Insta360のフラッグシップ360°アクションカメラ「Insta360 X5」レビュー 低照度にも強い高画質と動画編集ワークフローの進化に注目

Insta360Japanが4月22日に発売したフラッグシップ360°アクションカメラの新モデル「Insta360 X5」のレビューをお届けします。筆者は過去にモジュール式アクションカメラ「Insta360 ONE RS」をレビューしたのですが、Xシリーズに触れるのは今回が初めて。最新のフラッグシップモデルの作例と、360°動画編集のワークフローの進化に注目して紹介していきます。


Insta360 X5は、デュアルレンズで撮影した360°映像を本体のタッチスクリーンからプレビューできるポケットサイズの360°アクションカメラ。最高8K30fpsの解像度で360°動画を撮影できます。本体のデザインは、背面に幾何学的な立体パターンを採用し、少しトガった印象に。

内部のセンサーやプロセッサーを除くハードウェア面では、主に「レンズ」「オーディオ」「バッテリー」が進化しています。レンズはサファイアガラスレベルという耐久性を持っものにアップデートされ、万が一レンズが破損してもユーザー自身で交換可能な仕様に。

オーディオはよりクリアに。マイク部分に多層防風スチールメッシュを採用し、風切り音をカットするだけでなく、オーディオアルゴリズムの進化により、クリアなオーディオの録音を可能にしています。

2400mAhのバッテリーは、耐久モード、アクティブHDRをオフ、5.7K24fpsに設定した状態で最大185分の録画が可能に。新たに30Wの急速充電に対応し、20分で0%から80%まで充電可能になりました。
大型イメージセンサー搭載で高画質に

新たに搭載した1/1.28インチセンサーは前モデルX4と比べて144%大型化。豊かなディテールと鮮やかな色彩を表現します。3個のAIチップを搭載し、計算能力は140%向上。低照度下での画質を向上し、ノイズを低減して幅広い階調表現を実現します。

8K30fpsで撮影した360°動画は非常に解像感が高く、色鮮やか。かつ動きは滑らかに撮影ができます。晴れた屋外なら、気持ちいい風景の情感をそのままに残せること間違いなし。
作例は1本の動画にまとめていますので、記事と併せてご覧ください。
insta360 X5作例:8K / PureVideo / InstaFrame(YouTube)
https://youtu.be/eQ2AROvN63E?si=XbqmoqhhLCSGkwUA

7200万画素で撮影できる360°写真(静止画)も、高精細で色鮮やかな仕上がりに。画角や広角の度合いを調整して書き出すことができます。
低照度でも明るい! 「PureVideo」モード


新たに搭載した「PureVideo」は、低照度の撮影に向くモード。最大8K30fpsの高解像度で、AIノイズリダクションと最適化されたダイナミックレンジによりクリアで鮮やかな映像を実現します。夜景なら全体を明るく映しつつ暗い場所は暗く、色味のある個所は色鮮やかに再現が可能。
「InstaFrame」で2D動画と360°動画を同時撮影



こちらも新たに搭載した「InstaFrame」は、360°動画を撮影しながら一定の方向を追う固定ビュー、もしくは自撮りビューのフラットな動画を同時撮影できるモード。360°動画は最大5.7K+30fps、フラットな動画は最大1080p30fpsの解像度の同時撮影に対応します。旅先などでも撮影後すぐにフラットな動画をSNSでシェアして、その後じっくり360°動画をリフレーム、編集することができます。

撮影中のディスプレイには、カメラが水平方向に回転する360°撮影やバレルロールのショートカットが表示され、手軽に楽しいエフェクトをかけた映像が撮影できるのもポイント。
AI編集機能+クラウドサービスで快適なワークフロー

撮影した360°動画は、デスクトップアプリケーション「Insta360 Studio」でリフレームや編集が可能になります。タイムラインにキーフレームを挿入して、マウスをドラッグしながら視点やズームを決定。キーフレーム間のトランジション効果を設定することで、より自然に視点を移動する動画が制作できます。16:9の横方向や9:16の縦方向、SNSで使いやすい正方形など画角も任意に設定できるので、とりあえず撮っておいて後から自由に編集できるのが360°動画の便利なところ。

じっくり作り込めるデスクトップアプリケーションに対して、スマホアプリ「Insta360」ではAIを活用したお任せ編集ができるのが魅力です。AIがクリップからハイライトシーンを抽出して、カメラの向きや動きを調整した動画を自動で生成可能。効果やトランジションを組み合わせたテンプレートも豊富なので、表現力豊かな動画が簡単に作成できます。
アプリでAI編集した動画がこちら。
Insta360 X5で撮影した360°動画をアプリで編集してみました(YouTube)
https://youtube.com/shorts/vPCJXBTxv7Y?si=pU3jutnhJGKys9ny
デスクトップ同様にキーフレームを挿入してリフレームする機能もありますが、360°動画を再生しながらリアルタイムにスマホを向けたり画面をドラッグして視点を合わせる「録画」の機能もユニークです。

そして最近の進化に驚いたのが、サブスクサービス「Insta360+」の存在です。360°動画はファイルサイズが巨大で、PCやスマホにコピーするとストレージを圧迫してしまうのが難点なのですが、Insta360+に加入すると動画ファイルの「クラウドへの自動バックアップ」と「クラウド編集サービス」が利用できます。カメラを充電するとWi-Fi接続して、動画ファイルをクラウドへ自動アップロード。クラウド上にある動画をPCからもスマホからも編集できるのです。

編集した動画は書き出し時にPCやスマホにエクスポートして、動画編集ソフトやSNSでのシェアへ利用可能になります。
AI編集やクラウド機能など、360°動画の編集ワークフローが各段にラクになっていることに感銘を受けた次第。今後は取材活動でも、360°動画の積極的な活用を考えていきたいところです。
Insta360 X5は通常版が8万4800円(税込)、追加バッテリーと急速充電ケース、114cmの見えない自撮り棒、レンズガード、レンズキャップ、キャリーケースをセットにしたエッセンシャルキットが10万1800円(税込)です。購入者は2025年7月21日までにアクティベートすると、200GB分のクラウドストレージが使えるInsta360+クラウドサービスが6か月無料で利用可能。
新製品を空港で試せるポップアップストアがオープン中


Insta360Japanは2025年5月6日(火)まで、羽田空港第3ターミナル5Fお祭り広場に日本で初となるポップアップストアをオープン中。新製品の実機を体験できるタッチ&トライコーナーや、空港内で撮影ができる貸出も行っている注目のイベントです。気になる人は足を運んでみては。
イベント開催概要
開催期間:4月26日(土)~5月6日(火)
開催時間:平日11:00~20:00 土日祝11:00~21:00
イベント内容:
・「TOUCH & TRY」コーナーにて製品展示
・空港内貸出
・新製品が当たる抽選会即売会(イベント限定特典付き)
製品提供:Insta360Japan

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
ウェブサイト: http://mogera.jp/
TwitterID: shnskm
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