KAMEYA HOTEL(湯野浜温泉 亀や)旅行記。サウナも楽しめる老舗宿に宿泊
古いまちなみとホテル、建物が好きな偏愛はな子です。海を見ながらゆっくりと癒やされたい……。せっかくの休日に旅をするなら、混雑も少ない穴場スポットでとことん自分を甘やかしたい。
今回向かったのは、日本海に面したリゾート地、山形県鶴岡の湯野浜温泉。数年にわたるリニューアルプロジェクトを終えて2024年4月にリスタートを切った老舗宿「KAMEYA HOTEL(湯野浜温泉 亀や)」や、クラゲの展示種数世界最大級を誇る「鶴岡市立加茂水族館」へ。心地よい宿に泊まって、美しいクラゲを鑑賞して……、とことんリラックスできた週末となりました。
東京駅を出発
東京駅から鶴岡駅は、列車で約4時間
週末の始まりは、おいしい朝食で迎えたい。少し早起きして活気溢れるJR東京駅の構内で、お気に入りのパンとコーヒーをゲット。いざ上越新幹線に乗り込みます。車窓に流れる景色を眺めながらの朝食は贅沢そのもの。
約2時間でJR新潟駅に到着。上越新幹線と特急「いなほ」の乗り換え時間はわずかですが、心配は無用。ホームに降り立つと眼の前に臨時の改札が。びっくりするほどスムーズ。
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特急「いなほ」に乗って、JR鶴岡駅へ。車窓に流れる日本海の風光明媚な景色にうっとり。曇り空がつくりだす、日本画のような濃淡が心を落ち着かせてくれます。晴れた日は海に沈む美しい夕日が見られるそう。
鶴岡駅に到着。鶴岡駅が開業したのは大正時代、100年を超える歴史があります。
鶴岡市内に残る明治期に建築された洋館をモチーフに、2014年にリニューアルされた駅舎がお出迎え。駅前からバスに乗って、いよいよ湯野浜温泉へ。
KAMEYA HOTEL(湯野浜温泉 亀や)
創業200年以上、全室オーシャンビューの宿
湯野浜温泉の歴史は古く、実に1000年以上。「海辺で湧き出す湯のなかで、亀が傷を癒やしていたという伝説に由来している」とか。
お世話になるのは、湯野浜温泉のなかでも老舗、200年以上の歴史を持つ宿「KAMEYA HOTEL」。
美しい中庭と圧巻のロビーが出迎えてくれます。龍宮城をイメージしたという宿は、海の生き物のモチーフが随所にあるので、チェックイン後の散策も楽しい。
まるで美術館のような館内を通って、いよいよお部屋へ。
今回泊まったのは、「水面が上下を繰り返しながら変化する光の揺らぎ=水面(みなも)」がコンセプトのお部屋。日本海を臨む窓は、一枚の絵のようにさえ感じられます。
KAMEYA HOTELの「酒処 蔵」と温泉
地酒を少しずつ味わう、幸せの時間
夕食の時間までに訪れたいのは、館内にある「酒処 蔵」と温泉。「酒処 蔵」では、チェックインから夕食までの時間、庄内自慢の地酒や地ワイン、ビールなどが楽しめます(別料金)。
日本有数の米どころである庄内地域は、山々から流れ出る澄んだ雪解け水を利用して、古くから酒づくりがさかんな地域。「酒処 蔵」には、厳選された10種類の日本酒から3種類を選び、ちょっとずつ飲み比べできるセットが。
一息ついたら大正築の別館龍宮殿にある温泉へ。男女ともに大小3種のお風呂がチェックインから24時までと、翌朝5時〜10時まで楽しめます。滞在中に何度も楽しみたい。
豊富な湯量と海を感じられる明るい空間。ざぶんと湯に身を沈め、耳を済ませば遠くに波音。思わず「極楽、極楽」とつぶやきたくなるほどです。塩化物泉の泉質で、身体の芯からぽかぽか。
晴れの日は、露天風呂から日本海に沈む夕日を眺めることができるそう。
ちなみに、今回のお部屋は源泉かけ流し温泉付きなので、好きなタイミングで好きなだけ温泉を楽しめるのもうれしいポイント。
KAMEYA HOTELの夕食
夕食は部屋食だから、気兼ねせずに楽しめる
夕食はお部屋でいただきます。
寒い時期でもうれしい床暖房。
訪れた3月は、脂ののったブリや、紅ずわい蟹甲羅盛り、山形牛の煮込みなど地元で取れた旬の幸がふんだんに。日本酒をちびちびと飲みながら気兼ねなくいただけるのは、お部屋食だからこそ。
シメは、山形県の新しいブランド米「雪若丸」。つやつやのご飯と一緒に、山形名物の芋煮をいただきます。庄内地域の芋煮は、味噌と豚肉を使用するそうで、びっくりするほどご飯がすすみます。
料理でお腹が満たされたあとはベッドにダイブ。食後10歩以内で、ふかふかのベッドの上で食休みができてしまう……。罪悪感を覚えながらも、今日ぐらいはとことん自分を甘やかそう、そんな旅の醍醐味を味わいます。
KAMEYA HOTELのサウナ
2023年6月オープン「龍宮殿サウナ」
少し早く起きて朝食前に楽しみたいのは、2023年6月にオープンした宿自慢の「龍宮殿サウナ」(別料金)。「海」「空」の2つの空間から成り、朝晩で男女入れ替え。女性が朝に楽しめる「龍宮殿サウナ 海」は、日本海を一望する贅沢な空間。
※編集部注:龍宮殿サウナのご利用は中学生以上。利用を希望する際は予約が必要になります(定員あり)
まずは、ゆったり寝ながら入れる温泉へ。遠くから聞こえる潮騒を耳に湯船にそっと身を沈めれば、いつしか自分だけの時間に。
身体が温まったら、いよいよサウナ。スマホを見ることなく話すことなく、ただただじっと過ごす時間はいつぶりでしょうか。10分ほどたったら水風呂へ。初めての水風呂は心地よい爽快感。
繰り返しサウナを楽しんだ後は、「海」内にあるラウンジに移動。リクライニングチェアで、宿お手製のデトックスウォーターやちょっとしたフードをつまみながらリラックス。まるで時間が止まっているかのような空間。
サウナを楽しんだら、温泉宿の楽しみのひとつ、朝食をいただくため会場へ。
山形のソウルフード「玉こんにゃく」や自家製の漬物など、どれも庄内産のご飯「つや姫」に合うものばかり。
湯野浜温泉神社
日本海を眼下に臨む、湯野浜温泉神社へ
チェックアウト後は、ホテル裏手の小高い丘に佇む「湯野浜温泉神社」へお散歩。初めて温泉が発見された際、その守り神として祀られたという言い伝えがある由緒ある神社。
日本海を見下ろす高台に位置し、晴れていれば眼下に真っ青な美しい景色が広がるそう。
鶴岡市立加茂水族館
世界最大級の展示種数を誇るクラゲに癒やされる
続いて向かうのは、世界最多のクラゲ展示種数を誇る水族館として有名な「鶴岡市立加茂水族館(クラゲドリーム館)」。
宿近くのバス停から海岸線を揺られて約10分。海沿いに現れる流線型のなだらかな建物は、「波間に漂うクラゲ」をイメージしたデザインだそう。
歴史は古く、始まりは1930年に地元の有志たちによってつくられた「山形県水族館」。入館者が落ち込み閉館を覚悟した時期もあったそうですが、クラゲの赤ちゃんを育て、クラゲの展示を推し進めた結果、世界最大級のクラゲ展示種数を誇る人気の水族館になったとか。
館内に入ると、趣向を凝らしたさまざまなクラゲの展示が。水の流れに身をまかせゆらゆらと揺れるクラゲを眺めると、いつしか自分だけの時間に。
随所にあるスタッフの方の愛情こもった解説展示も見どころのひとつ。
館内の中央は、愛くるしいアザラシがくるくる泳ぐ「ひれあし広場」。1日に数回開催される解説プログラムはぜひ訪れたいところ。解説の時間以外にも、オフの姿のアシカが見られるのもうれしい。この日は、飼育員さんの掃除中にケンカやイタズラをする姿を見ることができました。
暖かい日は、屋上緑地広場もおすすめ。潮風を感じながらお弁当やドリンクを楽しめる開放感溢れるスポット。見えるのは、青空と美しい海。穏やかな時間が流れる贅沢なひととき。
いよいよ帰りの時間。水族館から庄内交通の路線バスに乗って鶴岡駅へ。特急「いなほ」に乗って、来たときと逆の道のりを揺られていると、次に来られる日はいつだろう、と少し名残惜しさを感じてしまいます。
東京から足を延ばして訪れる鶴岡。ゆったりとした時間を過ごしながらとことん自分を甘やかしたいときにぴったりの旅となりました。
東京駅に到着
掲載情報は2024年5月10日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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