒を入れる効果の有無が判明!
酒あり・酒なしで作ったアサリの酒蒸しの解析結果は以下のようになりました!

甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の数値を比べてみると、酒ありのほうが全体的にレーダーチャートがやや大きくなっていますが、際立って数値が上がっている項目はないようです。これはやはり酒が醤油や塩、酢などと属性が違う調味料だからなのでしょう。
ところが、総合的な味の強さを示す「コク」の数値を比べてみると……!

おお、かなり差が出ているじゃないか……! ただこちらはグラフで見ると差が明確ですが、数値的には多少強い程度なのだそう。
つまり、アサリの酒蒸しはお酒を入れて作ると若干ですがコクが強くなるため、まったく味が変わらないというのは誤り。全体的に味を強くしてくれる効果があるといえるでしょう。
なんというか、酒のアテとしての酒蒸しにするんだったら酒ありで作ってほしいという感じかな!

続いて肉じゃがも検証!

次は肉じゃがを検証しましょう。こちらも解析前に食べ比べをしてみます。

おおっ、これは酒ありと酒なしでかなり違うぞ! 砂糖と醤油と水だけで作った酒なしバージョンも割といけるのですが、明らかに味が足りない感じがあります。

一方、酒ありバージョンはパワーが強め。味に厚みが出ていることがハッキリわかりました。これは解析したら結構な違いが出るんじゃないのかな!? やってみましょう!



肉じゃがに酒を入れたらこうなった!
酒あり・酒なしで作った肉じゃがは以下のような解析結果に……!

まずは甘味、塩味、酸味、苦味、旨味のレーダーチャートから比べてみると、やはり酒ありバージョンのほうが全体的にやや大きくなっています。そして「コク」の項目を比べてみると……!

やはり酒ありバージョンは「コク」がアップ! 食べ比べで感じたとおり、総合的に味に厚みが出ていることが数値でも明確に現れました。
ただし、数値の変化量的にはアサリの酒蒸しでの検証とほぼ同じ。アサリの酒蒸しよりも肉じゃがのほうがそもそも酒の効果に気づきやすい味であって、効果的には味を多少強くする程度ではあるようです。

結論:酒を入れたら多少ではあるがコクが出る!

アサリの酒蒸しと肉じゃがをそれぞれ酒あり・酒なしで作り、その味を解析してみた結果、どちらも酒を入れると多少ではあるもののコク(総合的な味の強さ)が確実にアップしました。
ただし、日本酒は塩味が強くなる醤油、甘味が強くなる砂糖、酸味が強くなる酢などの調味料と異なり、味がわかりやすく変化しないことも数値でハッキリ出ました。そのため、入れても意味がないと思ってしまいやすいことも間違いありません。でも酒を入れても意味がないというのは誤り。確実に味に厚みが出るといって問題ないでしょう。
結論まとめ
・味の変化に気づきにくいことは間違いない
・多少ではあるがコクがアップする!
・料理によって効果の感じやすさに差もある

ガジェット通信では今後もOISSY株式会社にご協力いただき、AI味覚センサー「レオ」でさまざまな食品の解析を試して定期的にレポートを掲載していく予定です。どうぞお楽しみに!
また、AI味覚センサー「レオ」についてはOISSY株式会社までお気軽にお問い合わせください。
OISSY株式会社
https://oissy.jp/[リンク]
(執筆者: ノジーマ)

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