ユニバーサル・ミュージック・グループ、アーティストとクリエーターの「デジタルパスポート」としてISNIを導入
ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)が、音楽を含むコンテンツ制作に関わる公的な人物を識別するための国際標準名称識別子(ISNI)を導入したことが現地時間2月25日に発表された。
ISNIは、アーティスト、ソングライター、プロデューサーなどの音楽関係者にとって「デジタルパスポート」として機能し、音楽メタデータのエコシステム内での正確な識別とクレジットを確保する。この識別子は、音楽録音のためのISRCや書籍のためのISBNなどの他の識別子を補完し、UMGの内部記録をIPNやIPIなどの著作権管理団体の識別子とリンクさせる役割を担う。これにより、クリエイターの作品や収益源の統合的な視点が提供され、発見性が向上し、ライセンス、配信、著作権使用料の回収がより簡単になる。
UMGとISNI国際機関(ISNI-IA)との提携は、音楽業界にとって大きな一歩であり、UMGはこの規模でISNIを統合する初の主要レーベルの一つとなる。UMGは公式ISNI登録機関として、過去5年間のUMGリリースに関わるアーティスト、ソングライター、ミュージシャンを含む10万人以上のクリエイターにISNIを割り当てた。
ISNIの目的は、同名のアーティスト間の混同を減らし、デジタルサービスプロバイダーのメタデータ管理を簡素化することにある。ISNIは、パフォーマー、プロデューサー、その他の共作者にも適用される。
UMGのプロセス・イノベーションおよび先進業務担当シニア・バイスプレジデントであり、DDEX(デジタルデータ交換標準化団体)の議長でもあるキム・ボーシャンプは、「この提携は、すべてのクリエイターが正しく認識され、その功績が正当に評価されることを保証するという当社の取り組みを体現しています。ISNIを当社のシステムに統合することで、クリエイターを支援し、業界に新たな基準を設定します」と述べた。
ISNI-IAのエグゼクティブ・ディレクターであるティム・デヴェンポートも、「これは音楽分野におけるISNIの大きなマイルストーンです。UMGの広大なカタログと、正確なクリエイター識別に対する取り組みは、業界全体の改善と認知度向上を促進し、アーティスト、権利者、サービスプロバイダーすべてに利益をもたらします」と語った。
◎識別子の概要
ISRC(国際標準レコーディングコード)
・音楽録音やミュージックビデオに割り当てられる12桁の英数字コード
・「デジタル指紋」として、販売、ストリーミング、ラジオでの再生などを追跡
・各プラットフォームやサービス間での正確な識別と管理を促進
ISNI(国際標準名称識別子)
・コンテンツ制作・配信に関わる個人や組織を一意に識別するグローバル標準
・適切なクレジットの付与を保証
・異なる識別システムを接続し、クロスリファレンスやデータ管理を支援
IPN(国際パフォーマー番号)
・パフォーマーとその作品への貢献を識別するためのユニークなID
・著作権管理団体が権利・使用料を管理するために使用
・パフォーマーが適切なクレジットと支払いを受け取るのを支援
IPI(利害関係者情報)
・ソングライターや音楽出版社を識別するための9~11桁の国際識別子
・著作権管理団体がクリエイターと楽曲を紐付けるために使用
・演奏の追跡や著作権使用料の分配を正確に行うために活用
ISWC(国際標準音楽作品コード)
・楽曲を識別するための一意かつ永続的な参照番号
・タイトル、クリエイターとその役割、派生作品などの情報を含む
・著作権管理団体、音楽出版社、DSPによる適切な報酬支払いのために使用
関連記事リンク(外部サイト)
【MUSIC AWARDS JAPAN】ボカロ楽曲を表彰する部門創設 ボカコレランキング&ニコニコ VOCALOID SONGSからノミネート作品を選出
【2025 CEIPA 音楽5団体合同新年賀詞交歓会】開催、石破総理「政府としてお手伝いをしてまいりたい」
LDH JAPAN、星野康二氏、茨木政彦氏を迎え新ブランド”LDH Animation”を設立

国内唯一の総合シングルチャート“JAPAN HOT100”を発表。国内外のオリジナルエンタメニュースやアーティストインタビューをお届け中!
ウェブサイト: http://www.billboard-japan.com/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。