毒グモパニックホラー『スパイダー/増殖』の魅力とは? 木村昴インタビュー「気持ち悪い…かと思いきや、感動するんかい!」

過去20年間のフランス・ホラー映画で初登場第1位を記録し、スティーヴン・キング、サム・ライミ監督大絶賛の、新鋭セヴァスチャン・ヴァニセック監督による毒グモパニックホラー『スパイダー/増殖』(原題:Vermines)が、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開中です。

本作は、主人公カレブが毒グモを手に入れ、そのクモが脱走。カレブたちが住むアパ―トで繁殖・増大し、次々と住民たちに襲い掛かる姿を描いた絶叫必須&スリリングなパニックホラー。日本語吹替版は、主人公カレブ役に木村昴、妹のマノン役には新田恵海、友人リラ役を大橋彩香が担当し、11月1日より一週間限定の上映となります。

本作の魅力について、サバイバルな状況に陥ったらどうするか?!など、木村昴さんにお話を伺いました!

――本作はフランスで大ヒットを記録した毒グモパニックホラー映画となっていますが、木村さんご自身はホラーはお得意ですか?

ホラーの種類にも色々あるじゃないですか。“ヒトコワ”系のものだったり、グロい作品は観られるのですが、得体の知れない幽霊、ゴースト系のやつが超苦手なんです。あと海系、水系は苦手ですね…。サメとかワニとか怖いですよね。それでいうと、これまでは虫系って全然抵抗無かったんですけど、この作品はめっちゃ怖かったです!クモって気持ち悪いんだなって!

――分かります、私もクモって苦手では無かったんですけど、本作は妙にリアルで…。

すごい気持ち悪かったですよね!なんでこんにな怖いのかな?と思ったら、デカいはデカいけど“実際にいそうなデカさ”だからですよね。僕が過去に観たスパイダー系の映画はトラックぐらいデカくなっちゃったりとか、車のボンネットくらいだったり。そこまでいくと、ぎゃー!となりつつ、どこか冷静に観られたけど、本作のクモはワンチャンいそうだなって。縁起物だから殺さない方が良いと言われることもあるクモですけど、これからは考えちゃいますね。

――おっしゃるとおり、いわゆるモンスターパニックじゃないんですよね。しっかりと怖いし人間ドラマでもありました。

そこが見どころですよね! 増殖ってついているし気持ち悪いんだろうな〜と思っていたら、いや、感動するんかい!いや、キャラクターしっかり描いてるんかい!って。映像が凄すぎて笑っちゃうけど怖いみたいな作品の魅力もありますけれど、本作はリアルな怖さがありました。昔は親友だった2人がとある事情により疎遠になっていて、とか家族と今一緒にいない背景などはしっかり描かれているので、怖いけれどちゃんと感動出来るというか。そこが魅力的だなと思いました。僕が日本語吹替を演じさせてもらったカレブも物語の冒頭と最後では全然表情が変わっているし、人間の成長物語でもあるんだなって。
見方によっては、クモはもはやもうサブキャラというか、これが別に他の虫でも彼は成長したんだと思います。とにかくキャラクターたちが非常に魅力的なところがこの映画の面白いところだと思います。

――ホラー作品の吹替はエネルギーも使いそうですよね。

マネージャーさんから相談を受けた時に「絶対叫ぶだろうな」と思って、ドキドキしながら「どれくらい叫びますか…?!」と聞き返しました(笑)。アメリカ映画のホラー作品っぽくギャー!!!って感じではないですけれど、叫びのバリエーションが細かいんですよね。悲痛な叫び、驚いた叫び、怒りを含んだ叫びなどを表現することが難しかったです。

――ホラーが苦手でも、木村昴さんが吹替をするならチャレンジしてみようという方もいると思います。そんな方にアドバイスするとしたら、どんな心構えで行ってほしいですか?

可愛いぬいぐるみとか持ってくるのはどうですか?!いや、でもそれくらいじゃ和らがないか…。ビックリするし、気持ち悪いし、泣けるので忙しい映画だと思います。ポップコーンとか食べている暇ないから、ごめん!って感じかもしれません(笑)。あ!今思いついたのですが、クモをイメージした真っ黒のポップコーンとか、フードを出したら面白いかもしれないですね(笑)。あとは蟹の素揚げみたいなやつを出して、劇場の暗闇の中で食べているうちにどんどんクモに思えてくる…っていうのはどうですか?!全然アドバイスじゃなくてすみません(笑)。

――素晴らしいアイデアをありがとうございます(笑)。確かに本作を観ながら蟹の素揚げを食べたら……ですね! なかなか無いと思いますが、この映画の様なサバイバルな状況に遭遇したらどう対応しますか?

戦いますね。なんていうか、負けっぱなしって嫌じゃないですか。以前、実家でゴキブリが出た時に、怖くはないけれど対応しなきゃと思って、でも殺虫剤が無かったのでその場にある道具を駆使しながら退治したんです。この映画でもそうですけど、もっと戦え!!と思ってしまう所はありますね。とにかく常に戦闘体制というか、戦わないと気持ち悪いんです。

――怖いもの知らずでカッコいいです…!では木村さんのフォビア(恐怖症)は何も無いですか?

それが、最近知っちゃった恐怖症があって…閉所恐怖症っぽいんですよね。着ぐるみを着る機会があったのですがそれでパニックになってしまって、すっごく怖くて。ずっと宇宙に行くことを夢にしていたのですが、宇宙服着れないかもって落ち込みました。宇宙服を着ている時に鼻が痒くなっても掻けなかったらどうしよう?!とか考えたら怖くて怖くて。もっと良い宇宙服が開発されたらチャレンジしたいと思います。

――今日は楽しいお話をありがとうございました!

撮影:たむらとも

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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