【三方五湖観光コース】景色&絶品うなぎも。福井県若狭への旅
こんにちは。トラベルフォトライターの土屋香奈です。今回は、北陸新幹線延伸を記念して、福井県・若狭エリアにある「三方五湖(みかたごこ)」へ行ってきました。
三方湖・水月湖・菅湖・日向湖・久々子湖の5湖から成る三方五湖は、サイクリングで観光するのにぴったり! 名物のうなぎを食べたり、湖の美しい景色を堪能したり。1泊2日で楽しめる三方五湖の観光コースを紹介します。
三方五湖の最寄り駅・美浜駅
サイクリング旅は美浜駅から
東京からJR敦賀駅までは、JR東京駅から北陸新幹線で乗り換えなしの約3時間20分。
敦賀駅から小浜線に乗ってJR美浜駅まで向かいます。
美浜駅に到着。まずは、駅構内の待合室にあるコインロッカーに荷物を預けて身軽になります。
待合室の反対側にある「若狭美浜観光協会」へ行き、自転車をレンタル。普通の自転車をはじめ、電動アシスト自転車、ロードバイクなどの選択肢があり、自分のスタイルや目的に合わせた1台を選ぶことができます。今回は、事前に予約しておいた電動アシスト自転車を1日レンタルしました。(レンタサイクルについて、詳しくはこちら)
三方五湖おすすめ観光コースを紹介
ボートの聖地「久々子湖」へ
いよいよサイクリングのスタートです。三方五湖のうち、今回巡った湖は4つ。地面に描かれた水色の矢印や案内看板を頼りに進んでいきます。
20分ほど自転車を走らせると、久々子湖(くぐしこ)が見えてきました。久々子湖は海につながっており、縦に長い形状が特徴です。
久々子湖では、ボートを漕ぐ人の姿が目立ちました。しばらく走ると、三方五湖最大規模の人工水路「浦見川」が見えてきます。
浦見川は、約360年前、大地震による水害を解決するために開削した水路で、久々子湖と、次の目的地でもある水月湖(すいげつこ)をつないでいます。
三方五湖 水月湖
湖の風景に包まれる「水月湖」へ
浦見川を横目に進んでいった先に現れたのが、2つ目の湖・水月湖です。
今回のサイクリング旅でいちばんのお気に入りのコースとなった水月湖のサイクリングロード。
水月湖周辺のサイクリングロードは湖面を間近に感じながら走れるので、自然と一体になったような開放的な気分を存分に味わえました。
うなぎや 茂右ェ門
三方五湖の名物うなぎでエネルギーチャージ
美浜駅からスタートして2時間ほど、自転車で心地よい風を感じながら進むと、水月湖のほとりにある「うなぎや 茂右ェ門」に到着しました。自転車を漕ぎ続けてお腹がぺこぺこ。一旦ここでランチタイムです。
若狭エリアは三方五湖で捕れる天然うなぎが有名で、湖周辺にはうなぎ店が点在しています。
一般的なうなぎよりも、青みがかかった色と尖った口が特徴的で、「口細青鰻」(くちぼそあおうなぎ)とも呼ばれています。高タンパクのゴカイを食べている三方湖産のうなぎは、脂ののりもよく、栄養価が高いことで知られています。
うなぎや 茂右ェ門で提供される「うな重」は、外はカリッと、中はふわっとした絶品の仕上がり。お店こだわりのタレは、備長炭で焼き上げた口細青鰻の骨を、福井県産醤油をベースにしたタレに漬け込んでつくられています。香ばしいタレと、ふっくらと炊き上げられたご飯がベストマッチ! 疲れも吹っ飛んでいきます。
極上のうなぎもさることながら、レイクビューも見逃せません。水月湖を眺めながらのランチタイムで極上のエネルギーチャージとなりました。
三方五湖 三方湖
梅と歴史に触れる「三方湖」
うなぎや 茂右ェ門から10分ほど自転車を走らせると、3つ目の湖「三方湖(みかたこ)」が見えてきました。
道中、ずらりと並ぶ梅の木が目に入ります。若狭は日本海側最大級の梅の産地で、その多くは三方五湖周辺で栽培されているのだそう。
先に進むと現れたのが「茅葺きの舟小屋」です。かつては、この舟小屋から舟を出して湖の対岸に渡り、梅の運搬などを行っていたとのこと。
三方五湖 菅湖
野鳥が集まる「菅湖」へ
再び車通りの少ない小道に入ります。緑が生い茂る小道は、まるで緑のトンネル。木々が影をつくるので、快適なサイクリングが楽しめます。
そんな緑のトンネルが急に開け、左手に出現したのが菅湖(すがこ)です。
菅湖は、周囲4キロメートルほどと、三方五湖のなかで最も小さな湖ですが、「特別鳥獣保護地区」に指定されており、オジロワシやオオワシ、カモ類などさまざまな野鳥を観察することができます。
菅湖からまた自転車を走らせ、再び美浜駅に戻ってきました。
今回は撮影しながらゆっくり回っていたこともあり、計7時間のサイクリング旅となりました。時間の関係上、4つの湖しか回ることができなかったのですが、今回訪れることができなかった日向湖(ひるがこ)は、漁村の原風景が残る素敵な湖とのこと。次回はぜひ訪れたいと思いながら、レンタサイクルを返却しました。
若狭美浜温泉 悠久乃碧 ホテル湾彩
新鮮な魚介が自慢のお宿「ホテル湾彩」へ
若狭湾を一望できる「若狭美浜温泉 悠久乃碧 ホテル湾彩」が本日のお宿です。美浜駅からお宿までは送迎バス(2名以上、事前予約制)で約10分。
さっそく、温泉で癒やしのひとときを。
「お肌がつるつるになる」と評判の美肌の湯は、サイクリングで疲れた体をやさしく包み込みます。大きな窓からは若狭湾が一望でき、お湯に浸かりながらオーシャンビューを楽しめるのも魅力です。
夕食は、30種類以上の和食や洋食を楽しめる豪華なバイキング。
特に若狭湾で水揚げされた新鮮な魚介類は絶品で、訪れた際には必ず味わっておきたい一品です。そのほかにも、「若狭牛煮込み」や「梅しそ麺」「ソースカツ」など、福井ならではの味も堪能できました。
2日目の朝。若狭の恵みがギュッと詰め込まれた朝食は、新たな一日の活力を与えてくれます。
福井県年縞博物館
奇跡の「シマシマ」を求めて
お宿をチェックアウトしたあとは、「福井県年縞(ねんこう)博物館」へ向かいます。まずはお宿の送迎バスで美浜駅へ。美浜駅から小浜線でJR三方駅へ向かいます。
乗車時間は10分ほどと短いですが、その間に三方五湖の一部をちらりと楽しめるのでお見逃しなく。三方駅からはタクシーで5分ほど、福井県年縞博物館へ到着です。
福井県年縞博物館では、1日目に訪れた水月湖の湖底に積もった「シマシマ」模様の地層「年縞」を展示しています。
年縞とは、「長い年月の間に湖沼などに堆積した層が描く特徴的な縞模様の湖底堆積物」のこと。(福井県年縞博物館のホームページより。詳しくはこちら)
水月湖の年縞は、その長さが45メートルにも及び、世界一の長さを誇ります。この模様が形成される過程には、7万年間、毎年途切れることなくプランクトンの死がいや花粉、鉄分などが積もり、年縞を形成し続けるという驚異的な自然現象があり、ここまでの長さを誇るのは、世界でも水月湖だけ。まさに「奇跡の湖」なのです。
まずは年縞シアターでの学びからスタート。プロジェクションマッピングを使った映像は美しく、水月湖の年縞が、いかに奇跡的なものであるかを教えてくれます。
年縞について学んだあとは、館内に常駐するナビゲーターのアテンドのもと(※)、2階のギャラリーへと足を運びます。ここでは、水月湖から掘り出した年縞の実物を見ることができるのですが、その壮大なスケールと美しさに、思わず口がポカンと開いてしまいました。
※編集部注:予約は不要ですが、当日の来館状況によります。詳しくは利用案内をご確認ください
実物を見たあとはナビゲーターの解説を聞きながら、展示を回っていきます。水月湖の年縞は、過去の気候変動や火山噴火などの自然災害、人類の歴史を見ることができるほか、世界の歴史の年代を測定する「世界標準のものさし」として、ここでは書き足りないほど興味深い内容が詰まっており、地球の歴史と自然の偉大さを肌で感じることができました。
cafe縞
レイクビューでユニークな食体験を
展示を見終わったあとは、博物館に併設しているカフェ「cafe縞」でランチタイムです。窓から三方湖が一望できるカフェで、絶景ビューと食事を楽しむことができます。
オーダーしたのは、水月湖で行われている年縞の掘削作業をイメージした名物メニュー「年縞SAND」。アボカドやトマトなどが交互に積み上げられ、美しいシマ模様が見事に再現されています。
ユニークなのは、擬似ボーリング調査(地面に細長い筒状の穴を掘削して土をサンプリングする地質調査方法)を体験できること。刺さっている太めのストローを引き抜くと、パンと具材がシマ模様になって出現! この演出には驚かされました。
存分に福井県年縞博物館を堪能したあとは、タクシーに乗って三方駅へ。三方駅から敦賀駅を経由して帰路につきました。「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」は、往路の降車駅(今回は敦賀駅)と復路の乗車駅(今回は三方駅)が別で設定できるので、旅の自由度が高まります。
三方五湖をたくさんの角度から楽しみ、美しい自然景観と歴史の深さに触れ、若狭の美味を堪能。大満喫の1泊2日でした。
東京駅に到着
掲載情報は2024年9月18日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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