【辺境レターズ】第6回 バーカンを語るー下北沢THREE〈後編〉
「デカビールください」
Glimpse Groupベースのツカダサトルです。「バーカンを語る」下北沢THREE、後編です。引き続き、THREEのはじめちゃんにいろいろ話を聞いています。
はじめちゃん(はじめ・ちゃん)
下北沢THREEスタッフ。料理好き。麻雀好き。バンド
下北沢THREE入り口ロゴ。もとは「WEDGE」という下北沢唯一のクラブだったが、2009年で閉店。以降はライヴハウスとして営業する。
前回もちらっと紹介しましたが、THREEでは瓶ビールのほかにサーバーで生ビールを提供しています。ライヴハウスによりますが、ビールはサーバーを置かずに缶や瓶での提供ということも多いです。THREEも一時はサーバーを廃止したこともあったそうですが、今はサーバーで生ビールを注いで提供しています。
で、ワタシは大のルービー党なわけですが、THREEに来れば頼むのはいつも決まってるんですよ。「デカビールください」です。
右、通常サイズ。左、デカビール。「パイント」です
通常サイズのビールは700円で、プラス400円で「パイント」になります(ビール以外も+300円でデカにできます)。ワタシは「パイント」の意味がよくわからないので、いつも「デカビールください」と言ってます。「デカ」とか、「DB」でも通じます。「ビール大盛りで」もいけるかも。すんません、本当いつも。本当いつもすんません。恥ずかしいとは思っています。
※パイントにはUSグラス(473ml)とUKグラス(568ml)の2種類があるようです。THREEはUKグラスを使用。ロング缶のビールよりも少し多いくらい。
はじめちゃん「THREEはカールスバーグの樽を採用してます。瓶ビールはコロナかハートランドです。サーバーの掃除は週に2回くらいで、スポンジ洗浄も行なっています。イベントによっては樽がなくなってしまうこともあるので、必ずもうひとつストックしておくようにしています」
樽から出たビールはシンクのコールドプレートを経由して、蛇口からグラスに注がれます。グラスも常に冷やしてあるので、いつでも悪魔的なアレが飲めるというワケです。にしても、カールスバーグだったの、知らなかった! ちなみにお隣のBASEMENTBARはまた違うみたいですよ。
カールスバーグが注がれる黄金のサーバー。注ぐときはできるだけ泡が立たないように、グラスのへりに沿わせながら45度くらいの角度で注ぐ。グラス底に直撃すると勢いで泡ができすぎてしまうため
「美味そう」
樽は必ずストックをひとつ用意しているとのことですが、稀にそれもなくなることもあるそうです。そんなときはBASEMENTBARのものを借りたり、または瓶ビールで対応することも。イベント中に新しい樽を発注するという荒業もあるとか。
はじめちゃん「瓶や缶のほうが素早く出せるし、ある意味衛生的っちゃ衛生的じゃないですか。でもどちらかといえばTHREEは見栄えとかを取っているということですね。グラスが割れたりという苦労もあるけれど、そういったところでも楽しんでほしいという感じですね」
作っていただいたお酒は撮影後記者が全部飲み干しました。お腹タプタプのタプでしたよ
「バーカンのありかた=ライヴハウスのありかた」と言えるのでは?
さて、THREEならではのバーカンの取り組みをいろいろとご紹介してきましたが、「効率重視」じゃないのがよくわかると思います(とはいえ、提供スピードが遅いなんてこともありません)。ライヴだけでなく、ドリンクも楽しんでもらいたいという思いが、バーカンのスタイルから伝わってきます。これ、ひょっとしてハコの方針にも深く関係してくる話なんじゃないですか……?
はじめちゃん「そうですね。お客さんには入場料のほかにドリンク代を払ってもらっている以上、せっかくなら美味しくドリンクを飲んでもらいたいですしね。それに、うちは演者に対する機材費やノルマなどの、いわゆる“ハコ代”がないライヴハウスです。なので、できるだけドリンクで売り上げたいというのもあります」
ライヴハウスの営業スタイルにもいろんな形があるので、その良し悪しはさておき、「ハコ代なし」で演者、イベンター、そしてお客さんとよい関係を築いていくのは、そう簡単なことではありません。しかし、THREEはそれが本当にうまくいっているライヴハウスのひとつだと思います。
はじめちゃん「シンプルにバンド、イベンターがやりやすい方法でやっているだけですけど、ありがたいことに週末、平日問わずもう先々まで予定が埋まっています。THREEに出たいと思ってくれるバンド、ここでイベントをやりたいという人、そしてそれを観に来てくれるお客さんのおかげで、好循環が生まれている証拠だと思います」
ちなみにこれはワタシの主観ですが、THREEには決して「敷居の低いライヴハウス」というイメージはありません。今でこそよく出させてもらっていますが、まだ東京のライヴハウスに出始めのころは、都内でもイカしたバンドがよく出ている、憧れのハコのひとつでした。
イベンターやバンド持ち込みの企画から、スタッフによるブッキングイベントも、どれも愛にあふれた内容ばかりです
はじめちゃん「イベントが盛り上がることがバーカンの売上にも繋がってくると思います。いい瞬間をたくさんつくることでお客さんも増えて、ドリンクもいっぱい出る。周りにつられてお酒を飲むというのもあると思いますよ。ちなみに、うちは勤務中に飲んでもいいルールなので、バーカンに立っていてお客さんからおごってもらうこともたまにあります。ありがたく飲ませていただくんですが、不思議と勤務中は何杯飲んでも酔っ払わないんですよ(笑)。ただ、自分の企画イベントとかはリミッターが外れてしまうこともあります(笑)」
ドリンクチケットは日替わりでいろんなデザインがあります。「その日の主催者がドリチケを買って、演者に渡したりすることもあります。そういうのもありがたいですよね」
これはやめてほしい! っていうバーカンでの行動ってある? と聞くと「“濃いめでお願いします”は、正直あまり気持ちよくはないかな(笑)。割り材のほうが原価が高いというのもありますが、うちとしてはいちばん美味しい分量で自信を持って出しているので、それを飲んでほしいというのが強いですね」
バーカンからはフロアが見えないちょっと特殊な構造。お客さんとの会話が生まれやすいよう、あえてフロア案内図のようなものは置いていない。これも好循環が生まれるひとつの要因かもしれません
ライヴハウスのスタイルを象徴するもののひとつとしてバーカンがあるのかもと、いろいろと発見のあるお話でした!
ライヴ情報
三つ峠 ライヴ情報
9月27日(金)下北沢BASEMENTBAR & THREE
はじめちゃん × Simmer Pine pre.「最高な日!!」
LIVE:Simmer Pine , Newdums , Salmon Pink , 三つ峠
DJ:GaMoN , Koshin , B.i.C , JORDAN
FOOD:こちゅ飯
OP/ST 18:30
10月6日(日)Rethink Lounge TORANOMON
夢見る港 企画「とってもいいひ」
LIVE:夢見る港 , 三つ峠 , さかゆめ
OP 15:30/ST 16:00
アーティスト情報
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インフォメーション
はじめちゃんpresents
「麻雀勉強塾BAR vol.4」開催!
10月2日(水)15:00~24:00
・食事持ち込み自由
・麻雀卓アリ(手積み)
・賭け禁止
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