「Google Pixel 9a」レビュー 最新のAI機能に親しむ値ごろ価格のスマートフォン

Googleが4月16日に国内で発売するスマートフォン「Pixel 9a」のレビューをお届けします。価格は128GBモデルが7万9900円(税込)と、Pixel 8aの7万2600円(税込)から値上がりしたものの、12万円以上のPixel 9と比べて値ごろ感のある価格で入手できるPixel Aシリーズの最新モデル。Pixel 9シリーズと同じ独自開発のシステムオンチップ(SoC)「Google Tensor G4」を搭載し、Pixel 9シリーズと同じAI機能やAIを活用した写真機能がそのまま利用できるのが特徴です。

フラットなデザインを採用して見た目を刷新

Pixel 9aの大きな特徴として、まず新しいデザインの採用が挙げられます。従来のカメラバーが大きく突出したデザインから、ラウンド形状のカメラモジュールをわずかに突起させたフラットなデザインに。背面にはサラサラとした触感のマットなプラスチック素材を採用し、落ち着いた印象に生まれ変わりました。本体カラーは今回お借りしたIrisに加えて、Obsidian、Porcelain、Peonyの4色をラインアップ。本体サイズはH154.7×W73.3×D8.9mm、重量は約185.9g。最大2700nitと明るい6.3インチのActuaディスプレイを搭載し、解像度は2424×1080、最大120Hzの可変リフレッシュレートに対応します。

側面のフレームはサテン仕上げのメタルフレームを採用。Pixel 9シリーズ同様、フラットなフレームになり、カメラバーの突起も気にならないことから、持ちやすく感じる人も多いのではないでしょうか。右側面に電源ボタンと音量調節ボタン、底面にはDP Alt(Display Port Alternate mode)の映像出力に対応するUSB Type-C 3.2ポート、SIMトレーを搭載します。SIMはnanoSIMとeSIMに対応するデュアルSIM仕様。

最新のAI機能に親しめる充実の性能

システムオンチップ(SoC)は「Google Tensor G4」を搭載。Pixel 9シリーズと同じAI機能が利用できます。OSはAndroid 15。セキュリティアップデートやAndroidアップグレードを含む7年間のソフトウェアサポート、継続的に新機能追加や改良を行うFeature Dropsアップデートを提供します。RAM容量は8GB RAMで、ストレージ容量が128GBのモデルと256GBのモデルをラインアップします。バッテリー容量は5100mAhで、バッテリー駆動時間は30時間以上、スーパーバッテリーセーバーを使用して最長100時間以上の駆動時間を実現しました。最大23Wの急速充電とワイヤレス充電に対応します。

このハードウェア上で動作し、Pixelらしさを特徴づけるAI機能の一部を確認していきましょう。

・「Pixel Studio」をプリインストール

メッセージカードの挿絵やステッカーとして使える画像を生成するツール「Pixel Studio」がプリンストールされています。「満開の桜の下で楽しそうにビールを飲む日本のサラリーマン」のようにプロンプトで指示すると、それっぽい画像を生成。さらに、「3D Cartoon」「Cinematic」などスタイルを選択してお好みのタッチに仕上げることができます。

・パワフルな「編集マジック」

撮影した写真のAI編集機能「編集マジック」は、Pixel 9シリーズ同様の使い勝手で利用可能。被写体のハトを指でなぞって選択すると、拡大・縮小したり移動しても背景をAIが合成してくれる他、「カラフルにして」とプロンプトで指示すると見事にカラーリングを変更してくれます。

撮影後に人物を中心に自動でフレーミングしなおす「オートフレーム」も便利。撮影して後から「うまくいかなかったな」と思っても、AIがリカバリーしてくれるのは本当に助かります。

・入力手段が増えて便利になったGemini

電源ボタンの長押しでAIアシスタントとして起動できるGeminiは、音声やテキストの入力だけでなくカメラ画像やギャラリーにある写真、ファイルも入力へ利用可能になりました。

浅草・雷門の写真に「銀座線田原町駅からここまで行く所用時間は?」とプロンプトを入力すると、対象を雷門と認識してGoogleマップで調べた所用時間を回答してくれたり、PDFファイルを入力として内容を要約してもらえるなど、マルチモーダルなAIアシスタントとしてかなり実用的になった印象です。

ざっくりとした相談やブレインストーミングは、口頭で自然に対話できるGemini Liveが有用。会話の中で出てきた候補やキーワードを掘り下げていくことで、探したいものや見つけたい答にたどり着くヒントを得ることができます。

ディスプレイ上の画像やテキスト、動画を囲んだりなぞったりして検索できる「かこって検索」も、囲った対象をすぐにGeminiが把握して情報をまとめてくれるので便利。記事のために撮影した「Nintendo Switch 2」を把握して、スペック情報を提示してくれました。

一部には非対応の機能も。3月に国内でもPixel 9シリーズ向けに提供開始した、スクリーンショットを整理して検索可能にする「Pixel スクリーンショット」の機能がPixel 9aでは利用できないことが確認されていますが、今後のアップデートで対応する可能性も考えられます。

引き続き強力なカメラ機能

Pixelといえば優れたカメラ、という特徴も継承しています。背面にはf/1.7で視野角82°の4800万画素広角、f/2.2で視野角120°の1300万画素超広角の2眼カメラを搭載。広角カメラは光学式と電子式の手ぶれ補正、最大8倍の超解像ズームに対応します。インカメラはf/2.2で視野角96.1 °の1300万画素広角カメラ。

浅草・雷門を撮影して広角と超広角を比較。広角は画角82°で明るく解像感のある仕上がりになり、超広角は120°の広い画角で周辺部の歪みが少ない写真が撮れました。

浅草寺の五重塔を1倍・2倍・8倍で撮影したところ、1倍と2倍は色鮮やかで屋根の造形のディテールが美しく収められていて、8倍ではAIが複数枚の写真を合成する超解像ズームにより、頂上の「相輪」と呼ばれる構造がしっかり確認できます。

AIを活用した写真機能もPixel 9と同等。撮影者が代わって全員が写るグループ写真が撮れる「一緒に写る」、複数枚撮影した集合写真から“ベストテイク”を作れる「ベストテイク」、不要な被写体を削除できる「消しゴムマジック」、動画の中から不要な音を消せる「音声消しゴムマジック」といったAI編集機能が利用できます。

256GBモデルでも10万円を切る価格

Pixel 9aの価格は128GBモデルが7万9900円(税込)、256GBモデルが9万4900円(税込)。Pixel Aシリーズでは国内初の256GBモデルですが、Pixel 9の256GBモデルが14万3900円(税込)であることを考えると、10万円を切るのは十分値ごろ感のある価格なのではないでしょうか。

フラットなデザインによくなじむ純正ケースは4900円(税込)です。

Googleストアではキャンペーン期間の4月9日から27日までに購入すると、1万5000円分のストアクレジットの付与と対象スマホの最大2万5100円の下取りを組み合わせて、実質3万9800円から購入できるキャンペーンを実施中です。

ライブ配信で実機を紹介します

本日、4月11日(金)20時からのライブ配信番組「ガジェット通信LIVE」では、発売直前のPixel 9aと「Nothing Phone (3a)」を実機でご紹介します。

Google「Pixel 9a」&「Nothing Phone (3a)」実機レビュー / ガジェット通信LIVE #195
https://www.youtube.com/live/47hdEobZahY[リンク]

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

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