【連載コラム】にじのVypass.探訪vol.1 – 札幌注目のインディーズバンド集結!エモ×ロックの共演〈秋山道場〉
はじめまして。札幌在住の音楽ライターにじです。普段はニュース配信やコラム執筆、楽曲解説などをメディアに寄稿する傍ら、FMコミュニティ放送局にてラジオパーソナリティも務めております。
さて、2024年8月30日(金)に札幌・Vypass.で札幌インディーズバンド企画〈秋山道場〉が開催されました。駆け出しの若手から、キャリアが長いバンドまで幅広い世代の4組が出演。今回、事前知識を持たずに参加させていただいたのですが、バンドごとにジャンルが大きく異なっており、興味深かったです。その中でもとくに私が気になったのは、安達プリーズと僕らはハシビロコウ。
安達プリーズは、国本(Vo.)、坂野(Gt.)、日野(Ba.)、大岡(Dr.)で構成されたロックバンド。中核メンバーである国本と坂野は大学時代からの音楽仲間です。第一音を聴いて感じたのが、荒々しいカッティングとドラムの重厚感にある、“懐かしい青春”です。プログレやテクノのような精密に作り込まれた音楽ではないけれど、ストレートな歌詞とボーカルのシャウトに心が打たれる。観客が笑えるような内容にしながら、心に突き刺さるMCも魅力的。国本曰く、音楽的ルーツにはTHE BLUE HEARTS、GOING STEADYや銀杏Boyzの存在があったとのこと。筆者のオススメ楽曲は「LoveSong is Dead」。人はどこかでコンプレックスを抱えて生きている。ふと立ち止まり、このまま進んでいいのかと迷う時もあるでしょう。過去に囚われ、未来に迷ったときにこの曲を聴いてみてください。人生と向き合う上で持つ生き方はそれぞれにあっていいのだと背中を押してくれる作品です。
そして大トリとして登場した、僕らはハシビロコウ(通称=僕ハシ)。彼らは4人組のポップ・ロックバンドですが、森口(Gt.)の到着が遅れそうとのことで、急遽スリーピースでの登場となりました。僕ハシの魅力はなんといってもポップの根底にある刹那。光と影が交じり合うバンドといえば、日本ではMr.Childrenやサザンオールスターズでしょうか。自分の心に潜む苦しみを代弁してくれるような楽曲があってこそ、前を向いて歩く勇気をもらえますよね。また、パフォーマンスでとくに印象的だったのが、るーと(Vo.)が「大きなハコではないけれども、このような優しい空間に包まれながらライヴをできることが幸せ」と語っていたことです。確かに、ドームやアリーナのようなキャパで行われるライヴではないかもしれない。でも、地域に根付いた小さなライヴハウスだからこそ生まれるグルーヴがあって、あたたかな声援を送る人たちがいる。ラストナンバー「いくつになっても」の旋律に揺られながら、人と人の優しさで繋いできたバンドの在り方を改めて実感しました。
その他、当日はハクアイと六畳半世紀のフレキシブルな2組も出演していました。どちらのバンドも音楽性がユニークで、まだまだ伸びしろがありそうです。さらに!9月20日(金)から22日(日)までの3日間はVypass.で〈WAKAMONO NO SUBETE SPECIAL〉が開催されます。今回紹介した僕ハシはもちろんのこと、面白いバンドが多数出演予定です。札幌のインディーズシーンに興味がある方、この機会にぜひ足をお運びくださいませ。
インフォメーション
Vypass.オフィシャルウェブサイト:https://www.vypass.com/
Vypass.X:https://x.com/VyPass_SAPPORO
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