伝統的工芸品「久留米絣」の技をニューヨークのアーティストが学ぶ体験プログラム実施

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伝統的工芸品「久留米絣」の技をニューヨークのアーティストが学ぶ体験プログラム実施


日本のものづくりを伝えるために積極的に海外展開を行っている「坂田織物」が、7月1日(月)~27日(土)の期間、ニューヨークのアーティスト3人を招き入れ、国指定の伝統的工芸品である久留米絣の技術を伝えている。

ニューヨークの美術大学と連携

1948年創業の福岡・久留米絣の製造元「坂田織物」では、ニューヨークのパーソンズ美術大学 大学院テキスタイル学科の修士号を取得したアーティストを招き入れ、各々が考えるオリジナルのデザインを文化的・産業的な技術指導をしながら作品として作り上げ、久留米絣の付加価値を伝える活動を行っている。

同社では、2017年から新たなマーケットを求めて、ニューヨークでの商談会等に参加しながら海外展開を行ってきた。その知名度の低さから商談会への積極的な営業活動をするなかで、まずは価値を広く知ってもらう広報等の啓蒙活動に重きを置くようになったという。


そのなかで、ニューヨークのパーソンズ美術大学 大学院テキスタイル学科での特別授業をする機会を得た。


その授業を受けた学生や卒業生を1か月程度受け入れ、学んだ学生や卒業生がアメリカに帰国後、実体験を元に、自信のフィルターを通して価値を伝えてもらうことを行っている。久留米絣の認知度向上から、最終的にはマーケット拡大を目的としている。

久留米絣職人弟子入りプログラム


体験プログラム名は「Kurume Kasuri Craftsman Apprenticeship Program(久留米絣職人弟子入りプログラム)」。


参加者は自分自身の図案をデザインするところから始まり、糸を染めて手織りを行い、最終的には独自の久留米絣テキスタイルを作成するまで、久留米絣の全生産過程を1か月程度の期間で体験する。


滞在中は、久留米絣の文化的な技術や職人との国際交流、その他、地域文化を視察体験することができる。

久留米地域の複雑な織りの技法


久留米絣は伝統的な日本の織物の1つであり、染められた糸がかすれたような模様を作り出す方法から、一説にはかすれる=絣(かすり)といわれている。

久留米地域の絣はその複雑な織りの技法で際立っており、視覚的に魅力的な模様を作り出すだけでなく、使う年数と共に快適さが増す肌触りも魅力だ。

久留米絣の技法の一部は1957年に重要無形文化財に認定され、1974年に国指定の伝統的工芸品に指定されている。しかし、着物離れや需要の多様化で生産量が減少し、事業者の数も減少している。生産量が昭和50年代の約53万反(着物換算53万着)から年々減少し、令和に入りコロナ禍によってさらに減少、今では約3万5千反(着物換算3万5千着)と、ピーク時の約7%弱となっている。

「坂田織物」では、伝統を守るだけでなく、さまざまなチャレンジをし、現代のマーケットに合ったものを提案するなど、久留米絣の美しさと工芸技術を守ることに情熱を注いでいる。

久留米絣の技術を伝える「Kurume Kasuri Craftsman Apprenticeship Program」の活動に注目だ。

坂田織物HP:http://www.sakataorimono.com

(鈴木 京)

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