【ライヴレポ】〈学園アイドルマスター The 1st Period Harmony Star〉──「初星学園」のハーモニーは、さらに進化する
2025年5月31日(土)〜6月1日(日)の2日間にかけて、東京都・立川ステージガーデンにて『学園アイドルマスター』(以下、『学マス』)のライヴイベント〈学園アイドルマスター The 1st Period Harmony Star〉が開催された。OTOTOYでは、そのDAY2の模様をレポートする。
先週、5月24日〜25日に開催された〈The 1st Period Spotlight Star〉で、
定刻を迎えると、〈Spotlight Star〉と同様に、恒例の提供読み上げ、十王邦夫学園長(CV: 大塚明夫)による開演の挨拶、そして根緒亜紗里先生(CV: 古賀葵)による諸注意が行われた。そして学園長と根緒先生による「開演じゃ!(です!)」という宣言から、開演の知らせを告げるチャイムが鳴る。そこからさらに『日々、発見的ステップ』などを手がけた、椿山日南子(Dream Monster)謹製の“Overture”が鳴り響き、〈Harmony Star〉の幕が開いた。
セットリストの1曲目は、長月あおい(花海咲季役)、小鹿なお(月村手毬役)、飯田ヒカル(藤田ことね役)のユニットRe;IRISによる“雨上がりのアイリス”。この曲は、〈Spotlight Star〉ではアンコールも含めラストチューンとして披露され、ゲーム内においても重要な意味を持つ楽曲である。まずは舞台袖で円陣を組むところからはじめ、トップバッターとしてこの上ないほどのパフォーマンスで、3人の「ハーモニー」をプロデューサーたちに届けた。
続いてステージには、薄井友里(姫崎莉波役)がひとりで登場。「複数人での歌唱にフォーカス」というコンセプトだっただけに、この展開には少し驚かされたが、彼女の「一緒に踊ってくれる?」という呼びかけから、プロデューサーたちもシンガロング。まさに「複数人での歌唱」によるハーモニーを生み出していた。続いて披露されたのは、花岩香奈(葛城リーリヤ役)による“極光”。花岩の力強い歌唱が、立川ステージガーデンを揺らすなかから、曲間には七瀬つむぎ(有村麻央役)が登場。激しいベースラインが轟くなか、ふたりの「覚悟」の歌声が、オーディエンスの心を撃ち抜いた。
湊みや(紫雲清夏役)は、4つ打ちのビートが印象的なダンス・チューン“Tame-Lie-One-Step”を、元気いっぱいにパフォーマンス。湊は「ツーステップ!」「ワンステップ!」のコール&レスポンスを行い、一体感を高めていく。「あのね。」というセリフとともに、会場を熱くしたのは、小鹿による月村手毬の“Luna say maybe”。真骨頂であるロングトーンを響かせると、会場もさらにヒートアップ。この2曲は、〈Spotlight Star〉でも披露された楽曲だが、ステージもフロアの熱も前回以上だったように思う。この期間内に、ライヴを通して楽曲が進化していることを感じさせたシーンだった。
MCの時間では、この日誕生日を迎えた七瀬つむぎに、会場全体からお祝いの言葉が送られた。その温かな空間に七瀬は「泣いちゃうと、麻央の声出ないんです」と涙を堪え喜びの感情を密かに爆発させた。
続いてのブロックの1曲目は、小鹿なお、川村玲奈(篠澤広役)、伊藤舞音 (倉本千奈役)のユニット曲“仮装狂騒曲”。FAKE TYPE.が手がけたエレクトロ・スイングのサウンドで、再びプロデューサーの心を踊らせると、次は伊藤がキュートなヴォイスで倉本千奈の“日々、発見的ステップ!”をパフォーマンス。すると途中から川村も参加して、ふたりで幸せな空間を作り上げた。
さらにプロデューサーたちを沸かせたのは、花岩と湊が歌う新曲“ときめきエモーション”。歌唱前にふたりが「清夏ちゃん!」「リーリヤ!」「私たちのあの日の約束を!」と見つめ合いながら、声を掛け合うと、それだけでフロアは大爆発。タイトルの通り、エモーショナルな歌声でときめきを届けた。続いてステージに上がった七瀬は有村麻央のディスコ・チューン“Fluorite”を披露。凛とした表情でセリフを告げるシーンでは、多くのプロデューサーが彼女の虜になったに違いない。ライヴはさらに花岩、伊藤、薄井によるユニット曲“Howling over the World”へ。感情全てをむき出しにした、超絶エモーショナルな3人の咆哮が立川ステージガーデンを包み込んでいった。
MCを挟んで、今度は伊藤が倉本千奈の楽曲“Wonder Scale”を歌唱。とびきりキュートな歌声で、会場に音楽の魔法をかけると、次は陽高真白(十王星南役)が登場。長い手足から繰り広げられる剣技と共に、“小さな野望”を歌唱し、王者の風格をバチバチに漂わせた。さらに、春咲暖(秦谷 美鈴役)は、〈Spotlight Star〉にサプライズ披露された“Superlative”をパフォーマンス。ゴリゴリのEDMサウンドに馴染ませた優しい歌声でプロデューサーたちを魅了した。続いてピアノ・イントロとともに、ステージには、花岩、湊、長月の3人がスタンバイ。春という季節を表現したようなバラード“桜フォトグラフ”を心を込めて熱唱し、優しくも温かな空気で会場を包み込んだ。
再び、ライヴの熱量を上げたのは川村がシルキー・ヴォイスで歌い上げた“光景”。「篠澤広」という存在を全身で体現するようなパフォーマンスで、観るもの全てをそのオーラで釘付けにした。続く春咲は秦谷美鈴の“ツキノカメ”を熱唱。一音一音を大切にしながらも、自分の表現として魅せるようなステージを繰り広げた。
姫崎莉波の楽曲“L.U.V”のスウィンギンでジャジーなギター・サウンドとともに飛び出してきたのは、薄井友里。楽曲の途中には飯田ヒカルも加わり、ふたりの個性が見事にマッチするようなハーモニーを魅せると、最後はふたりで手を繋いでステージを後にした。さらに、湊と小鹿は“カクシタワタシ”をふたりで熱唱。この楽曲は、紫雲清夏のソロ曲ではあるが、小鹿が演じる手毬にも共感できる曲であり、その組み合わせだからこそ響くデュエットであった。
松田彩音(花海佑芽役)は、“The Rolling Riceball”をパフォーマンス。この日も間奏では、大きなおにぎりを頬張る振り付けでプロデューサーたちを沸かせ、大きなコールで作り出した。さらに七瀬、伊藤、小鹿の3人は和のテイストの楽曲“雪解けに”をパフォーマンス。扇子を手にして、可憐に、そして妖艶に舞い踊った。
ライヴはここから、終盤戦。そのはじまりは、陽高が歌う十王星南の“Our Chant”。荘厳なコーラスとストリングのサウンドに負けない陽高の歌声が会場を包む中、ステージに現れたのは、長月あおいだった。星南と咲季の運命が交錯するような歌声が、大きな感動を呼ぶ、凄まじいパフォーマンスだった。
ステージに残った長月はさらに「さあ、今度はこっちの番よ!あの星を超えてやろうじゃない!」と花海咲季の“Fighting My Way”を披露。強いビートとともに、自身の生きる道を示すような歌とダンスが、心をグッと掴んだ。その心意気に呼応するように花岩はリーリヤの“白線”を届ける。かわいさと爽やかさを兼ね備えたヴォーカルで、プロデューサーを沸かすと、次は飯田が藤田ことね“世界一可愛い私”を超絶キュートに熱唱。この日も立川中に届くような、「かわいい!」コールが響き渡り、まさにクライマックスを盛り上がりを記録していた。
圧巻の盛り上がりのあと、ステージに姿を現したのは、松田彩音、春咲暖、陽高真白の3人。彼女たちはBegraziaのユニット楽曲“Star-mine”をパフォーマンス。力強くも美しい歌声のハーモニーが、大きな熱量を生み出しながらも、強い輝きを放っていた。ライヴはさらに七瀬、湊、薄井の3人が歌うサマー・ソング“キミとセミブルー”へ。まだ梅雨にも入っていないというのに、立川を灼熱の真夏へと変貌させていた。
ライヴはここで、12人全員が集合。長月の「校歌斉唱!」という言葉のあと、初星学園の校歌である“標”が、プロデューサーも含めた全員で歌われた。この日の終盤のロングトーンを務めたのは、陽高真白。「一番星」十王星南の“最強感”を全開にしたような歌に、集まったプロデューサーも総喝采だった。本編ラストは、学マスのはじまりの曲“初”。12人それぞれの個性と歌声がぶつかりあい、強く温かなハーモニーがそこかしこで生まれていた。
アンコールの1曲目は、川村、陽高、薄井による“ハッピーミルフィーユ”、テンションの高い甘々なアイドル・ソングで、客席のヴォルテージをMAXまで引き上げた。ライヴはここで再びステージに全員が集合し、“がむしゃらに行こう!”をパフォーマンス。超絶元気なステージで観るもの全てを笑顔にした。ラストチューンは、“Campus mode!!”。ステージの全身全霊のアイドルたちの輝きと、客席の熱量とがぶつかり合い、大きな大きな多幸感、そして感動が生まれていた。
こうして大団円でフィナーレを迎えた〈学園アイドルマスター The 1st Period Harmony Star〉。「学マス」の物語はまだまだ始まったばかり、これからも本当におもしろいプロジェクトに進化して行くことは間違いないだろう。
取材&文:ニシダケン
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ライヴ情報
〈学園アイドルマスター The 1st Period Harmony Star DAY2〉セットリスト
1. 雨上がりのアイリス(Re;IRIS:長月あおい、小鹿なお、飯田ヒカル)
2. clumsy trick(薄井友里)
3. 極光(花岩香奈、七瀬つむぎ)
4. Tame-Lie-One-Step(湊みや)
5. Luna say maybe(小鹿なお)
6. 仮装狂騒曲(小鹿なお、伊藤舞音、川村玲奈)
7. 日々、発見的ステップ!(伊藤舞音、川村玲奈)
8. ときめきエモーション(湊みや、花岩香奈)
9. Fluorite(七瀬つむぎ)
10. Howling over the World(花岩香奈、伊藤舞音、薄井友里)
11. Wonder Scale(伊藤舞音)
12. 小さな野望(陽高真白)
13. Superlative(春咲暖)
14.桜フォトグラフ(長月あおい、湊みや、花岩香奈)
15. 光景(川村玲奈)
16. ツキノカメ(春咲暖)
17. L.U.V(薄井友里、飯田ヒカル)
18. カクシタワタシ(湊みや、小鹿なお)
19. The Rolling Riceball(松田彩音)
20. 雪解けに(小鹿なお、伊藤舞音、七瀬つむぎ)
21. Our Chant(陽高真白、長月あおい)
22. Fighting My Way(長月あおい)
23. 白線(花岩香奈)
24. 世界一可愛い私(飯田ヒカル)
25. Star-mine(Begrazia:松田彩音、春咲暖、陽高真白)
26. キミとセミブルー(七瀬つむぎ、湊みや、薄井友里)
27. 標(初星学園)
27. 初(初星学園)
EN1. ハッピーミルフィーユ(陽高真白、薄井友里、川村玲奈)
EN2. がむしゃらに行こう!(初星学園)
EN3. Campus mode!! (初星学園)

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