名古屋の福祉事業所と老舗お茶屋がコラボ!「3MろW×妙香園」の日本茶商品販売開始
愛知県名古屋市に拠点を置く「障がい者みらい創造センター」は、名古屋の老舗日本茶専門店「妙香園」と共同で、「3MろW(ミムロウ)×妙香園」の日本茶商品を9月1日(日)より妙香園全店舗で販売している。
障がいがある人が直面する雇用の壁
近年、企業の社会的責任や企業の持続的成長のため、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)促進の重要性が高まっている。障がい者の社会参加と雇用促進の側面においても、企業における法定雇用率の上昇や障がい者に対する差別を解消するための法令など、障がい者がより良い労働環境で働けるような取り組みが進んでいる。
一方で、障がいがある人が直面する雇用の壁は依然として高く、特に中・重度の障がいがある人の社会参加には高いハードルがある。適正な報酬を得られる機会が少なく、令和3年度の日本の福祉事業所での平均工賃は16,507円(※)であり、時間給に換算すると223円と国が定める最低賃金と大きな差が発生している。
福祉事業所×老舗日本茶専門店のコラボ
障がい者みらい創造センターでは、現在、名古屋を中心とした12拠点で70名を超えるスタッフとともに300名を超える障がい者を支援している。
障害者の雇用状況を改善し、障がいがある人が自分らしく働き、適正な報酬を得ることを目指して、2月に「3MろW」商品の販売をスタートした。
大正5年創業の名古屋老舗日本茶専門店である妙香園が障がい者の賃金向上活動に共感し、共同で商品を開発。妙香園が厳選した3種類のお茶をティーバックにしており、香り高い日本茶の味を家庭で気軽に楽しむことができる。
「煎茶」、
「ほうじ茶」、
「玄米茶」がラインアップしている。価格は各650円(税別)。
パッケージのアートや茶葉の梱包、発送作業などは、障がい者みらい創造センターが運営する就労継続支援B型事業所の利用者が担当することで、仕事の創出と全国の平均工賃16,507円の200%以上を目指している。
パッケージのデザインは、障がい者みらい創造センターの利用者が描いたものを、デザイン事務所スズキモダンのプロデュースのもと制作。飲料として楽しめるだけでなく、贈り物としても最適なデザインになっている。
梱包や発送作業をするのは、主に重度・中度の知的障がいがある若者で、自分たちのペースで1つひとつ丁寧に梱包している。
「3MろW×妙香園」の日本茶商品は、妙香園本店・栄店・サカエチカ店・サンロード店・あつたnagAya店・トヨタ店にて販売中。また、障がい者みらい創造センターが手掛ける「カフェ magnet」と「店員が気まぐれな喫茶ミムロウ」、ECサイト「みらせんマルシェ」でも販売している。
障がい者の賃金向上を目指す
障がい者みらい創造センター理事長の竹内亜沙美氏は、サービス立ち上げの想いについて、以下のようにコメントしている。
「上記のメモの数字は1か月福祉事業所で働いた卒業生の初めての給与です。1か月頑張って働いて3000円…。それを嬉しそうに報告する彼等を見て、涙をこらえながら『1か月よくがんばったね』と声をかけたことを今でもよく覚えています。
福祉事業所は障がい者支援をしながら、障がいのある方々が行える仕事を確保し、適切な工賃を出していかなければなりませんが、それは決して簡単なことではありません。下請けの下請けとなり、1つ数円、数銭の内職をせざるを得ない事業所も珍しくありません。また、福祉施設は低コストで作業を行ってくれる所と誤った認識をされているケースもあり、フェアトレードの考え方が根付いているとは言えません。こうした日本の現状に問題を感じ、今回茶葉の有名店やデザイナーの方とのコラボレーションを通じて、自社商品の販売をスタートすることといたしました。
この商品をたくさんの方に知って頂き、美味しい飲み物を購入してもらうことで障がい者の賃金向上を達成していきたいと思っております。」
障がい者の仕事創出と全国平均工賃の200%以上を目指す「3MろW×妙香園」の日本茶商品を味わってみては。
障がい者みらい創造センターHP:https://mirasen.org
ECサイトみらせんマルシェ:https://marche.mirasen.org/item/mimrow
※厚生労働省「令和3年度工賃(賃金)の実績について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001042285.pdf
(山本えり)
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