スポーツ庁の「Sport in Life推進プロジェクト」の一環で2024年11月9日、走らないサッカー「ウォーキングフットボール」イベントが千葉県の高円宮記念 JFA夢フィールド を会場に開催されました。当日はサッカー元日本代表の岡野雅行さんや佐藤勇人さん、サッカー女子元日本代表の小林弥生さん、宮間あやさんがゲスト出演。4歳から71歳までの約90人が16チームに分かれ、熱戦を繰り広げました。
“走らない”イベントに、野人・岡野がダッシュで登場
スポーツ庁が取り組む「Sport in Life プロジェクト」では、スポーツを生活習慣の一部として一人でも多くの方がスポーツに親しむ社会の実現をめざし、地方公共団体、スポーツ団体、経済団体、企業等が一体となって、スポーツ人口の拡大を推進しています。
同プロジェクトの一環として開催されたのが、今回の「Sport in Life ウォーキングフットボールDay」。老若男女問わず参加できる“走らないサッカー”で、スポーツに親しみました。
冒頭、スペシャルレジェンドゲストとしてサッカー元日本代表の4人が紹介されました。現役時代、並外れた俊足で“野人”とも称された岡野雅行さんは“走らない”イベントにダッシュで登場。「今日はウォーキングサッカーということで走っちゃいけないんですよね。何のために僕を呼んだんですか?(笑)ただ、今ダッシュしておきましたけども。でも今日は本当に皆さんと楽しくやりたいと思います」と会場の笑いを誘いました。
日本代表クラスしか使用できないピッチで楽しく身体をほぐす
会場となったのは日本代表クラスしか使用できないJFA夢フィールドのピッチ。和やかな雰囲気の中、参加者らは音楽に合わせてダンスを取り入れた準備運動で楽しく身体をほぐしていきます。
いよいよ試合開始!走るのを“我慢”するほど白熱したゲームに
4歳から71歳と幅広い年齢の参加者が集い、16チームに分かれていよいよ各試合が開始。はじめて会ってチームを組む参加者らも、「これ、楽しいね」「こっちだよ~」と声を掛け合いながら試合を進め、競技中にはハイタッチを交わす場面も。
ウォーキングフットボールの魅力のひとつがフェアプレー。フェアなプレーや思いやりをもったプレーをした選手には「グリーンカード」が掲げられるという特徴があります。
参加者らはゆったりとしたスローな音楽に合わせて歩きながら行うフットボールを、フェアプレーで楽しんでいる様子。一方、中には白熱した試合の中で「あ、走っちゃダメだったんだ」と、走るのを“我慢”する姿も。
元日本代表も苦戦⁉宮間さんはまさかのハンド、佐藤さんはオウンゴールも
和気あいあいと、時には白熱したゲームが展開される中、元日本代表選手らも少々苦戦の模様…。宮間あやさんはまさかのハンド、佐藤勇人さんはオウンゴールをしてしまうシーンも。
佐藤さんは「フットサルも男女混合でできるスポーツだけど、ウォーキングフットボールはボディコンタクトが無いぶん、よりフェアな感じ。みんなとの協力がより必要で、優しくていいスポーツですね」と魅力を語っていました。
岡野さんは「なんで走れないの?つらいね。サッカーって走るのが辛いけど、走れない方がつらい(笑)。みんなで協力して汗をかくのは楽しい。みんな上手いね!」と“野人”らしいコメントをしていました。
1位は古希を迎えた2名が在籍する「追浜クラブ」
決勝戦は同点で決着がつかず、ミニフットゴルフ対決で勝敗を決めることに。試合を制し、1位に輝いたのは「追浜クラブ」。古希を迎えた2名が在籍する5名の少数精鋭チームで、神奈川県横須賀市を拠点に定期的に活動しているチームです。
2位は「みすとらるFC」。同チームの代表は聴覚障害を持ちますが、「それでも楽しくできるスポーツとして広めていきたい」と話しました。
小林さん「サッカーに引退はない」、宮間さん「サッカーを通じて交流できてうれしい」
一般参加者はもちろん、ゲストもウォーキングフットボールの魅力を存分に味わった様子。
閉会式で宮間さんは「走るサッカーをプレーしてきた身として、こうしたウォーキングフットボールの取り組みを通して、より多くの皆さんと、サッカーを通じた交流ができて嬉しい」とコメント。小林さんは「現役を引退、という言葉はあるが、サッカーに引退はないと思っている。ウォーキングフットボールを通じて、これからも一緒に皆さんとサッカーを楽しんでいきたい」と話しました。
また、岡野さんは「ウォーキングフットボールは初めて。僕は走るのをうりにしてきたから走れないのはどうなのか、とはじめは思っていたが、やってみると非常に楽しかった。これを縁にして、これからも皆さんと仲良くしたい。ぜひ日本のサッカーも応援してほしい」と呼びかけ、佐藤さんは「一人一人が無理をしないで協力しながら楽しむ、というウォーキングフットボールは、人生にも似ていると感じる。頑張りすぎてしまう今の社会の中で、自分自身のできることをお互い協力してやっていくのは、大切なことだと学んだ」と語りました。
子どもから大人まで、性別や障害の有無にかかわらず楽しめるウォーキングフットボール。生涯スポーツとして、今後の広がりに期待が寄せられます。