【ライヴレポ】新たに6期生を迎え作り出した、乃木坂46の13回目の伝説〈乃⽊坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE〉
2025年5月17日~18日の2日間にかけて、味の素スタジアムにて〈乃⽊坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE〉が開催された。オトトイでは、その千秋楽となるDAY2の模様をレポートする。
先日新メンバーである6期生、11人を仲間に迎え、現在は総勢40人で活動している乃木坂46。そのグループの歴史のなかでも、重要なライヴのひとつが〈BIRTHDAY LIVE〉(通称、バスラ)である。これまでもありとあらゆる伝説、名シーンを残してきたこのバスラ。新たな時代を作るメンバーの決意を感じるべく、今回のライヴには、2日間で11万人のファンが集結した。開演前の影ナレは、中西アルノが担当。やや甘噛み気味のアナウンスから、「みんなー祭りだー!楽しむ準備できてるー!?」と声をかけると、観客席からは「気合い十分!」というような大きなリアクションが返ってきた。
定刻を迎え、“OVERTURE”で流れた映像には、3期生、4期生、5期生、6期生が、いつから〈BIRTHDAY LIVE〉に参加したのかが組み込まれており、乃木坂というグループが、いかに長きに渡ってこの“バスラ”を紡いできたのか、という歴史を感じさせた。ライヴは、後方ステージから行われたフラッグパフォーマンスからスタート。そこから客席、ステージ、いたるところに用意されたプレゼントボックスからメンバーが登場し、「全員騒げー!!!味スタ、行くぞー!!!という中西の叫びから、“太陽ノック”で13thバスラの幕が上がった。ライヴはさらにそこから、“⾛れ︕Bicycle”、“君に叱られた”、“チートデイ”、“ジコチューで⾏こう︕“という強力な表題曲を連発。何度もトロッコでアリーナを周回しながら、集まったファンに向けて笑顔を振り撒き、序盤から一気に客席のヴォルテージをMAXまで押し上げた。このブロックのラストは、最新楽曲“ネーブルオレンジ”。Wセンターの井上、中西のヴォーカルの強さが際立つフォーキーなサウンドで、曇りがかった夕方の空を、オレンジ色に染め上げた。
菅原、小川によるダーツチャレンジのVTRを挟んで、続いてのブロックは、「46分メドレー」と称して全26曲を一気にノンストップ!で。おなじみのコールからスタートした“おいでシャンプー”からメドレーは、初期から現在まで愛され続ける楽曲たちを時系列に披露。オリジナルメンバーがすでに卒業している楽曲については「誰がこの曲を引き継ぐのか」という「継承」も見どころのひとつ。例えば、白石&橋本がオリジナルメンバーのユニット曲“孤独兄弟”は、賀喜&遠藤の「かきさく」コンビが、その意思とレザー・ジャケットを継承。決して「設定じゃない」普段からの仲の良さから生まれる、息のあったコンビネーションを見せつけていた。また“今、話したい誰かがいる”では、久保、林、中⻄が担当。ヴォーカルに定評のある3人の力強い歌声が、味の素スタジアムに響いていた。
メドレーはさらに、岡本センターの“⾵船は⽣きている”でエモーショナルな歌声を届けると、池⽥、⼀ノ瀬、井上の5期生トリオが、“Rewindあの⽇”をパフォーマンス。メドレーは、ここからさらに、筒井&川崎のWセンターによる“逃げ⽔”。表題曲、ユニット曲を織り交ぜながら披露された、この「46分メドレー」。なかでも大きな一体感を産んでいたのは、2期生・山崎怜奈がセンターを務めていたロック・チューン“錆びたコンパス”だった。この曲では、柴田を中心に大きなシンガロングが巻き起こっていたことが強く印象に残った。この曲はいわゆるアンダー曲ではあるが、この盛り上がりを生み出すことができたのは、歴代のアンダーメンバーが楽曲を育てきたからこそ。彼女たちの活躍なければ、この盛り上がりはなしえなかっただろうと思った。昨年卒業した山下美月の卒業シングル“チャンスは平等”は、盟友である梅澤&久保がWセンターを務めあげ、メドレーのオーラスは、“歩道橋”。乃木坂46というグループの真骨頂である群舞が、ここに集まった多くのファンを魅了した。
こうして、46分メドレーを走り終えたメンバーはここで、グループの13歳の誕生日をお祝い。ちなみに、用意されたケーキは昨日のものとは違い、13本の蝋燭が用意されていたとのこと。ライヴはここから後半戦。ここからは3〜5期生をTEAM BLUE、TEAM REDのふたつに分け、楽曲を披露するブロックへ。まずは、岩本、梅澤、遠藤、⾦川、柴⽥、松尾、⼸⽊、池⽥、⼀ノ瀬、岡本、奥⽥、川﨑、菅原、中⻄のTEAM BLUEがブルーのペンライトが輝く会場で、“Actually…”、そして“ごめんねFingers crossed”をクールにパフォーマンス。続く、伊藤、久保、吉⽥、賀喜、⿊⾒、璃果、⽥村、筒井、林、⽮久保、五百城、井上、⼩川、冨⾥のTEAM REDは“おひとりさま天国 ”、“I see…”をパッションたっぷりに歌い上げ、オーディエンスを大いに沸かせた。
ライヴはさらに、ステージをRED、BLUEの二つに分割し、“インフルエンサー”をパフォーマンス。間奏では、井上、中西のダンスバトルも展開。ふたりはまるで「地球」と「太陽」のように、影響を与え合う存在なのだと感じるシーンだった。ここで「赤」と「青」は混ざり合い、ステージは「紫」に染まる。そう、乃木坂のグループカラーである「紫」だ。そして歌われたのは、初期からグループの代表曲のひとつとして大事に歌われてきた“君の名は希望”。歌のなかに大きな「愛」を感じる、このバスラのなかでも印象的なシーンのひとつだった。
ライヴはつづいて、先日加入した6期生11人が登場。ここから6期生は全員で、“タイムリミット⽚想い”を元気いっぱいに披露。緊張のなかに「これから乃木坂46のメンバーとして頑張っていくんだ」という確かな情熱を感じさせる、フレッシュなパフォーマンスで、観る者全てを笑顔にしていた。ライヴはここから期別ブロックへ。続く5期生は副キャプテンの菅原をセンターに“バンドエイド剥がすような別れ⽅”で観客の楽しませると、4期生は“ジャンピングジョーカーフラッシュ”で心を飛び跳ねさせる。そして3期生が歌ったのは、“三番⽬の⾵”。この1年で多くの別れを経験した今だからこそできる「覚悟」に満ちた、パフォーマンスが胸を打った。そして最後は3〜6期生で、“設定温度”を披露。3期、4期、5期、6期、と歌声が徐々に増えていくという構成で、エモーショナルに想いを届けた。
こうして、メンバー全員が揃い踏みした乃木坂46。そしてライヴはここで終盤戦へと向かう。続いて歌われたのは、グループのデビュー曲、“ぐるぐるカーテン”。一番後輩の6期を先輩たちが囲み、乃木坂46というグループの「仲の良さ」という魅を感じさせた。続いてキラー・チューン“ガールズルール”で再びオーディエンスを大爆発させると、“Sing Out︕ ”、“Monopoly”をパフォーマンス。会場のいたるところからクラップやシンガロングが轟き、ピースフルで、エモーショナルな空気がスタジアムを温かく包み込んだ。
ライブ終盤、最後の楽曲前にマイクを握った中西は、「続いてが最後の曲になります。でも、その前に少しだけお時間をください」と切り出し、グループに対する想いを静かに、しかし熱く語り始めた。「ここまでライブをしてきて、乃木坂46にとってBIRTHDAY LIVEがどれほど特別なものなのか、改めて実感しました」と語る中西。先輩メンバーたちがつくり上げてきた伝統や、13年という歴史の重みを感じながら、今自分たちがその一部を担っていることへの責任と誇りを噛み締めているようだった。特に印象的だったのは、38枚目シングルの選抜発表後、同じ5期生の井上和と交わした会話について触れた場面だ。
「その時、私たち2人ともすごく不安定だったんです。でも、和が言ってくれた言葉が今も忘れられません。『それでも私は乃木坂が大好きだから』って。そのまっすぐで力強い言葉に、私も本当に心を導かれた気がしました。」先輩たちの背中を追い、同期と支え合いながら歩んできた日々を振り返りつつ、「実は私も乃木坂46が大好きなんです」と初めて素直な気持ちを口にした中西。「先輩方は本当にかっこよくて、同期のみんなも頼もしくて、そんな中にいられることが幸せ」と胸の内を明かした。中西はさいらに「13年という歴史のほんの一部しか知らない私でも、今の乃木坂が最強だって胸を張って言えます。まだまだこれからも続いていくこの道を、みんなで一緒に歩んでいけたら」と、未来への決意を語った。
本編最後に披露されたのは、“他⼈のそら似”。デビュー曲「ぐるぐるカーテン」から28thシングル「ごめんねFingers crossed」まで歴代シングル曲の振り付けが取り入れられた楽曲である。メンバーはこの楽曲を全力でパフォーマンスすると、スタジアムからは「おいおい…やりすぎじゃないか」と思うほどの花火が打ち上がり、13歳の誕生日をそれはもう盛大にお祝いした。
大きな「のぎざか!46!」コールに応えるように始まったアンコールは、“ハウス︕”でスタート。トロッコで周回しながら、“ダンケシェーン”、“そんなバカな…”をパフォーマンス。曲間には、いたるところでいちゃいちゃしているメンバーの姿が見られ、乃木坂46というグループの異様な仲の良さを感じさせるシーンとなった。
最後にキャプテン梅澤からのお願いとして、白のサイリウムをつかった人文字が実施。ここではアリーナで乃木坂46のロゴを作ったあと、スタンド席に映し出されたのは「アイシテネ♡」という文字。メンバーからファンへの一方的な愛だけでは、乃木坂46はここまで大きくなることはできなかったはず。メンバーとファン、この相思相愛の関係が、グループをここまで大きくしてきたのだと感じた。
ラスト・チューンは、グループを象徴とする楽曲“乃⽊坂の詩”。14年目を迎えたいま、まだまだ先へ進まんとする、グループの覚悟が見られる力強い歌声が、会場一体に響き渡り、最後の最後まで心を震わせた。
こうして〈乃⽊坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE〉はまた新たな伝説を作り出した。6期生という新たな仲間を迎え、乃木坂46は14年目の歴史を紡いでいく。終盤には、恒例の「真夏の全国ツアー」のお知らせも行われた。今年の神宮は4DAYS。乃木坂46というグループはまだまだおもしろい世界をみせてくれそうだ。
取材&文:ニシダケン
撮影:鈴木健太(KENTA Inc.)
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ライヴ情報
乃木坂46 13th YEAR BIRTHDAY LIVE -DAY2-
2025.5.18 セットリスト
0.OVERTURE
1.太陽ノック
2.走れ!Bicycle
3.君に叱られた
4.チートデイ
5.ジコチューで行こう!
6.ネーブルオレンジ
7-1.おいでシャンプー
7-2.涙がまだ悲しみだった頃
7-3.制服のマネキン
7-4.世界で一番 孤独なLover
7-5.バレッタ
7-6.孤独兄弟
7-7.ここにいる理由
7-8.夏のFree & Easy
7-9.傾斜する
7-10.命は美しい
7-11.今、話したい誰かがいる
7-12.裸足でSummer
7-13.風船は生きている
7-14.Rewindあの日
7-15.逃げ水
7-16.シンクロニシティ
7-17.帰り道は遠回りしたくなる
7-18.夜明けまで強がらなくてもいい
7-19.Wilderness world
7-20.僕は僕を好きになる
7-21.錆びたコンパス
7-22.好きというのはロックだぜ!
7-23.人は夢を二度見る
7-24.踏んでしまった
7-25.チャンスは平等
7-26.歩道橋
8.Actually…
9.ごめんねFingers crossed
10.おひとりさま天国
11.I see…
12.インフルエンサー
13.君の名は希望
14.タイムリミット片想い
15.バンドエイド剥がすような別れ方
16.ジャンピングジョーカーフラッシュ
17.三番目の風
18.設定温度
19.ぐるぐるカーテン
20.ガールズルール
21.Sing Out!
22.Monopoly
23.他人のそら似
EN1.ハウス!
EN2.ダンケシェーン
EN3.そんなバカな…
EN4.空扉
EN5.乃木坂の詩
-セットリストプレイリスト-
https://nogizaka46.lnk.to/13thyearbirthdaylive_setlist
ツアー情報
2025年7月5日・6日 北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
2025年7月12日・13日 静岡県・エコパアリーナ
2025年7月16日・17日 大阪府・大阪城ホール
2025年8月2日・3日 宮城県・セキスイハイムスーパーアリーナ
2025年8月9日・10日 福岡県・マリンメッセ福岡A館
2025年8月16日・17日 香川県・あなぶきアリーナ香川
2025年9月4日・5日・6日・7日 東京都・明治神宮野球場
インフォメーション
■乃木坂46公式サイト
http://www.nogizaka46.com/
■乃木坂46 OFFICIAL YouTube CHANNEL
https://www.youtube.com/@nogizaka46SMEJ
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