<ライブレポート>Nissy、史上初となる2度目の6大ドームツアー開催――こだわり抜かれたパフォーマンスを見せた東京ドーム公演

 Nissyが、2月19日と20日に【Nissy Entertainment “Re:10th Anniversary Final” BEST DOME TOUR】を東京・東京ドームにて開催した。

 2022年に開催した、ソロアーティストとして史上2人目の6大ドームツアーとなった【Nissy Entertainment 4th LIVE ~DOME TOUR~】から約2年。今回はソロアーティストとして史上初となる2度目の6大ドームツアーとなり、2024年11月より埼玉、愛知、大阪、福岡、東京、北海道の6か所で計11公演が敢行された。本稿では東京ドーム1日目、2月19日公演の模様をレポートする。

 ライブ前半は、事前に公開されたトレーラー映像のストーリーに沿って展開された。魔法を使い人々を幸せにする一方、誹謗中傷を浴びることになり、次第に心を病んでしまうNissy。そんなときにパク・ミニョン演じる女性と出会い、幸せな時間を過ごすが、彼女にはタイムリミットがあるーー映像は「この結末は Nissy Dome tour会場で・・・」というメッセージで、ミステリアスな展開のまま終了する。

 VTR映像とともに、映像の中から出てきたかのように黒いマント姿のNissyがステージに現れ、「SLAVE」でライブの幕を開けると、冒頭からストーリーや音楽に合わせた豪華な演出に、観客はあっという間に世界観に引き込まれていく。特に印象的だったのは、「星の向こうまで、二人で見に行きませんか?」というセリフから始まった「Rendezvous」。ビジョンに星空のような映像と二人の思い出が流れていき、ステージやアリーナ席を取り囲む噴水が上がる。ストーリーの中で花火を見る二人と連動し、会場にもカラフルな花火が上がり、まるで会場全体がストーリーの中の世界に入り込んだような演出が幻想的だった。

 その後も、突然女性が消えてしまい取り乱すNissyのVTRから「When You Were Mine」で圧巻のダンスパフォーマンスを披露すると、涙を流す女性のVTRから「Don’t let me go」を、哀愁あるメロディーと情緒的な歌声で聞かせる。ストーリーの山場でもある、彼女が実は10年後の未来からNissyを助けに来たという感動的なシーンの後の「愛tears」では、彼女が光りに包まれて消える映像とともに会場中に風船が浮かび上がり、そのこだわり抜かれた演出にため息のような歓声が上がった。そして、愛し合っていた記憶を取り戻した二人のハッピーエンドとともに「WISH」で前半が終了。ストーリーと連動した特別なパフォーマンスで、曲に込めたメッセージを、より堪能できる時間となった。

 エモーショナルな雰囲気の前半から一変。チョコレートプラネットとともにTT兄弟のネタをする映像が流れ、会場中が笑いに包まれると、バギーに乗ったNissyが登場。辰の着ぐるみに今年の干支をモチーフにしたのか、首にはヘビのぬいぐるみを巻いた姿で変顔をしたりおちゃらける姿。先ほどとは打って変わって、見る人を飽きさせないバラエティな表情に、さすがのエンターテイメント魂を感じた。

 「DANCE DANCE DANCE」で後半戦をスタートし、チアダンサーたちと会場のバイブスを高めると、「Playing With Fire」からのメドレーで、ダンサー&バンドメンバーとともにキレッキレのパフォーマンスを披露し観客を魅了。「The Days」では、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンから『PEANUTS』のスヌーピー、ルーシー、チャーリー・ブラウン、『セサミストリート』よりエルモ、クッキーモンスター、バート、アーニーが登場し、Nissyとともにトロッコで会場をまわり、まるでパレードのような空間に。「トリコ」では骨子部分が光るビニール傘を使った演出を見せ、曲ごとに魅せるワクワクが止まらないパフォーマンスに観客も歓声とコールで応えた。そして、最新アルバム『HOCUS POCUS 4』から「Mr.Trouble」「そうしようか」を披露し、軽快なダンスポップを響かせ、本編が終了した。

 会場中から「Nissy!」とアンコールを求める声が上がり、なんと気球に乗ったNissyが登場。「Relax & Chill」で心地よい歌声を響かせ、ファンに手を振りながら「さっきよりちょっと近くなったでしょ?」と嬉しそうな様子に、会場は温かな雰囲気に包まれた。

 MCでは、「いろんなことが積み重なって今日出会えたこと、皆さんの1日をお借りして私のエンターテインメントを聞いてくれていること、肌で感じてくれていること、本当に感謝しています。ありがとうございます」とファンへ真っ直ぐな思いを伝えた。その後は、前回のツアーではMC時間が長くなってしまったことを踏まえ、今回のMCは制限時間を設けていると言いながらも、「時間ってなんでできたんですかね? 知らないですね」とおしゃべりタイムを挟み、MCもNissyの色全開でお届け。終始会場中がハッピーな雰囲気だったが、会場からの「愛してる!」の言葉に「君に両想いをあげられるよ」(ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』での名セリフ)が投げかけられ、会場からは悲鳴に似た歓声が上がり、MCも楽しさマックスな時間となった。

 ラストのパフォーマンスでは「LOVE GUN」「SUGAR」と次々名曲が放たれ、「My Luv」では再び『PEANUTS』と『セサミストリート』の仲間たちが登場し、大盛り上がりを見せた。最後まで感謝と愛を伝えながらこれにてライブが終了、かと思いきや、「これを歌わずに終わっていいんですか!?」とNissyが再び登場し、ソロデビュー曲「どうしようか?」を披露。「私が生きることも諦めようと思ったときに浮かんだ言葉が『どうしようか?』でした。自分に問いかける言葉です。皆さん、ちゃんと自分のことをしっかり愛してあげてください! ありがとうございました!」

 あまりの楽しさに3時間半も時間が経過していることを忘れてしまう圧巻のエンターテインメント・ショーを見せたNissy。ラストには、このツアーを作る過程で悩み、苦しむリアルな姿を映した映像が流れ、ソロアーティストとして2度も6大ドームツアーを行うという史上初を成し遂げたことの凄さを改めて実感させられた。それとともに、ライブを通して音楽への飽くなき探求心と人を笑顔にしたいというエンターテインメントへの強いこだわりを感じさせたNissyの、次なる試みが楽しみになる夜だった。

Text by Sakika Kumagai
Photo by 田中聖太郎

◎公演情報
【Nissy Entertainment “Re:10th Anniversary Final” BEST DOME TOUR】
2024年11月16日(土)埼玉・ベルーナドーム(西武ドーム)
2024年11月17日(日)埼玉・ベルーナドーム(西武ドーム)
2024年12月28日(土)愛知・バンテリンドーム ナゴヤ
2024年12月29日(日)愛知・バンテリンドーム ナゴヤ
2025年1月18日(土)大阪・京セラドーム大阪
2025年1月19日(日)大阪・京セラドーム大阪
2025年2月1日(土) 福岡・みずほPayPayドーム福岡
2025年2月2日(日)福岡・みずほPayPayドーム福岡
2025年2月19日(水)東京・ 東京ドーム
2025年2月20日(木)東京・ 東京ドーム
2025年3月15日(土)北海道・札幌ドーム

<セットリスト>
1.SLAVE
2.Get You Back
3.Luv Your Smile
4.Time To Party
5.Rendezvous
6.When You Were Mine
7.Don’t let me go
8.愛tears
9.WISH
10.DANCE DANCE DANCE
11.Playing With Fire
12.The Eternal Live
13.Addicted
14.Trippin
15.SPACESHIP
16.Double Trouble
17.Liar
18.The Days
19.トリコ
20.Mr.Trouble
21.そうしようか
En1. Relax & Chill
En2. Girl I Need
En3. まだ君は知らない MY PRETTIEST GIRL
En4. GIFT
En5. LOVE GUN
En6. SUGAR
En7. My Luv
W En. どうしようか?

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