データ侵害の防止、詐欺対策などを支援|米Resecurity、企業・政府向け生成AIフレームワーク「Context AI」発表
世界でサイバーテロの脅威が増している近年。日本では今年6月にKADOKAWAがサイバー攻撃を受け、個人情報が流出するといった事件が大きな波紋を呼んだ。
新たな脅威やセキュリティ上の課題が出現するなかで、企業や政府は効果的なツールを使用してあらゆるデジタル脅威をタイムリーかつ詳細に分析することがこれまで以上に必要となるだろう。
そこで米国のサイバーセキュリティ企業Resecurityは、企業・政府が脅威分析を加速するための生成AIフレームワーク「Context AI」を開発。8月3日~8日までネバダ州ラスベガスのマンダレイベイコンベンションセンターで開催される「Black Hat USA 2024」で発表するという。
分析、予防、調査のワークフローを加速する「Context AI」
2016年設立のResecurityは、企業や政府機関向けにエンドポイント保護、リスク管理、脅威インテリジェンスのための統合プラットフォームを提供する企業。米国をはじめサウジアラビア、アラブ首長国連邦、セネガルを含むアフリカのいくつかの国に拠点を置いている。
Resecurityが開発したContext AIは分析、予防、調査のワークフローを加速するプラットフォーム。サイバーセキュリティ、調査、インシデント対応、SOC運用向けに特別に調整された生成 AIを活用している。
Resecurityの主要製品にContext AIを実装すると意思決定プロセスがスピードアップし、リソース割り当てが最適化され、複数のユニット間でサイバーセキュリティ運用を並行して実行可能になる。
生成AI機能のほか、Context AIはデータ分類タスク、リスクスコアリング、グラフベースのクラスタリング分析に役立つ機能も搭載。さまざまなソースからのデータポイントを相関させ、異常なパターンを識別することで、組織が予防措置を積極的に準備して実装し、新しい攻撃を阻止して潜在的なセキュリティ上の課題を予測するのをサポートする。
データ侵害の防止、詐欺対策などに活用可能
主なユースケースは海賊行為対策、ブランド保護、データ侵害の防止、デジタルリスク監視、ダークウェブ対策、セキュリティインテリジェンス、クラウドセキュリティサービス、詐欺対策、脅威への対応など。
ブランド保護では、ブランドを不正使用、評判リスク、著作権侵害、知的財産(IP)違反から保護し、収益の損失、ブランドのダメージ、顧客の信頼の喪失を最小限に抑える。
データ侵害の防止では知的財産、機密文書、顧客データ、従業員データなどの機密データの漏洩を特定。インフラストラクチャまたはクラウドでのデータ侵害のリスクを防止する。
詐欺対策として、企業を狙う詐欺師やサイバー犯罪者の最新のツール、戦術、手順を把握することも可能。アプリやサービスでResecurityのSDKとREST APIを使用して、詐欺対策を強化できる。
なお、現時点で成功しているアプリケーションは詐欺防止、ソーシャルメディア分析、地理空間の強化などだ。
Context AIは現在、8つの政府で使用されている。国家安全保障、諜報、法執行機関の活動を加速するために実装されたという。今後Resecurityは、Context AIを継続的に強化し、顧客や業界パートナー、同業他社と協力して、新たな成功ユースケースとアプリケーションを構築していく方針だ。
参考・引用元:
PR Newswire
Resecurity
(文・Haruka Isobe)
ウェブサイト: https://techable.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。