【究極の美味あり】タダみたいな値段で叩き売られてる未利用魚ボックスは宝の山だよ!

みなさま、ぎっしり魚が詰められて叩き売られてる箱をみたことはありませんか? そう、未利用魚ボックスです。

先日行きつけの魚屋「海鮮市場マルモト」(神奈川県伊勢原市伊勢原1-3-37)で売られていた未利用魚ボックスが宝の山だったのでご紹介したいと思います!

未利用魚ボックス

トロ箱いっぱいに入った魚の中から、田中店長におススメをピックアップしてもらい買ってきました!

実は先日のコバンザメはこの箱にいた子です!

今回の未利用魚ボックスは、成魚だと高値で売られているものの、傷がついていたり、幼魚や若魚のため一般流通に乗せられず、未利用魚として叩き売られている子たちが多かったです。

お値段的には「目当てのコバンザメを買ったらおまけで色々ついてきた!実質0円!」って感じです。

他にイトヒキアジやクロシビカマスも頂いたのですが、捌き方が特殊なので彼らは別記事でレポートしようと思います!

未利用魚紹介

田中店長が名前などを丁寧に教えてくださったのですが、オツムがちょっと弱い私は家に帰る頃には綺麗に全て忘れてしまいました(・∀・;)

以下調べたり自分の知識でご紹介していきますので、間違えていたら教えていただけると嬉しいです(>人<;)

ネンブツダイ

ネンブツダイは全長8cm程度の小魚で、よく釣れるのですが、釣れても捨てられるか釣り餌にされてしまう子ですね( ; ; )

この子たちはウロコも落とさず内臓をピピっと抜くだけの処理で唐揚げにしてみました。

(´~`)モグモグ まず骨が硬ぇ。口の中でぶっ刺さる。そして頭の耳石が砂利みたいでいつまでも口に残る。

ネンブツダイの頭はエビミソみたいな味でそれなりに美味しいものの、砂を噛んでるみたいでいつまでも飲み込めません。ので、頭は落として調理したほうが良いです。

味自体は超濃厚になったタラのような感じで美味しいです。

そして特筆すべきは身の柔らかさ! すり身かと思うほどふんわり柔らかく、口の中で勝手にほどけていきます!

骨が硬くてウザいものの、味自体は濃厚で美味しいので、頭を落として骨まで食べられるように二度揚げにしたら、最高のおつまみになる予感です!

もしくは丸干しにしてチャーハンに入れても良い出汁が出て美味しくなりそうです!

タカベ

タカベは全長20cm程度と小型にも関わらず1尾800円ほど、小型でも400円ぐらいする高級魚です。

なぜそんなに高価なのかというと、「塩焼きの王者」「最高級塩焼き専用魚」と呼ばれるほど美味しい魚だからです! 関東では夏の風物詩にもなっていますね!

小型とはいえタカベが未利用魚ボックスにいるなんて驚きですよ……! 流通に乗せられないからと破棄されずに出会えて良かった(><。)

タカベは塩をふって1時間ほど冷蔵庫で寝かせてからグリルで焼き上げました!

若いので脂のノリが少なく、絶頂期の脂がしたたり落ちるタカベを想像して食べるとズコーとなってしまいます。

が、焼いても硬くならない柔らかい身質で、噛み締めるごとに旨味がじんわり広がり美味しいです!

サッパリしたサンマのようなお味でした!

イボダイ

このいかにも「シズさん」と呼びたくなるような愛らしい丸顔(イボダイは「シズ」という美しい女性に似ていたため「シズ」の愛称でも呼ばれています)、薄くてシワシワの皮膚。

イボダイだと思うのだけど、イボダイの特徴であるエラブタ後ろの黒い斑点が落ちてしまっていて自信が持てない……うっすら斑点らしきものが見えるからイボダイじゃないかなぁ……

▼イボダイの特徴のエラブタ後方の黒い斑

もしかするとイボダイにそっくりなオオメダイ科のマルイボダイかもしれない(イボダイはイボダイ科)……でもマルイボダイは情報がほとんどなくて明確な違いが分からない……マルイボダイはそれだけ珍しい希少魚のようだし、これはイボダイでしょう! たぶん。

ちなみに干物で有名なイボダイですが、超をつけてもいいぐらいの高級魚です。小売り価格でキロ5000円ぐらいするんじゃないかしら?

いくら若い小型だからってなんで君がこんなところにいるのかね? 未利用魚ボックスまじやべぇ。

というわけでイボダイはお刺身と塩焼きにしてみました。
まずはお刺身からいただきます(。・н・。)パクッ

思わず眉間にシワがより顔をしかめてしまった……旨すぎて。

サクサクの歯ごたえで甘味が強く、白身魚の上質なうま味が濃いです。

鯛と甘えびにアジの豊かなうま味を合わせたような味わいでしょうか。そこにほんの少しだけ青魚っぽい野性的な皮目の香りがのり、それがまたアクセントになって良いのです。

単調ではなく計算されたフルコースのように、噛むごとに複雑なうま味がじわーっと広がります。

これは絶句ものの旨さ……一晩寝かせたオオニベの刺身以来の衝撃です。
(オオニベの食レポ記事はコチラです→https://getnews.jp/archives/3538278[リンク]

続いてイボダイの塩焼きを頂きます。

言うまでもなくとんでもなく美味しいです。

味も食感も鯛とアジの良いとこどりみたいな感じで、ふっくらしっとりしつつ繊維質で噛み応えがあり、噛み締めるほどに旨みがあふれてきます!

これはヤバい、ため息が出るほど美味しい。洗練された匠の技みたい美味しさ。

魚介類界のゴッドファーザー・ぼうずコンニャク氏が「究極の美味」と評しているのにも納得です!
(ここまで言っておいてこの子がイボダイじゃなかったらどうしようw)

カンパチ

カンパチ……の幼魚のショゴ……たぶん……

「ブリ御三家」のブリ、カンパチ、ヒラマサ3兄弟は見分けるのが激ムズです。

でもカンパチは御三家の中でも見分けレベル最弱だし、特に幼魚は黄色がかってるから、これは間違えてない! ……はず。

カンパチは頭から目にかけて斜めに、正面から見ると「八」のような暗色の帯がある(眉「間」に「八」があるから「カンパチ」です)ので見分けるのは比較的簡単ですが、ブリとヒラマサは本当にムズイです(・∀・;)

暇な時は見分けクイズやると楽しいですよ。

カンパチはお刺身で頂きます。

これもヤバいね、顔が歪む。旨すぎて。えっ? 成魚のカンパチよりも美味しいんじゃない?

ふんわり柔らかくトロける食感でうま味が濃い! そして甘味もある!

ベースは上品かつ濃厚な白身魚だけど、血合いはマグロっぽい味で、皮目に青魚の野性的なうま味と香りがあって一度で三度美味しい!!

カンパチは青魚の王と言われるだけあるよね。文句のつけようがなく美味しいです。

うりぼう

うりぼうはイサキの幼魚です。梅雨~初夏にごっそり獲れるので「ごっそり」とも呼ばれてます。

高級魚である成魚のイサキと味はほとんど変わらないのに、この子も捨て値で売られてしまう魚の代表ですね。

うりぼうは過去に様々な調理法で食べ比べしておりますので、よろしければそちらをご覧ください!
https://getnews.jp/archives/3541920[リンク]

特にウロコを落とさず調理した南蛮漬けがめちゃくちゃ美味しいです!

未利用魚ボックスの評価

星5 ☆☆☆☆☆

文句なしに星5です!

幼魚・若魚が主なボックスだとちょっと捌いたり処理が面倒くさいけど、色々な魚を食べ比べするのは楽しいし、なかなか買えない高級魚も気軽に試せて非常に良いです!

食べたことない成魚は「口に合わず食べきれなかったらどうしよう」と買うのを躊躇することがありますが、こういう幼魚・若魚未利用魚ボックスだったらそんな心配なし!

本当になんでもっと普及しないのか不思議でならないです。選別コストがかかるのかしら?

私以外にも欲しい人はたくさんいると思うので、未利用魚ボックスがもっと広まるといいなぁと思います。

※画像は全て筆者撮影

海鮮市場マルモト
https://www.0-to.com/[リンク]

ぼうずコンニャク氏の市場魚貝類図鑑
https://www.zukan-bouz.com/[リンク]

(執筆者: ゆずくん)

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