【ライヴレポート】乃木坂46に革命を起こせる人になりたいです──乃木坂46「35thSGアンダーライブ」
2024年6月7日〜9日の3日間に渡って、乃木坂46の35thシングルアンダー楽曲「車道側」歌唱メンバーによる「35thSGアンダーライブ」が、有明アリーナにて開催された。OTOTOYではその最終日となったDay3の公演のレポートをお届けする。
今回、35thSGアンダーライブに参加したメンバーは、岡本姫奈、小川彩、奥⽥いろは(スケジュールの都合で初日のみ出演)、⾦川紗耶、黒見明香、佐藤璃果、柴⽥柚菜、菅原咲⽉、清宮レイ、筒井あやめ、冨⾥奈央、中⻄アルノ、林瑠奈、松尾美佑、⽮久保美緒。アンダーライヴでははじめて4期生と5期生のみで構成されたメンバーということもあり、メンバーもファンも気合いに満ちていた。
開幕を告げる“OVERTURE”のあと、“ジャンピングジョーカーフラッシュ”のイントロが鳴り響くなか、メンバーが登場。このライヴの座長を務める筒井あやめが勢い良くジャンプしながら、「アンダーライブ盛り上がっていくぞー」と叫びライヴがスタート。それからさらに、5期生曲の“バンドエイド剥がすような別れ方”、夏曲“自惚れビーチ”を畳かけ、キュートさを演出。
曲終わりの冨⾥奈央のコール&レスポンスでボルテージが上がりきった客席に、34thシングルのアンダー曲“思い出が止まらなくなる”を中⻄アルノセンターで披露。続く、アンダーライブでの人気曲“13日の金曜日”の終盤には、メンバー全員でひとりずつ客席を盛り上げ、“錆びたコンパス”へとなだれ込む。激しいギター・サウンドに込められた熱いパフォーマンスが、胸をグッと掴んだ。
ライヴはさらに、“あの日 僕は咄嗟に嘘をついた”、“嫉妬の権利”、“不等号”というアンダーライヴには欠かせない3曲を立て続けに。乃木坂46のクールな一面を見せつけた後は、“狼に口笛を”でガラッと空気を変える。曲のスタートには黒見明香が客席を煽り、全力のパフォーマンスを見せた。
オープニングから10曲連続で楽曲したあとは、ユニットコーナーへ。まず1曲目は、小川彩、岡本姫奈、⾦川紗耶、黒見明香、柴⽥柚菜、筒井あやめ、中⻄アルノ、松尾美佑、⽮久保美緒による、ミドル・バラード“ブランコ”。パンツスタイルの衣装に、スタイリッシュなダンスで楽曲に新たな彩りを加えた。続いて、ステージ現れたのは、林瑠奈、佐藤璃果、菅原咲⽉、清宮レイ、冨⾥奈央。5人は“羽根の記憶”を爽やかに歌い上げる。さらに、金川/岡本,柴田は、“その女(ひと)”をパフォーマンス。椅子を使った3人の息のあったフォーメーションが、妖艶さを演出した。
ユニットブロックの最後を飾るのは、清宮レイ、黒見明香、佐藤璃果、冨⾥奈央、中⻄アルノ、松尾美佑、⽮久保美緒による“Against”。この“Against”はグループの象徴的な存在だった生駒里奈が、最後にセンターを務めた楽曲だ。この日センターを務めたのは、先日この35thシングル「チャンスは平等」の活動をもってのグループからの卒業を発表いる清宮レイ。そのパフォーマンスには、生駒がこれからの乃木坂46に継承してきた強い意思が宿っているかのような、力強さが感じられた。そして再び全員が揃って、“ハウス!”、“扇風機”の2曲を元気いっぱいに熱唱し、客席の隅々まで笑顔を届けた。
続いては、アンダーライブキャプテンの松尾美佑が進行を務める企画のコーナー。この日は加入当初中学2年生だったという小川彩が、来月には17歳になることにちなんで「もうすぐ華のセブンティーン!あーやと一緒に遊びましょう」と題した、4期生と5期生に分かれた対決コーナーへ。まずコーナーの1つめは「飛距離を競え!サインボール投げ対決」。それぞれ期別にボールを投げ合い、4期生の代表は清宮レイ、5期生の代表は菅原咲⽉に決定。この対決は、客席後方まで全力投球した清宮が勝利。4期生メンバーの元へと全力ダッシュで駆け寄り、全身で喜びを表現した。続いては、三輪車でのリレー対決。何故かバックし始める岡本姫奈の姿には、かつての秋元真夏を彷彿させるなど、見どころも充分。この対決は5期生の小川彩が接戦の末に勝利。このコーナー4期生と5期生の交流を深める素敵な機会になっていた。
ライヴはここから終盤へ。アンダーライブにおいて、最も重要な楽曲といっても過言ではない“日常”を、筒井あやめをセンターに据えて披露。直前のVTRで、筒井の存在について「アイドルとしてのキラキラがすごい子」と清宮が評していたが、その「キラキラ」とはきっとキュートさだけではなく、こういった力強い楽曲においても発揮される輝きのことでもあるだろう。筒井センターの“日常”は、天性のアイドルとしての強さを見せつけるパフォーマンスだった。ライヴはそこから、菅原咲⽉&冨⾥奈央の5期生コンビがWセンターを務めた“Hard to say”、林瑠奈センターの“さざ波は戻らない”、松尾美佑センターの“踏んでしまった”、と近年のアンダー楽曲を連発し、客席を沸かせた。続いての“Actually…”では、中⻄アルノのヴォーカルとメンバー全員の群舞が見る者の心を熱くさせた。
ライヴはさらに、クライマックスへ。ひとりスポットライトを浴びた筒井あやめが「私にとって大切な曲。皆さんに届きますように」という言葉から、“夜明けまで強がらなくてもいい”をバラードアレンジで熱唱。この曲は筒井が4期生ではじめて選抜としてステージに立った楽曲であり、この曲を彼女がセンターで歌うのには、大きな意味がある。音数を極限まで削ぎ落としたが故に、歌声がダイレクトに届き、大きな感動が会場全体を包み込んだ。
本編の最後は、35thシングル・アンダーメンバーのオリジナル曲“車道側”。歌唱前のMCで、座長の筒井は「尊敬する先輩が、私に名付けてくださった革命児という言葉 乃木坂46に革命を起こせる人になりたいです。頑張ります」と力強く宣言。この“革命児”は卒業生の齋藤飛鳥が名付けたキャッチフレーズ。その言葉通り、“車道側”の全力のパフォーマンスには、これからの乃木坂に革命が起こりそうな、なにかを感じさせた。
大きな乃木坂46コールの声に迎えられ、アンコールは“ざぶんざざぶん”でスタート。続く、“太陽ノック”では、爽やかに夏を駆け抜けた。
その後のMCで黒見が涙を浮かべながら清宮の卒業に触れると、清宮は「いざ最後ってなるともっと寂しくなるのかなと思ったんですけど、そんなの忘れちゃうぐらい今日は楽しくて。こんなに優しくて温かくて、こんな私を許してくれるメンバー、スタッフさん、ファンの皆さんに支えられていたから6年間走り続けられたんだと思います。本当にありがとうございました」と応える。さらに清宮は「アイドルって応援されてなんぼじゃないですか。でも、私はずっとファンの人を応援したかったし、メンバーのためになれたら、私の存在がプラスになれたら、そういう存在になりたかったので、みんなに寂しいよと言ってもらえたので、ここで流した涙は無駄ではなかったと思いたいです」と彼女らしく笑顔で話した。
そして、ラストは初期から歌われてきた楽曲“左胸の勇気”を熱唱。歌い終えたメンバーがステージを去ると、最後に残った筒井が清宮に向けて「レイちゃん、前にアイドル向いてないって自分で言ってたけど、レイちゃんほど向いている人いないよ。よく頑張った。大好き!」と伝える。そして、涙ながらにタイトハグを交わして、「35thSGアンダーライブ」は幕を閉じた。
と、思ったのだが客席からはアンコールを求める声援が鳴り止まない。すると、会場に駆けつけた奥⽥いろはを含む15人でダブルアンコールがスタート。この日のセットリストの1曲目に披露した「ジャンピングジョーカーフラッシュ」を元気いっぱいに歌い上げ、最高の盛り上がりを見せた。
こうして、大団円でフィナーレを迎えた「35thSGアンダーライブ」。いま乃木坂46はグループとしても大きな変化のなかにある。しかし前に進んでいく彼女たちの目には、大きな未来が見えているはず。これからも乃木坂46の活躍から目を離さないでいて欲しい。革命の炎は煌々と燃え始めているのだから。
取材・文:西田健
photo by:鈴木健太(KENTA Inc.)
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セットリスト
2024年6月9日 乃木坂46「35thSGアンダーライブ」
0. OVERTURE
1. ジャンピングジョーカーフラッシュ
2. バンドエイド剥がすような別れ方
3. 自惚れビーチ
4. 思い出が止まらなくなる
5. 13日の金曜日
6. 錆びたコンパス
7. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
8. 嫉妬の権利
9. 不等号
10. 狼に口笛を
11. ブランコ
12. 羽根の記憶
13. その女(ひと)
14. Against
15. ハウス!
16. 扇風機
17. 日常
18. Hard to say
19. さざ波は戻らない
20. 踏んでしまった
21. Actually…
22. 夜明けまで強がらなくてもいい
23. 車道側
EN1. ざぶんざざぶん
EN2. 太陽ノック
EN3. 左胸の勇気
W-EN. ジャンピングジョーカーフラッシュ
ライヴ情報
「乃木坂46 単独香港ライブ」
2024年6月28日(金) Hong Kong Convention and Exhibition Centre
ツアー情報
「真夏の全国ツアー2024」
2024年7月20日(土) 京セラドーム大阪
2024年7月21日(日) 京セラドーム大阪
2024年8月24日(土) バンテリンドームナゴヤ
2024年8月25日(日) バンテリンドームナゴヤ
2024年9月2日(月) 明治神宮野球場
2024年9月3日(火) 明治神宮野球場
2024年9月4日(水) 明治神宮野球場
インフォメーション
■乃木坂46公式サイト
http://www.nogizaka46.com/
■乃木坂46 OFFICIAL YouTube CHANNEL
https://www.youtube.com/@nogizaka46SMEJ
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