インドTestsigma社が資金調達、生成AI新機能とSalesforce向け新製品を発表
AI搭載のローコードテスト自動化プラットフォーム「Testsigma」を提供するインドのTestsigmaは6月5日、シンガポールのベンチャーキャピタル企業MassMutual Venturesから820万ドルを調達したと発表した。このラウンドには既存投資家のAccel、STRIVE、BoldCapも参加。Testsigma社は2022年にも460万ドルを調達している。
今回の資金調達と同時にプラットフォームの生成AI新機能と新製品も発表された。
NLP (Natural Language Programming) エンジンを基盤とするため、コーディングの専門知識がないユーザーでも平易な英語を使用して複雑な自動テストをスピーディーに開発・実行できる。大手クライアントにはCiscoやSamsung、Bosch、Oscar Health、American Psychological Associationなどがある。
Testsigmaは2019年に設立されたスタートアップ。共同設立者の4人はZohoやFreshworks、Oracle、HPEなど大企業向けSaaSアプリの開発経験を誇るチームである。米国サンフランシスコに本社を、バンガロールとチェンナイにエンジニアリングチームを置いている。現在バンガロールでは技術部のエンジニアとセールス部門を中心に人材を募集中だ。
生成AI新機能でQAチームの効率アップ、Salesforce製品も
今回新たに発表された生成AI機能により、URLやプロダクトデザイン、スクリーンショット、Jiraのストーリーといったさまざまなインプットからテストシナリオおよびテストケースの生成が可能になる。設計・実行プロセスが迅速になるだけでなく、包括的なテストカバレッジを実現するという。
AI機能は、コード変更から生じる仕様と実装間のギャップを特定・カバーするシナリオも提案してくれるので、開発中のソフトウェアの堅牢性と信頼性が維持される。
また、今回発表された新製品はSalesforceエコシステム向けに特化したソリューション。Salesforce開発者および管理者両方のニーズに対応できるように設計されている。Salesforceのテスト工程を大幅に加速するため、従来のテスト手法と比較するとテスト開発速度が10倍になるという。
今後は生成AIツールと自然言語がプログラミングの主流に
今回の生成AI機能とSalesforce向け新製品によって、「QAチームのためのオペレーティングシステム構築」という当社のビジョンにさらに近づくことができました」とコメント。生成AI分野に多額の資金投入を続けてきた成果か、同社クライアント各社が急速に生成AI導入を行っているとした。
MassMutual Venturesの経営パートナーであるAnvesh Ramineni氏およびAccel PartnersのAbhinav Chaturvedi社も、TestsigmaのQA部門への普及スピードを強調、新たな生成AI機能への期待を示している。
IDCのレポートによると、2028年までにはソフトウェアテストの記述の70%を生成AIツールが担うようになるとのこと。マニュアル作業の削減により、テストカバレッジ、ソフトウェアユーザビリティ、コード品質が向上するという。さらに、同年までには自然言語が最も広範に使用されるプログラミング言語になるという予測も。新しいアプリの30%が自然言語で開発されるとしている。
(文・坂土直隆)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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