医療現場に“没入型の自然体験”を|VR/AR活用の患者ケアプラットフォームNovobeing、Brink XRと提携
ゲームや教育、不動産など、多様な分野で活用が進んでいるVR技術。昨今はVRを通じたメンタルヘルス改善トレーニングや催眠療法などが登場しており、医療分野でのさらなる活躍が期待されている。
そんななか、医療向けVR/ARプラットフォームを展開するNovobeingは、バーチャル旅行体験コンテンツを提供するBRINK XRとの独占パートナーシップ締結を発表した。この提携により、Novobeingは自社プラットフォーム内でBRINK XRのフォトリアルなバーチャル環境を提供することが可能になる。
医療向けのVR/ARプラットフォームで、患者ケアを支援
Novobeing(旧:Rocket VR Health)は、2020年に設立された米国スタートアップ。同社の旅は、共同設立者兼CEOのSid Desai氏が、がん闘病中の父親をサポートしたことから始まる。
父親がストレスと不安に耐える姿を目の当たりにしたDesai氏は、精神的な負担を軽減し、困難な入院生活を送る人々のウェルビーイング向上に役立つソリューションを模索するようになったという。
その過程でVR/AR技術の可能性を見出したDesai氏は、ハーバード大学とMGH、VR/ARのベテラン、デジタルヘルスの専門家からなるチームを結成した。
現在、Novobeingは医療向けのVR/ARプラットフォームを通じて、患者が抱える不安やストレス、痛みの軽減をサポートしている。
同プラットフォームではCBT、ACT、ポジティブ心理学など科学的根拠に基づく治療プログラムを用意。また、インタラクティブな瞑想、3D旅行ツアー、自然スポットなど、多様な没入型ウェルネス体験も提供している。
名所をリアルに再現したVR旅行アプリ「BRINK Traveler」
今回、Novobeingがパートナーシップを結んだBRINK XRは「バーチャル旅行体験を通じて、世界の驚異をすべての人が自ら体験できるようにすること」を目指す米国企業だ。
本当にそこにいるような没入感を実現
BRINK XRでは、独自のフォトグラメトリー(写真測量)技術を活用して高解像度のドローン空撮画像をキャプチャし、三脚に取り付けたカメラで撮影した地上画像と合成している。
こうしたアプローチにより、現実世界のロケーションのリアルなモデルを作成。さらに、このモデルを複雑なインタラクションで強化し、まるで本当にそこにいるかのような没入感を実現する。
空を飛ぶ鳥のさりげない姿から滝の心地よい音などの細部に至るまで、ユーザーがバーチャル世界に没頭できる設計を施している。
病院のベッドに腰かけた患者が本物そっくりの山々を眺めているこのイメージ画像は、Novobeingのプラットフォームで提供される没入型自然体験の1つ。今回のBRINK XRとの独占的パートナーシップによって実現したものだ。参考・引用元:
Novobeing
BRINK XR
PR Newswire
(文・Haruka Isobe)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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