【インタビュー】吉村界人、「もう一度立ち上がろうとする主人公の姿に響くものがあった」 映画『Welcome Back』でボクサー役
青春群像劇『高崎グラフィティ。』の川島直人監督の最新作、『Welcome Back』が全国順次公開となる。新人ボクサー・テルと彼に心酔する純粋無垢なベンの強い絆と変わりゆく関係性を、圧巻のファイトシーンとともに描き出すボクシングロードムービーだ。昨年、Netflixドラマ『地面師たち』も話題になったテル役の吉村界人にインタビューを行った。
ーーこの『Welcome Back』、ボクシング映画ではありますが、登場人物たちの心情が丁寧に描かれていて、人間ドラマとしても見応えがありました。
普段日本映画であまり観るような感じの内容ではなかったので、面白かったです。川島監督らしさというか、ちょっとクサくもあり、分かりやすいもの、社会的に大きなものに背を向けたくなる感じ、テルみたいなヒールのような感じがよく出ていると思いました。アーティストっぽい感じでもなく、みんなが右に行くならオレは左を行ってみるかと、そういう精神を物語に感じました。
ーー挫折して人間関係も変わっていく主人公を演じられて、個人的に響いたテーマなどはありますか。
すごい才能で駆け上がっていたけれど、試合で負け、自暴自棄な感じになる。一度は辞めたけれど、また挑戦しようとする。負けに逆らっているような精神性は響きましたね。
ーーそれはそう思うことがあるから自身と重なったのでしょうか。
僕も(俳優業を)真面目にコツコツやっていくタイプではなかったのと(苦笑)、紆余曲折あった中で今も必死でやっているなかなので、響くものがあったのだと思います。20代前半の頃はまわりに人がいたけれど、徐々に離れていき、今はもう1回やるかみたいな感じが、ですかね。みんなが近寄って来る時と、みんなが離れる時っていういのが、僕なりにですが経験としてあったので、それもあって響いたのだと思います。
ーー切なく残酷ですが、仕事をしていればあるあるの話ですよね。
ただ、シンプルな話ではあります。勢いがある時は手を差し伸べてくれるけれど、勢いがなくなったりたとえば悪い噂が付いて回ると、人って触れたくなくなるものじゃないですか。すごくシンプルだなって思います。
ーーベン役の三河悠冴さんとの共演はいかがでしたか。
尊敬しています、同世代で素晴らしい俳優だなと思います。インプット量がすごい。お芝居に限らず、音楽、映画、書籍と教えてもらいました。博識なんです。あんな人はあまりいない。人間的にも人のいいところを探すことが得意なんです。僕はすぐあれはなんとかだとか口に出しちゃうけれど(苦笑)、三河さんは全然違いますね。
ーーこの『Welcome Back』、主演として大任を終えてみての感想はいかがですか。
映画の制作は、大変だなと思いました。僕らの1本と監督の1本は全く違うんですよね。だから失敗したら大変だなって撮影の途中くらいから感じました。僕らは休憩中とかに次の現場の話をするけれど、監督はそうじゃない。次がすぐ決まっている監督もいますが、そうじゃない場合、そりゃ監督を信じるしかないよねって思います。なのでまわりがみんな「主演の界人が引っ張ってやらないと!」とは言ってましたね。
ーー映画を楽しみに待っている方には何と言ってお届けしますか。
映画って映画館を出た後に、顔がちょっとにこやかになればいいと思うんですよね。社会貢献になるような映画は違うポジションの方がやればいいですし、この映画を観て聖人君主を目指そうと思う人もいるかも知れないですが、僕はあんまりそうは捉えていないんです。こういう価値観の、いい意味で時代遅れの男もいるなと。そう思っていただければ。
2025年1月10日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
©2025 GunsRock
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