沖縄カメセンターが絶滅危惧種リュウキュウヤマガメの保全状況調査への協力を呼びかけ

「リュウキュウヤマガメ」写真提供:the Turtle Conservancyの Maximilian Maurer氏とSimon Rouot氏

沖縄県を拠点とする環境保護団体「沖縄カメセンター(OKC)」は、絶滅危惧種(EN)である「リュウキュウヤマガメ(Geoemyda japonica)」の保全状況の調査のため、市民科学プロジェクト「リュウキュウヤマガメを救おう」を設立。世界カメの日に合わせて、5月23日(金)~12月31日(水)の期間、遭遇したリュウキュウヤマガメの写真や動画を撮影してオンラインで投稿するよう呼びかけている。

沖縄の野生淡水ガメの保護と保全に取り組むOKC

国際自然保護連合(IUCN)は現在、「リュウキュウヤマガメ」を、野生絶滅の危険性が高いことを意味する絶滅危惧種に指定している[1]。しかし、5~10年ごとに再評価が推奨されているにもかかわらず、25年間、本種の保全状況は再評価されていない[2]。

「リュウキュウヤマガメ」は、生息地の喪失と分断、道路での死亡事故、エキゾチックペット取引のための密輸など、多くの脅威に直面している[3]。生息環境のわずかな変化でさえ、さらなる危険にさらす可能性があるため、綿密な監視が不可欠となっている。

OKCは、沖縄における野生淡水ガメの保護と保全に取り組む非営利の一般社団法人だ。広報活動、野生ガメの個体群の長期モニタリング、そして保全生物学研究に取り組んでおり、沖縄北部で25年以上にわたり実施されている「リュウキュウヤマガメ」のフィールド調査(最長記録)の管理を引き継いでこの重要な研究の継続に尽力している。さらに、この種の初のリファレンスゲノムを作成するための国際協力を主導している。これは将来のフィールドベースの保全戦略を支え、強化する画期的な成果だ。

人々からの投稿を参考に保全報告書を作成

OKCは、沖縄、久米島、渡嘉敷島といった生息地で「リュウキュウヤマガメ」の生息場所を特定し、写真や動画を提出してもらうことを目標に、「リュウキュウヤマガメを救おう」を設立した。これらのデータを分析して正式な保全報告書を作成する。その報告書はIUCNに提出され、沖縄県教育庁文化財課や環境省と共有される。


同プロジェクトは、2025年5月の国連の目標である持続可能な開発目標(SDGs)15「陸の豊かさも守ろう」を支援するための行動喚起となっている。

野生のリュウキュウヤマガメを初めて発見した時の興奮の瞬間をとらえたイラスト

特別なトレーニングは不要で、住民、観光客、ハイカー、ツアーガイド、写真家、自然愛好家など誰でも参加することができるので、興味のある人は参加してみよう。

カメを見つけて撮影し、観察データと一緒に投稿

プロジェクトへの参加方法を詳しく見ていこう。

まずは沖縄本島、久米島、渡嘉敷島、そして近隣の島々で「リュウキュウヤマガメ」を見つけよう。このカメはハイキングコース、公園、道路脇など、人がよく訪れる森林地帯でよく見られる。日の出と日の入りの時間帯に最も活発に活動するが、暖かく雨の多い天候では一日中活動していることもある。なお、探索する際は、ハブ(毒蛇)などの動物に注意すること。

「リュウキュウヤマガメ」を触ったり持ったりすることは禁止されているので、カメを見つけたら触れずに写真または動画を撮影しよう。可能であれば、甲羅、頭、四肢、尾など、体の各部位のクローズアップ写真と、真上から撮影した全身写真も添付する。「リュウキュウヤマガメ」かどうか不明な場合でも、専門チームが確認するので、データを提出してみて。

その後、おおよその位置(地名またはGPS座標)、日時、天気、ダニの有無などの観察データを記録する。なお、これらのカメは違法に採取されたり密輸されることがあるので、位置情報は公開しないように。

最後に、これらの写真、動画、観察データをフォームにアップロードして終了となる。

データ受付期間は5月23日(金)~12月31日(水)だが、2020年1月まで遡ったデータも募集している。プロジェクトの最新情報は、沖縄カメセンター公式サイトでチェックしてみて。

沖縄、久米島、渡嘉敷島を訪れた際は、絶滅危惧種の「リュウキュウヤマガメ」を見つけて撮影し、保全状況の調査に協力してみては。

■沖縄カメセンター
公式サイト:https://www.okinawa-kame.org
公式Instagram:https://www.instagram.com/okinawakamecentre
公式X:https://x.com/okinawa_kame

詳細・英文記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000162085.html

[1] Asian Turtle Trade Working Group. (2000). Geoemyda japonica (errata version published in 2016). The IUCN Red List of Threatened Species 2000: e.T9042A97362115.
https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2000.RLTS.T9042A12952738.en
[2] International Union for Conservation of Nature. (n.d.). Frequently Asked Questions. IUCN Red List. https://www.iucnredlist.org/about/faqs
[3] Yasukawa, Y. and Ota, H. (2008). Geoemyda japonica Fan 1931– Ryukyu black-breasted leaf turtle, Okinawa black-breasted leaf turtle. In: Rhodin, A.G.J., Pritchard, P.C.H., van Dijk, P.P., Saumure, R.A., Buhlmann, K.A., and Iverson, J.B. (Eds.). Conservation Biology of Freshwater Turtles and Tortoises: A Compilation Project of the IUCN/SSC Tortoise and Freshwater Turtle Specialist Group. Chelonian Research Monographs No. 5, pp. 002.1-002.6, doi:10.3854/crm.5.002.japonica.v1.2008, http://www.iucn-tftsg.org/cbftt

(山本えり)

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