<レポート>ちゃんみなが語る“イメージを無くすこと”の重要性【YouTube Japan Women in Music with ちゃんみな supported by Billboard Japan】
音楽のフィールドで活動する女性をサポートするプログラムをそれぞれ展開してきた、YouTube JapanとBillboard JAPANが共同で行うイベント【YouTube Japan Women in Music with ちゃんみな supported by Billboard Japan】が、2025年3月27日に東京・Google 渋谷オフィスにて開催された。
【YouTube Women in Music】は、音楽業界において多様性に対する意識の変化を起こしていくことを目指したプログラム。2023年の3月からスタートしたこの取り組みは、カンファレンスやグループ・ディスカッションなど、ジェンダーギャップを中心とした多様性について議論していく機会を設けてきた。
まずは、モデレーターを務めるYouTubeアーティストリレーションズの佐々木舞氏のもと、このイベントに協力している各社の取り組みが紹介された。Billboard JAPAN編集長の高嶋直子はアメリカを含む各国のビルボード・パートナーの取り組みについて話し、TuneCore Japanの新妻里華氏は、自社のサービスを利用するアーティストの収益を分析すると女性アーティストの組数が年々増加していると発表。また、The Orchard Japanのヴァイス・プレジデント増田雅子氏は、自身と佐々木氏も実行委員として参加している『CEIPA x TOYOTA GROUP “MUSIC WAY PROJECT”』(※1)を紹介。海外で活躍する人材を育成するためのセミナー等を7月以降に予定しており、男女の参加比率を50:50にしていきたいと場内に呼びかけた。
続いて、今回のゲストスピーカーである、ラッパー/シンガーとして活動しながら、ガールズグループ“HANA”のプロデューサーとしても注目を集めるちゃんみな、そしてマネージャーの山?氏が登壇。世代や立場を超えて共感を集めたガールズ・オーディション【No No Girls】の話や「多様性とは何か」などをテーマに、トークが繰り広げられた。
まずは、【No No Girls】を通じて社会の問題をどのように変化させていきたいと考えていたかという質問に対し、ちゃんみな自身はデビューした当時から思考に変化はなく、「報われるべき才能が報われ、頑張った人はその対価をいただくべき。パワーやお金が勝つ時代は終わらせたいと感じていた。それを参加したみんなや見てくださる方も含めて感じてくれたのではないか」と答え、【No No Girls】が大きな共感を生んだ理由について語った。
身長・体重・年齢・国籍などの制限が無いという、前例の無いオーディションだった【No No Girls】。そもそも多様性とは何かという話題では「多様性は、見た目やジェンダーなど全てを受け入れることではないと思う」と話し、キャリアアップを経て自身の立場が変わっていく中で、周りからの扱いの変化を体験してきたからこそ「相手が持つその人のイメージで話しかけられることが、その人の選択肢を失わせてしまう」と指摘。「女性に対するイメージ、男性に対するイメージ、20代に対するイメージ…、みなさんもイメージとして対話されてきたことがあったと思う。このイメージを、みんなで一度無くして、この人はどういう人なんだろうという眼差しで人と接してみることを提案したい」と語った。山?氏は「多様性とはこれだという、決まった回答はなかなか無い。自分自身でも何なんだろうと考えているけど、みなさんの意見も聞きたい」と会場に問いかけた。
さらに、日本における国や人種の多様性の話題では、日本のアイデンティティを大事にすることが重要と指摘。「皆さんの目指す世界とはどこなのか、世界はあなたなんです。みんなが思う世界に無理やり当て込むのではなく、私たちが持つアイデンティティを崩さずにそのままで世界中に注目されることより素晴らしいことは無い。モノマネではなく、本物でありつつも、それが注目される時代をみんなで作っていくのがいいのでは」と話し、音楽をグローバルに展開していくムーブメントが起こっている中で、何を目指していくのか、改めて考えるべきと述べた。
イベントの最後には、会場からの質問に回答。「今後の日本の音楽業界に期待するところは何か」という問いかけに対し、「オリジナリティ。日本はすごくユニークだから、そのユニークさをどれだけアートに落とし込んで、自分たちのものにしていくか期待したい」と答えた。また、『AERA』のインタビューで “社会にはおかんバイブスが必要”と話していたことが大きな反響を生んだが、そう思った経緯について質問されると、「妊娠中、大変だったときにいつも助けてくれたのは“おかんバイブス”だった。“おかんバイブス”は世界一」と回答。「みなさんも心におかんを宿してほしい」という言葉には拍手が起こり、盛り上がりを見せ本イベントは終了した。
Text:Sakika Kumagai
Photo:大城為喜
Make-up:Yuko Nozaki
Hair:Yuta Kitamura
Stylist:Shohei Kashima
Stylist Assistant:Rei Ohtani
◎イベント情報
【YouTube Japan Women in Music with ちゃんみな supported by Billboard Japan】
2025年3月27日(木)東京・Google 渋谷オフィス
※1『CEIPA x TOYOTA GROUP “MUSIC WAY PROJECT”』とは
音楽業界の主要5団体により団体の垣根を越え設立された般社団法人カルチャー アンド エンタテインメント産業振興会(CEIPA)とTOYOTA GROUPが手を組み、本質的な日本音楽産業のグローバル化、持続的な成長支援・推進する共創プロジェクト
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